ガイドの内容は全部ウソ……!? SNSでウワサの「嘘のツアー」に参加してみた!
「脱・コロナ」が定着し、訪日外国人観光客もかつての勢いを取り戻したことで、都内の観光名所では至るところで外国人向けの観光ツアーが実施されている。そのような中、いまSNSでじわじわと話題になっている、「ガイドが嘘しか伝えない」というマニアックすぎるツアーに参加してみた。今回はその模様をレポートとしてお届けする!
嘘のツアーとは?
浅草をまわるガイドツアーだが、ツアー中のすべての説明が“嘘”となっているのが特徴。観光情報や歴史にまつわる話、街のトリビアなどをもっともらしくガイドしてくれるが、その内容はすべてが空想。雷門や仲見世など浅草の有名観光エリアを約90分間歩きながら散策していく。
早速「嘘のツアー」へ参加してみた!
ツアーは、ガイドからの「ぜひみなさんも嘘をつく練習をしましょう!」という一声から、参加者による自分の虚偽情報を語る「嘘の自己紹介」でスタート。参加者の中には、今から約1800年ほど前の太古の時代から来た方や、本ツアーへの参加が500回目というヘビーユーザーもいた。
自己紹介を終えると、雷門や仲見世といった浅草の観光名所へと進んでいく。
雷門前では、心が純粋な人しか読むことができないと言われている、200万部売れた大ヒットミステリー小説『失踪前夜』を参加者で回し読み。参加者の中には「奇数ページだけが読めない」「あとがきしか読めない」「故郷を思い出して涙がこみ上げてきた」といった様々な感想が。筆者の心は純粋ではなかったのか、手元に回ってきた小説を開くと白紙のページだけが束ねられていたように見えた。
続いて、知る人ぞ知る浅草のディープスポット「浅草地下街」へ足を進めていく。
昭和にタイムスリップしたかのようなレトロな店がひしめき合うなかで、ひときわ異彩を放つ焼きそば屋「浅草ニュー小江戸」へ到着。
店主によると、「オープンは今日(取材日の8月4日)の13時。この店は328年前から今日まで準備を重ね、開店準備だけで店主が7代も変わってしまった」とのこと。見るからに昭和風情のあるレトロな店だが、オープンまでにかなり時間がかかったと8代目の喜島春樹さんは語る。
店のメニューを見せてもらうと、嘘のようなメニュー名の数々が。
「若いうちの苦労」と記載されたメニューの詳細を伺うと、「店の前から銀座線まで雑巾がけをして返ってくるというだけのメニュー。何かを食べられるわけではないです」と衝撃の回答が。
もちろん、嘘のツアーへの協力店のため、店主が紹介してくれた内容もすべてが嘘である。浅草ニュー小江戸の店主は、ツアーがある度にアドリブで嘘をついているとのこと。「若いうちの苦労」の正体が気になった方は、ぜひ実際に足を運んでみてほしい。
ツアーの最後には「嘘の解説書」というツアー中に散りばめられた嘘のガイドを紐解く資料が配布され、ツアー中の嘘が解説される時間がある。「約90分のツアー内では、20個近くの嘘の情報がもっともらしく解説されていました」と、ガイドを務めるマニアなツアー代表・松澤氏は語った。
ガイドの内容すべてが嘘ということもあり、一般的な観光ツアーとは一風変わった、慣れ親しんだ町並みを新たな視点で散策する貴重な機会となった。通常であれば見過ごしてしまうような街に散りばめられた小さなモノ・コトを考え、未知との遭遇体験ができる前代未聞のツアーだった。
松澤氏は嘘のツアー以外にも、90分間その場から一歩も動くことなく立ち尽くす「一歩も動かないツアー」や本物の味を再現したコピー食品を食べる会など、マニアックすぎる斬新なイベントを数多く手掛けているそうだ。
マニアなツアーへの参加方法
このマニアなツアーへの参加は、日本最大級のイベント・コミュニティプラットフォーム「ピーティックス(Peatix)」で予約ができる。ピーティックスは常時2万件以上のイベントが掲載され、マニアなツアーのようなニッチなイベントから大型フェスまで探すことができる。新たな趣味や出会い体験を、ピーティックスで広げてみてはいかが。
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