トヨエツの冒頭セリフがまさかの……!! ユルすぎ&バグった面白さの『No Activity』シーズン2/豊川悦司さん中村倫也さんインタビュー「主要な配信ドラマにあるスケールとか、そんなもの何もありません(笑)」

access_time create folderエンタメ

ドラマ『No Activity』(ノーアクティビティ)はPrime Videoで視聴可能な、本格演技派キャストによる“まるでコントのようなコメディドラマ”。そのシーズン2が配信中となっています。

このストーリーでは、全く仕事をしないベテラン刑事の時田信吾(豊川悦司)と、その相棒である人たらしな若手刑事、椎名遊(中村倫也)のコンビが、ありえないような騒動を次々と巻き起こしていきます。

キャストはシーズン1でも登場した豊川悦司さん、中村倫也さん、木村佳乃さん、清野菜名さんのほか、シーズン2では高橋克典さん、白石麻衣さん、岡部大(ハナコ)さん、清水尋也さんらも加わり、緊迫感とユルさがバグった絶妙な世界観は更にパワーアップ。

シソンヌじろうさんによる脚本と英勉監督の演出が冴えまくります。

一度ツボにはまったら抜けられないこの謎の刑事ドラマ(?)、シーズン2の見どころについて、豊川悦司さん、中村倫也さんに実際にお話を伺ってみました。

──シーズン1(『『No Activity/本日も異状なし』)もかなりのものだったんですが、シーズン2は更に「良い感じ」になっていました。前シーズンとの違いについて教えてください。

豊川悦司さん:(シーズン)1と2ということで言うと、まずキャラクター自身が何の成長もしてない。

(一同爆笑)

中村倫也さん:確かに!(笑)

豊川:シーズン2は白石麻衣ちゃんというニューキャラクターが僕らの間に潤滑油として入ってきてくれたり、無線指令室の方も3人になったりといった変化はありますけれども、 基本的には何も変わりません。このゆるい世界をどういう風に楽しんでいただけるかっていう感じで作っていったっていうことですね。

中村:シーズン1の撮影から、1年半後にこのシーズン2の撮影に入ったのですが、やってる自分的にも「帰ってきたな」というか、「あの2人だ」っていう感じがあります。

でも久しぶりだからといってノッキングするものは全く無く、するするするっと何の成長もしてない2人の掛け合いが始まりました。

この劇の最初の僕のセリフ、「1年ぶりにコンビを組んで最初の話題がそれですか?」っていうのと全く同じ気持ちでスタートしましたね。
だけど椎名的には、得体の知れなかった時田先輩とシーズン1で関係性を築いて、すでに一歩懐に入ってる段階から始まってるから、そこの安心感はすごく居心地が良かったです。

豊川:ストーリーのダイアローグ(※劇における対話)的には変わってなくて、「素晴らしいナンセンスさ」みたいなものが根底にあります。だからリアリティの中に潜む飛躍感みたいなものを、すごく大事に、楽しんでやったっていう感じですね。

──ここまでナンセンスなものってなかなか無いように思いました。

豊川:ドラマに成立させてやるっていうのはできないことだと思います。そこが配信ならではの良さが一番出ているところじゃないでしょうかね。

中村:やっぱ、じろうさん(いい意味で)頭おかしいと思いますよ。

(一同笑)

この状況でこのこと喋る?って思うような事とか作中の曲とか、じろうさんが書いてる“遊べるキャラクター”の遊び度合い、振れ幅がすごいんです。だから作ろうと思ってもなかなか作れないものだと思います。じろうさんの発想や着眼点、筆ありきの作品だと思います。

──キャラクターの“成長”について伺おうと思ったんですが、既に「何も成長していない」というコメントがありました(笑)

中村:伸びしろがゼロです。人間的な伸びしろはもう頭打ちです。

(一同爆笑)

──シーズン1よりも、より親密になったことで踏み込める部分や椎名がサポートできる部分がさらに増したり、時田さんもそんなことまで言うようになってしまったんだ、という、いい意味なのか悪い意味なのか“バディ感”が増してるような気がしました。これは成長と呼んでいいのでしょうかね。

中村:ともに堕落。(一同爆笑)

豊川:上がるにしろ下がるにしろ、同じ1歩踏み出してる感じはあると思いますね。

中村:二人三脚の縄が強くなりましたよね。

豊川:うん。もっと話が噛み合うようになりました。シーズン1のダイアローグ(対話)ってモノローグ(独白)対モノローグみたいなところがあったと思うんですけど、今回はちょっとはダイアローグと呼べるようなところが出てきてるのかなっていうのは感じますよ。

中村:お互いの理解度と……椎名の操縦士としての腕は上がってますね。

豊川:そうだね。機体はだいぶ傷んだけどね。

(爆笑)

──アドリブは多かったですか?

豊川:アドリブも結構ありました。特に椎名側にはシーン終わりでの収め方みたいなものがあったんですけど、(中村さんが)アドリブで繋ぐのがすごく上手なんですよ。だから俺はもう横でペラペラ言ってればいい。(笑)

中村:あそこ楽しかったですよね。

豊川:いつまでやらせんだと思いながら。(笑)

中村:英さん(英監督)も欲しがりますからね。なんか(もっといいアドリブが)出るんじゃないかと思ってニヤニヤして待っててね。

──たくさん“欲しがって”いる。

中村:(監督が)捕食者の顔してます。(一同笑)

──豊川さん中村さん、お二人の役者人生の中には相当シリアスな役などがありますが、“ノーアク”はかなりトリッキーな役柄だったとご自分でも思われますか?

豊川:どうだろう……。一番最初にキャスティングしていただいたってことは、多分そういう素養みたいなものを僕という役者の中から見つけてもらったんだなとも思います。これは今回に限らず、キャスティングされるということ全てに言えます。だから、意外と自分の中では違和感無く、楽しんで演じることができたっていうのは正直なところかな。

中村:僕は多分、これまで演じてきた全ての役と比べても、最も僕に近い役ですね。 だから僕自身、セリフを覚えて現場に行ってるだけで、本当に何もしてないです。役作りというものは1ミクロンもしてないですよ。

──そうなんですね……!

中村:はい。悩みもしてないです。(笑)

──じゃあ、先ほどの演技終わりのところのアドリブなんていうのも、それは椎名であり中村さんご自身が発した?

中村:リアクションですね、全部。自分からアクションしたというより、現場で時田さんや冬花とのやりとりから立ち上がって、生まれた言葉です。僕自身は別に使われるつもりもなく言ってるだけだったはずなのに(気づいたら)使われてしまった、という“編集の被害者”です。(笑)

豊川:はっきり言って(僕ら)2人のシーンはストーリーには何の関係もないので、どんなストーリーだろうがハマるっちゃハマるピースなんだよね。だからこそ、なんかやってて面白いし。

──本当に不思議な作品ですが、その自由なふたりの空気感がこの作品の主軸のようにも思います。まだこの「ノーアク」を観たことのない人たちにどんな作品かを説明するとしたら、どんな風に伝えますか?

豊川:1番の売りは、やっぱりくだらないってことですね。だからこそ、なんか人間っぽいし。そこに生産性のかけらもない二人の関係性みたいなものが(一同笑い)、逆になんか愛らしい。クスクス笑いたい人には、すごくおすすめします。

中村:観やすいですよね。日常生活でちょっと疲れて帰ってきたときとか。そんな時に1本30分弱のこのドラマ、何も集中して見る必要がありません。(笑)

──ノンストレスですね。

中村:だけど気づくと楽しんで、時間も経ってて、なんかちょっと気がすっと楽になってたりする効果のあるものだと思うんです。

豊川:いい意味で真剣に見てほしくないよね。なんかもう「ながら見」でもいい。そういったことにもすごく対応できる作品なんじゃないかなって気はします。

──許容される感じはありますよね。懐の広い。

中村:深いことは一切ない。(笑)

豊川:今、主要な配信ドラマってスケールだったり、企画力があったりするけど、(『No Activity』シーズン2には)そんなものは何もありませんから。

(一同爆笑)

──これまで色々なインタビューをさせていただいてますが、そんなセリフ、初めて聞きました。(笑)

豊川:それが売りだと思います。

中村:疲れないですね。

──すごく的確なコメントばかりいただきました。(笑) ありがとうございました。

【作品情報】
ドラマ『No Activity/ノー アクティビティ』シーズン2は、Prime Videoにて全6話一挙独占配信中
※作品の視聴には会員登録が必要です。
(Amazonプライムについて詳しくはamazon.co.jp/primeへ)

出演:豊川悦司、中村倫也/木村佳乃、清野菜名/
高橋克典、白石麻衣、岡部大(ハナコ)、清水尋也
監督:英勉 脚本:じろう(シソンヌ)、土屋亮一、今井太郎
音楽:松本晃彦
©2024 Amazon Content Services LLC or its Affiliates

【ストーリー】
捜査の邪魔ばかりしてトラブルを巻き起こす時田と椎名のコンビは、勝手に張り込み場所を抜け出しただけでなく、最重要容疑者のヤクザ親分・折原の逃走を手伝ってしまう。そんなミスを取り返そうとして、シンガーソングライターの冬花を無理やり13号車に乗せるもその先でさらに事件が起き、彼らのミスも重なり、捜査本部は大混乱に……。

『No Activity/本日も異状なし』 シーズン1 作品ページ
https://www.amazon.co.jp/dp/B09LGC5YJX [リンク]

『No Activity』シーズン2 作品ページ
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0D5YZRSMW/ref=atv_dp_season_select_s2

撮影:稲澤朝博(TomohiroInazawa)

豊川悦司氏
・ヘアメイク/山﨑聡(sylph)
・スタイリスト/富田彩人 (WhiteCo)

中村倫也氏
・ヘアメイク/Emiy (Three Gateee LLC.)
・スタイリスト/戸倉祥仁/Akihito Tokura (holy.)
・衣裳クレジット:(全て税込み)
シャツ59,400 円
ベスト75,900 円
パンツ59,400 円
全て UJOH/Minc
読者問い合わせ M incorporated (エム インコーポレイテッド)
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-18-25
tel: 03-6721-0406

  1. HOME
  2. エンタメ
  3. トヨエツの冒頭セリフがまさかの……!! ユルすぎ&バグった面白さの『No Activity』シーズン2/豊川悦司さん中村倫也さんインタビュー「主要な配信ドラマにあるスケールとか、そんなもの何もありません(笑)」
access_time create folderエンタメ

オサダコウジ

慢性的に予備校生の出で立ち。 写真撮影、被写体(スチル・動画)、取材などできる限りなんでも体張る系。 アビリティ「防水グッズを持って水をかけられるのが好き」 「寒い場所で耐える」「怖い場所で驚かされる」 好きなもの: 料理、昔ゲームの音、手作りアニメ、昭和、木の実、卵

TwitterID: wosa

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。