<ライブレポート>KARA、9年ぶりの日本ツアーでファンと約束「みなさんがいてくれるなら、私たちもがんばる」

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<ライブレポート>KARA、9年ぶりの日本ツアーでファンと約束「みなさんがいてくれるなら、私たちもがんばる」

 日本のK-POPブームの火付け役として知られるKARAが8月17日・18日の2日間、千葉・LaLa arena TOKYO-BAYで【KARA THE 5th JAPAN TOUR 2024 “KARASIA”】と題した東京公演を開催した。グループとしては9年ぶりで、デビュー15周年を機に再出発してからは初となるツアー、さらに顔の骨折のために活動を一時休止していたギュリも参加するとあって、会場の熱気は開演前から最高潮に。ファンのコールが鳴り響く中で始まった注目のステージは、メンバーたちの満面の笑みと感激の涙で忘れられないものになった。本稿では18日の模様をレポートする。

 舞台中央に5人のシルエットが現れると、客席からは歓声とどよめきに似た声が入り混じる。まずは2022年のリリース曲「WHEN I MOVE (Japanese ver.)」、初期の人気作「Lupin」、華やかなサウンドで迫る「Pandora」といったダンサブルなナンバーを立て続けに披露。ファンのレスポンスを楽しみながら一体感を高めていく様子はナチュラルで、K-POP史に名を残すグループとしての誇りも感じさせる。

 「こんにちは、KARAです!」5人の第一声にあちこちから拍手がわき上がり、続いて順に挨拶。温かいメッセージの数々に和やかなムードになると、今度はエスニックなリズムが流れ出し、現体制で発表したダンスポップ「Queens」がスタートした。アイドル的な輝きとガールクラッシュを併せ持つこの曲で、KARAは現在進行形のグループであると誰もが実感しただろう。

 「Honey」「Pretty Girl」といった韓国で大ヒットした曲で往年のKAMILIA(KARAのファン)を喜ばせ、日本で愛された「ジェットコースターラブ」で盛り上げた後は、水を飲んで少しだけクールダウン。そして「みなさんと一緒に歌うのっていいよね」(ジヨン)と楽しそうに「サマー☆ジック」「Sunshine Miracle」「GO GO サマー!」を歌い踊り、夏祭り気分を演出した。

 KARAはメンバーそれぞれの歌唱も特徴があって見逃せない。そんなことを再認識させてくれたのが、ソロコーナーだった。「L.O.V.E」でグループの末っ子らしいキュートな一面をアピールするヨンジ、「好きな人がいること」における穏やかな歌唱で聴き手を癒してくれるジヨン、「Daydream」で妖艶な雰囲気を作り出したギュリ、「Guilty」で繊細な表現に挑戦するスンヨン、まろやかなボーカルを「5!6!7!8!」のディスコサウンドで際立たせたニコル。一人一人の良さは本公演を通してより鮮明になったように思う。

 充実したコンサートは早くも終盤に。暑い季節によく似合う「HANABI」と「Last Summer」をしっとりと歌い上げると、2曲の余韻が消えないまま始まった最新曲「Hello」のステージは、間違いなく東京公演のハイライトであった。曲の途中で花が添えられた6本目のマイクが登場。それは2019年に亡くなったメンバー、ハラのために用意されたものだったのだろう。最後にハラの歌声を加えた6人のハーモニーが響き渡り、会場は感動に包まれた。

 さらに新曲「I Do I Do (Japanese ver.)」を披露した5人は、いずれも満足げな笑顔でファンに思いを伝えていく。「この曲と『Hello』を(生で)歌えて嬉しかった」(ヨンジ)、「15周年を記念して発表したミニアルバムの次にまた曲を出すとは思っていなかったので、それだけで胸がいっぱいです」(スンヨン)。どの顔も生き生きとしていた。

 ヨンジはこの日の公演でKARAの一員になって10年になる。そのお祝いでオリジナルケーキがサプライズで出てくると、本人は少し照れくさそうに「私たち、運命だ!」と絶叫。記念写真を撮り終えると、彼女の加入直後にリリースした曲「マンマミーア!」、そして日韓で大ヒットしたKARAの代名詞的な1曲「ミスター」のパフォーマンスで再び場内をヒートアップさせた。

 「本当にありがとうございます」と、紆余曲折あった17年間を見守ってくれたファンに感謝の気持ちを伝えたメンバーたちは、本編の最後に「Happy Hour」を熱唱。そしてアンコールではカジュアルな衣装に着替えて「SOS」「Rock U」「STEP」を歌い踊り、3時間近くに及ぶコンサートを爽やかに締めくくった。

 ギュリはステージ上で「今後の活動はまだ決まっていませんが、ファンのみなさんがずっといてくれるのであれば、私たちもずっとがんばります」と、グループの存続を約束。KAMILIAにとっては、その言葉が最高のプレゼントになったに違いない。

 今回の公演で17年以上の活動を振り返り、初心に戻ったKARA。これからも胸をときめかせてくれるフレッシュなサウンドをリスナーに届けてくれることを願いたい。

Text by まつもとたくお

◎セットリスト
【KARA THE 5th JAPAN TOUR 2024 “KARASIA”】
※2024年8月18日(日)LaLa arena TOKYO-BAY公演

1. WHEN I MOVE (Japanese ver.)
2. Lupin
3. Pandora
4. Queens
5. Honey
6. Pretty Girl
7. ジェットコースターラブ
8. サマー☆ジック
9. Sunshine Miracle
10. GO GO サマー!
11. L.O.V.E(ヨンジ ソロ)
12. 好きな人がいること(ジヨン ソロ)
13. Daydream(ギュリ ソロ)
14. Guilty(スンヨン ソロ)
15. 5!6!7!8!(ニコル ソロ)
16. HANABI
17. Last Suummer
18. Hello ※新曲
19. I Do I Do(Japanese ver.)※新曲
20. マンマミーア!
21. ミスター
22. Happy Hour
<アンコール>
1. SOS
2. Rock U
3. STEP

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