<ライブレポート>チャウヌ、3か月ぶりの来日アンコール公演にAROHA熱狂 YOASOBIや宇多田カバーも披露
ASTROのメンバーで俳優としても活躍するチャウヌのファンコンサート【CHA EUN-WOO 2024 Just One 10 Minute [Mystery Elevator] Encore in Japan】が、6月29日と30日に神奈川・Kアリーナ横浜で開催された。初日の模様をお伝えする。
2月に始まったこのファンコンで、韓国やシンガポール、インドネシア、ブラジルなど、10か国をまわったチャウヌは、自身の誕生日である3月30日と31日に埼玉・ベルーナドームで開催した日本公演が好評を博したため、再び日本での開催を決めたという。「初日は僕の誕生日で、(ASTROの)末っ子サナと山P先輩(山下智久)の出演もあったので、すごく思い出に残っているのと、たくさんのパワーをもらいました」と、本人にとっても忘れられない思い出になったようだが、ドームでソロ公演を行うこと自体、大そうなことだ。今回も約2万人を収容する会場には空席が見当たらないほど多くのAROHA(ファンの愛称)が駆け付け、その人気の高さを証明した。
アンコール公演は前回同様、「僕と皆さんが行きたいところに行ける装置」である“ミステリー・エレベーター(Mystery Elevator)”に乗って様々なフロア(世界)を旅行するという内容で、アーティスト・歌手・俳優であるチャウヌの一面とイ・ドンミン(チャウヌの本名)の素顔を見せながら、まだ誰も見たことのない世界に誘っていく。
その小旅行前にまず見せたのはアーティストとしての顔。1stソロアルバム『ENTITY』のタイトル曲「STAY」をロックヴァージョンで届け、紫色のロボン(ファンライト)で埋め尽くされた会場を大きく揺らした。ジャケットを脱いで、深紅のシルクシャツ一枚になったチャウヌは「Fu*king great time」で大人の雰囲気を醸し出し、時折、シャツの裾から腹部が見えると、客席から悲鳴に近い歓声があがる。ダンサー8人の中心で踊る姿は、まるで暗闇に咲くバラのようだった。「ウヌさんって呼んで」「(会場の声が小さいため)ええ?」と、少し俺様っぽい口調が微笑ましい低めの地声と「U&I」で聞かせる高音の対比も愉しい。
そして、エレベーターに乗って2024階に到着したオーディエンスは、“ウヌ祭り”を満喫。事前に集まったAROHAの願いごとを叶えていくコーナーで、「美しいお顔を30秒間見て、眼福にあずかりたい」(正面、横顔、後頭部、眉毛までしっかり見せる)、「マリンルックの素敵な姿に変身してほしい」(「人工呼吸が必要な方いますか?」に至るところからヘルプを要請する声が)、「ロボンでウェーブを作りたい」、「モーニングコールをお願いします」(イベント終了後、寝る前に翌朝用のコールをXに投稿)といったリクエストに堂々と答えていくサービス精神旺盛な一面を見せてくれた。
VCRでは、97,330回の実験を経て完成したエレベーターを自慢そうに紹介するチャウヌ博士の姿が。顔に切り傷をつけたわんぱくな姿やクマの人形に囲まれた姿など、幼少期~学生時代を思わせるものから、成人になりワインを嗜む姿まで、チャウヌの成長を追体験できたのだが、どうにも本人が希望する階に止まらないようで、完成品と呼ぶには程遠い。
システムエラーを起こしたエレベーターが着地したのと同時に始まったのは「10 Minutes」。イ・ヒョリの同名曲をアレンジしたナンバーで、魅惑的なダンスと耳に残るメロディーで観客の心を掴んだあとは、ASTROの人気曲「Crazy Sexy Cool」と「Knock」、ファンキーな「Candy Sugar Pop」のメドレーでこの日一番の盛り上がりを作っていく。「Again」では会場とチャウヌの呼吸が一段と合わさっていくのを感じた。
汗だくになり座り込むチャウヌのもとに大きな声援が届けられ、パワーチャージしたチャウヌは「こうして一人でステージに立ってわかったのですが、メンバーと一緒にステージに立つのとソロで立つときでは気持ちが全く違います。ソロのときは責任感がありますが、メンバーといると(彼らに)頼ることができます。ソロでは皆さんとこうしてコミュニケーションを取ることができて僕も成長を感じます」と、ソロならではの意気込みを明かしつつ、「サナがおもしろいプロジェクトを準備しているので、期待していてくださいね」とメンバーの最新情報まで教えてくれた。
「もう一度、遊ぶ準備はできていますか?」とASTROの日本デビュー曲「花咲ケミライ」のイントロが流れると、会場はヒートアップ。勢いそのままに主演ドラマ『ワンダフルデイズ』のOST「嫉妬」は会場の雰囲気を一変するロックサウンドが印象的で、「叫べー!」の掛け声にAROHAも全力で応えていく。
再びエレベーターに乗り込んだ私たちは、チャウヌが連れていってくれたどの階にもハート型のダイヤモンドがあることに気づく。それを「AROHA(ハートマーク)」と書いたラベルとともに永久保存するチャウヌ博士。まるで研究対象であるAROHAへの探求心は尽きないと言っているようだった。
輝くビジュースーツに着替えて登場したチャウヌがYOASOBIの「たぶん」で優しい歌声を届け、会場をうっとりとさせたあと、エレベーターに乗って訪れた最後の場所は629階。そこはチャウヌが残したい思い出でいっぱいの“星座の倉庫”だった。「実はアンコール公演に不安を感じていました。ただ皆さんと会って楽しい時間を過ごすよりも、もっといい姿を見せなければいけないと思ったんです。今日は初日なので、自分なりに力を出し切ったと思いますし、足りない部分は皆さんが埋めてくれました。皆さんにとって今日が素晴らしい一日になったことを願います」と、感謝の気持ちを込めて、宇多田ヒカル「First Love」を歌うチャウヌ。頭上には自身の星座である牡羊座がキラキラと輝いていた。アコギが心地よい「You’re the best」ではステージ端に腰かけて、AROHAと同じ目線に。〈世界中どこでもいつも一緒〉という歌詞どおり、AROHAと歩んでいく道をあらためて表現した。
再度ステージを後にしたチャウヌだったが、Tシャツにカジュアルダウンして「まだ終わらない!」と颯爽と登場。甘酸っぱい片思いを表現した「First Love」を、頭をコンコンと小突いたり両腕でハートマークを作ったりする振付でキュートに表現していく。
ここで終了かと思えば、AROHAからのサプライズが待っていた。「あなたに会えてよかったです」「だいすこー」といったメッセージが寄せられたAROHAお手製のビデオメッセージと「ウヌ サランへ」と書かれたバナー、四方から聞こえる大歓声が今日の主役に最大級の愛を伝え、チャウヌは胸いっぱいの様子。「(サプライズ)イベントも映像もすごく美しかったです。実は体調が少しすぐれなかったのですが、皆さんのおかげで幸せです。ありがとうございます。この瞬間を忘れないように、最後まで楽しみましょう。AROHAだいすこです!」とお決まりの“大好き”メッセージも忘れていない。大ブレイクのきっかけにもなった出演ドラマ『女神降臨』のOST「Love so Fine」で最後の最後までAROHAを惹きつけ、初日は幕を下ろした。
Text by Mariko Ikitake
Photos by fantagio
◎セットリスト
【CHA EUN-WOO 2024 Just One 10 Minute [Mystery Elevator] Encore in Japan】
※6月29日(土)公演
1. STAY (rock ver.)
2. Fu*king great time
3. U&I
4. 10 Minutes
5. Crazy Sexy Cool
6. Knock
7. Candy Sugar Pop
8. Again
9. 花咲ケミライ
10. 嫉妬
11.たぶん(YOASOBI)
12. First Love(宇多田ヒカル)
13. You’re the best
14. First Love
15. Love so Fine
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