【宮城県旧北上町(石巻市)】北上川の台地に建つ支所と、海岸線の慰霊碑と
日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、宮城県旧北上町(石巻市)を写真とともに紹介する。
Vol.324/宮城県旧北上町(石巻市)
旧河北町から、北上川を渡って旧北上町へ入った。岩手県に北上市があるように、北上川は流域のとても長い川である。それが、この旧北上町で、いよいよ太平洋へと流れ出ていく。
しかし、その河口地域に位置していることで、東日本大震災においては、大きな津波が襲った。新しい外観の北上総合支所は、小高い台地の上に建っていた。その途中の道は、違うのかもしれないが、おそらく新しくつくられたもので、周辺の様子もやや人工的に感じた。時間をかけて、少しずつ今の姿に戻っていったのかもしれない。
自然がもたらすものの大きさを考えさせられる。
吉浜小学校の跡地には、東日本大震災慰霊碑が建っている。目の前の北上川は海へとまさに流れ出るところである。慰霊碑には津波浸水深も記されており、13.8mとあった。軽々と見上げても、まったく届かない高さだ。
人間の想像に及ばない力がある。それらによって私たちは様々な恩恵を受けているし、時によって、大切なものを奪われてしまう。この関係性を、簡単に言葉にすることは難しい。目に見えないもの、未来のわからないもの。そういったものとともに、今この瞬間は動いている。手を合わせ、真剣に祈り、今ある命を大切に。そのことを、おろそかにしないこと。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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