蕎麦に見えないけど完全に蕎麦 / 二度見したけど蕎麦「寺方蕎麦長浦」の雲水そば

ごらんなさい。これ蕎麦に見えないけど、蕎麦なんです。丼に盛られた純白のもの。完全に蕎麦の存在を確認できません。純白の何かしか見えない。もう一度、よくごらんなさい。それでも蕎麦を目視で確認できないでしょう。

純白の蕎麦の正体は寺方蕎麦長浦「雲水そば」

この純白の蕎麦が食べれるのは『寺方蕎麦長浦』(東京都台東区浅草1-13-1)。メニューを見てごらんなさい。「雲水そば」と書かれた蕎麦があります。それそこが、この純白の蕎麦なのです。蕎麦に見えないから蕎麦と言われても困る? 感覚の目でよく見てごらんなさい。これは蕎麦です。

大根おろしが大量なので厚い層になっている

雲水そばの純白の正体は、大根おろし。そう、丼の表面を覆うほどたっぷりと大根おろしが敷かれているのです。ただ敷いているだけではありません。層も厚い。大根おろしが大量なので厚い層になっているのです。つまり食べ応えありまくりなのでございます。

たっぷりと汁をかけてから食べる

大根おろしの下には蕎麦が埋蔵されているのですが、そのまま箸でサルベージするのではありません。たっぷりと汁をかけてから食べるのであります。

汁をかけた雲水そばの姿も美麗というか絶景

よく見てごらんなさい。汁をかけた雲水そばの姿も美麗というか絶景であります。けっこうひたひたになるくらい、汁をかけてお食べなさい。かき混ぜずに、箸で麺を探るようにしつつ、キャッチ後に昇華させます。

そこで初めて気がつくのです。蕎麦は汁に浸っておらず、あくまで、かけた汁によって「生」を受けると。実際に食べればわかります。

蕎麦が大根おろしを纏うように味覚を訪れる

蕎麦はうまし。大根おろしのほかに「とろろ」も使用されているのでしょうか。粘りを感じます。大根おろしが粘りを持つことで、蕎麦が大根おろしを纏うように味覚を訪れるのです。感じてごらんなさい。大根おろしだけならば、こうはならないでしょう。

なかなか奇抜なビジュアルでありながら、かなり素朴で、食後に心から「良いものを食べたな」と感じる仕上がりでした。おいしかったです。

(執筆者: クドウ秘境メシ)

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