【コラム】リリースから50年 クイーンのサード・アルバム『シアー・ハート・アタック』とは?

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【コラム】リリースから50年 クイーンのサード・アルバム『シアー・ハート・アタック』とは?

クイーンの3枚目のアルバム『シアー・ハート・アタック』がイギリスでリリースされたのは1974年11月8日(日本:12月21日)。今年で50年を迎える。

「ボヘミアン・ラプソディ」が収められた『オペラ座の夜(1975)/4枚目』や、「ウィ・ウィル・ロック・ユー」「伝説のチャンピオン」が入った『世界に捧ぐ(1977)/6枚目』といったアルバムに比べると音楽ファンの間での認知度は低いかもしれない。しかし『シアー・ハート・アタック』には最初の大ヒット曲「キラー・クイーン」が収録されている。いわばクイーンが大ブレイクするきっかけになったアルバムなのだ。

ファースト・アルバム『クイーン/戦慄の王女(1973年7月)』では前身バンド「SMILE」の流れを汲んだハード・ロック。セカンド『クイーンⅡ(1974年3月)』ではLPのA面/B面をサイド・ホワイト/ブラックと分け、白と黒を対比させ様式美を追求したコンセプチュアルな作品となった。ここからシングル「輝ける7つの海」がスマッシュ・ヒットし、アルバムもTOP5にランクイン。シングル・ヒットの重要性に気付いた彼らが満を持して1974年10月11日に発表したのが「キラー・クイーン」だ。それまでの重厚路線から一転させた、ポップなメロディと瀟洒で華麗なサウンドは英国の音楽ファンに受け入れられた。英チャート最高位2位まで上昇し、記念すべきクイーン最初の大ヒット・シングルとなった。

『クイーンⅡ』のジャケットは幻想的なモノトーン写真でメンバーを浮かび上がらせていたが、『シアー・ハート・アタック』では半裸になったメンバー個々の肌の質感までが伝わるフルカラー写真が使われた。前作で描かれた神話やファンタジーの世界から抜けだし、本作ではまさに”裸”を晒したのだ。サウンド面でもこれまでの重量級の大作指向、コンセプチャルなスタイルから、短い曲を中心にした多彩かつポップな方向に舵を切った。クイーンにとっては大きな路線変更となったアルバム『シアー・ハート・アタック』は、同年11月8日にリリース。先行シングルの勢いを受け、チャート最高位2位を記録。デビュー2年目、3枚目で遂にブレイクを果たした。

アルバム冒頭にはブライアン・メイのギター・ソロをフィーチャーした「ブライトン・ロック」が収められた。また、クイーン+アダム・ランバート公演でもお馴染みの「ナウ・アイム・ヒア」もこのアルバム収録曲。フレディの息吹までが伝わる美しい小品「谷間のゆり」「ディア・フレンズ」。「地獄へ道づれ」や「ブレイク・フリー」等のメガヒットを書いたジョン・ディーコン最初の作品「ミスファイアー」。初期のコンサート・エンディング曲「神々の業 (リヴィジテッド)」など様々な楽曲が並ぶ。

【コラム】リリースから50年 クイーンのサード・アルバム『シアー・ハート・アタック』とは?

本国ではブレイクを果たしたクイーンだが、日本ではどうだったのだろう?ファースト・アルバム『クイーン/邦題:戦慄の王女』が日本で発売されたのは本国から8ヶ月遅れた1974年3月。最初にクイーンを推したのは当時駆け出しの音楽ライター、大貫憲章。『戦慄の王女』のライナーノーツも担当し、ラジオや雑誌でクイーンの魅力をアピールし続けた。この頃はハードロック好きの男性ファンが中心であったが、音楽雑誌ミュージック・ライフ(以下ML)がクイーンをグラビア・ページで紹介すると、彼らの貴公子/王子様ルックスから女性ファンが急増。この動きを受けレコード会社は2枚目のアルバムをファーストから3ヶ月後の6月に急遽発売。7月にはML誌がロンドンで撮り下ろし取材も敢行。徐々に高まるクイーン人気を肌感覚で感じていた同誌編集長の東郷かおる子は勝負に出る。’74年12月号の表紙にクイーンを採り上げたのだ。同じ号では、名物コーナーでもあるML人気ランキング/総合部門でクイーンは初登場でいきなり3位にランクインしたのだ。同月には『シアー・ハート・アタック』も日本発売され、クイーンの人気は爆発寸前。翌年(1975年)4月の初来日に繋がっていくのである。

英国、日本でブレイクするきっかけとなったアルバム『シアー・ハート・アタック』の魅力をゆかりのゲストが語るトークイベントが、11月9日(土)〜11日(月)の3日間、東京で開催される。初日(11/9)昼公演にはトリビュート・バンド、QUEENESSとGUEENのギタリスト、清水一雄と井口慎也が登壇。ブライアン・メイの愛機、レッド・スペシャルの実演を交えながらアルバムを解説。夜公演には前述の大貫憲章(DJ/音楽評論家)と東郷かおる子(元ミュージック・ライフ編集長)の当時を知る生き証人ふたりが登壇。

2日目(11/10)昼には、「クイーンは何を歌っているのか?」の著者であり洋楽歌詞解説家の朝日順子が登場し、歌詞の面から分析する。夜にはトリビュート・バンド、QUEERのドラマー、ロジャーM.高橋が登壇。ファースト、セカンドからロジャー・テイラーのドラムがどう変遷していったかをわかりやすく解説。

最終日(11/11)にはクイーンの熱烈なファンとしても知られるミュージシャンのROLLYが登場。クイーン愛溢れる熱いトークを展開する。『シアー・ハート・アタック』トークイベントのチケットのお求めは下記の概要欄参照。

TEXT:石角隆行(クイーン研究家)

イベント情報

MUSIC LIFE CLUB presents 
新クイーン・ゼミナール Ⅲ シアー・ハート・アタック 50周年ウィーク
日時:2024年11月9日(土)、10日(日)、11日(月)
会場:東京原宿・Space WOW 東京都渋谷区神宮前1丁目21−4 SCOOPビル 1F
   https://space-wow.jp/

【コラム】リリースから50年 クイーンのサード・アルバム『シアー・ハート・アタック』とは?

<シアー・ハート・アタック 50周年ウィーク /参加ゲスト>
11月9日(土) 昼の部 OPEN 13:00 START 13:30 /清水一雄(QUEENESS )+ 井口慎也(GUEEN)
11月9日(土) 夜の部 OPEN 17:00 START 17:30 /大貫憲章(音楽評論家/DJ) +東郷かおる子 (元MusicLife編集長)
11月10日(日) 昼の部 OPEN 12:00 START 12:30 /朝日順子(洋楽歌詞解説者)
11月10日(日) 夜の部 OPEN 16:00 START 16:30 /ロジャーM.高橋(QUEER)
11月11日(月) OPEN 19:00 START19:30 / ROLLY (ミュージシャン)
構成/MC:石角隆行 (クイーン研究家)

【コラム】リリースから50年 クイーンのサード・アルバム『シアー・ハート・アタック』とは?

チケット価格(税込):11月9日(土) 昼の部、11月10日(日) 昼の部 & 夜の部
入場チケット(各回定員40名):3,000円+入場時ドリンク代別途(500円)
配信チケット(生配信+見逃し視聴期間:7日間):2,000円

チケット価格(税込):11月9日(土) 夜の部、11月11日(月)
入場チケット(各回定員40名):4,000円+入場時ドリンク代別途(500円)
配信チケット(生配信+見逃し視聴期間:7日間):2,500円

入場チケット受付URL;
https://eplus.jp/queen-50th/

配信チケット受付URL;
https://eplus.jp/queen-50th-st/

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