誘拐したつもりが“監禁”されていた…… クライムサスペンス×吸血鬼ホラー『アビゲイル』本編映像&誕生秘話

『アビゲイル』場面写真

思わぬ人質によって絶体絶命の恐怖を味わう誘拐犯たちを描いたユニークなホラー映画『アビゲイル』が9月13日より公開。緊迫感溢れる本編映像と、本作の誕生秘話をご紹介する。

お互い初対面の男女6人からなる即席犯罪グループ。5000万ドルの報酬につられて何も知らずに大富豪の幼い娘を誘拐するが、その少女の正体は“吸血鬼”だったことが判明する……。

ご紹介する本編映像は、誘拐犯たちが少女を閉じ込めておくはずの屋敷に、逆に閉じ込められていることに気付く戦慄のシーン。屋敷の外へ出ようとすると、二重になったドアに厳重に鍵が。さらに不気味な音が響き渡り、窓が塞がれていく……。誰がなんのために彼らを閉じ込めたのか? 互いの素性を知らない彼らは、疑心暗鬼に陥っていく。

誘拐犯たちを演じる、『スクリーム』シリーズのメリッサ・バレラ、『パラノーマル・アクティビティ4』『ザ・スイッチ』のキャスリン・ニュートン、アダム・ウィンガード監督作『ザ・ゲスト』『ゴジラxコング 新たなる帝国』のダン・スティーブンスといった味なキャストにもニンマリ。

クライムサスペンスと吸血鬼ホラーを融合させるアイデア

本作を手掛けたのは、オムニバスホラー『V/H/S』シリーズや、『レディ・オア・ノット』(19)、『スクリーム』(22)など数々のホラー作品を手掛けてきた映像製作集団レディオ・サイレンス。恐怖とバイオレンスとブラックユーモアを融合させる作風で愛される彼らだが、本作にもその特徴をたっぷりと盛り込んでいる。

本作のアイコンとなるのが少女の吸血鬼……それもバレエを舞い踊る“バレリーナ・ヴァンパイア(踊る吸血鬼)”である。このユニークなキャラクターと犯罪集団をかけ合わせるアイデアは、脚本を手掛けたスティーヴン・シールズの発案だという。

飛行機で機内上映作品をチェックしていた際、「最近面白い犯罪映画を見ていない」と考えたシールズ。クエンティン・タランティーノ監督の『レザボア・ドッグス』(92)など自身の好きなクライムムービーを思い浮かべながら新作の構想を練っているとき、『死霊伝説』(79)、『ロストボーイ』(87)、『フライトナイト』(85)といった吸血鬼映画も好きな彼は、自分が好きな2つのジャンルを融合させることを思いついたという。

『アビゲイル』場面写真

クライムサスペンスと吸血鬼ホラーが融合した脚本を読んだプロデューサーのウィリアム・シェラックは、本作の誘拐犯を“不可解な状況に巻き込まれてしまった現実的なキャラクター”として描くべきだと考え、レディオ・サイレンスのマット・ベティネッリ=オルピンとタイラー・ジレットにぴったりの作品だと感じたそうだ。「彼らが得意とするのは、物語の最初の段階で登場人物たちを、観客が共感できるようなリアルな人間として描くことだ」とシェラック。

そして、実際に監督したジレットは「最初に脚本を読んだとき、緊張感のある強盗映画がモンスター映画とぶつかり合っていることをすぐに理解した。そこから得意とするモンスター映画に移行させるのが楽しみだったよ。このバランスを取ることが一番の挑戦であり、最終的に『アビゲイル』のアイデンティティになったと思う」と語っている。

『アビゲイル』
9月13日(金)全国劇場公開

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レイナス

おもにホラー通信(horror2.jp)で洋画ホラーの記事ばかり書いています。好きな食べ物はラーメンと角煮、好きな怪人はガマボイラーです。

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