【香川県東かがわ市】100年磨かれ続けた技で育てられる「百年はまち」「百年かんぱち」の出荷がスタート
100個の新産業の共創を目指す「新産業のエコシステムビルダー」SUNDREDのFISH FARM事業が支援する服部水産は、9月12日(木)より、人工孵化したハマチ稚魚を用いた人工種苗版「百年はまち」および「百年かんぱち」の出荷を開始した。
極上の養殖魚「百年」シリーズ誕生の背景
水産庁が令和元年度に発表した「水産白書」によると、海面漁業・養殖業の漁業経営体数は、2018年までの30年間で、約19万経営体から約7万9千経営体まで58%も減少している。
さらに、65歳以上の経営体の割合は2018年には53%まで上昇し、後継者がいる割合は、全体の2割以下となっている。
海の資源の枯渇、生産コストに見合わない価格相場などから厳しい経営環境にあり、養殖業を含む水産業の継続が危機的な状況にある。
このような環境の中で、香川県東かがわ市引田で親子4代に渡ってハマチを育てる服部水産は、「誰もやらないことをやる」を伝統とし、これまで誰も取り組んでいなかった地元特産品を餌に使ったブランド魚開発や、少数出荷への対応、シェフとの直接取引による品質の改善など、常に新たな挑戦をし続けてきた。
また、ハマチ養殖発祥の地で百年続く養殖業を次の百年につないでいくため、品質で評価されるブランド魚で適切に経営を続けられる養殖業を目指し、「百年はまち」を誕生させた。
3シーズン目を迎える「百年はまち」は、昨年に引き続き人工孵化させた稚魚(人工種苗)から育てることに成功。さらに、持続可能性を考慮し、百年磨かれ続けてきた技で育て上げる魚種を人気魚種であるカンパチ、サーモン(来春出荷予定)と広げることで、食材の使い手が地球に優しい養殖魚を選択できる環境づくりに貢献していく。
ハレの日を祝う食材として最適「百年はまち」
「百年」シリーズを代表する「百年はまち」は、困難を乗り越えながら百年続き、さらに次の百年へと「末永く」続くことを願うストーリーを持つ出世魚であることから、ハレの日を祝う食材として最適といえる。
適度に脂がのった引き締まった身質も特徴だ。「百年はまち」は、海の自然な状態に近い、「広さ・深さ」のある生簀で、しっかり運動をしてたくさん餌を食べて大きく育つ。その広さは、一般的な生簀の体積の約16倍!そのため、適度に脂がのった引き締まった身質に仕上がる。
また、米由来のオリザノールを配合した独自の固形えさを与えることで、鮮やかな血合いと抜群の⻭応えの身質を持ち、鮮度も⻑持ちするという。
1〜3月は養殖を休み海を休ませる、環境に配慮した給餌など、海・魚・人に優しい持続可能な養殖を行っているのも特徴だ。水産資源の持続性と環境に配慮した水産物の証マリン・エコラベル・ジャパン認証(MEL認証)も取得している。
今年初出荷!「百年かんぱち」
「百年かんぱち」は、今年初出荷を迎える新ブランド。一般的な生簀は、12m四方、深さ6mなのに対して、「百年かんぱち」は25m四方、深さ23mという、約16倍の広さの生簀で育成されている。
寄生虫対策のために週1で魚を消毒している漁場もある中、深く、広い生簀だからこそ、「百年かんぱち」は消毒レスで健康に育てることが可能だ。
また、カンパチは味に敏感で餌を選り好みするため、餌選定の難易度が高い魚種といわれる。しかし服部水産は独自の研究を重ね、生餌に配合飼料を添加したベストバランスのMP(モイストペレット)に辿り着き、上質な脂、旨みを実現した。
「百年はまち」「百年かんぱち」はふるさと納税などを通じて購入が可能だ。興味がある人はチェックしてみては。
(オガワユウコ)
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