“やる気”は腸内環境と関係があった!暑い季節にやる気が出ないという人は自分に合った腸活で改善を
いよいよ本番となってきた夏の季節ですが、暑い⽇が続くと「やる気が出ない」と感じてしまう⽅も多いのではないでしょうか。実は、この「やる気」には腸内環境が影響するということが近年の研究で明らかとなっているのです。
今回は、やる気と腸内環境の関係など、夏本番を迎える前に知っておきたい最新の腸活情報をお届け。専門家の方にもお話を伺っています。
やる気と腸内環境
腸内環境がやる気に影響するということが最新の動物実験の結果からわかってきています。ネズミに抗⽣物質を与えて腸内細菌をなくすと運動能⼒や運動モチベーション(やる気)が半分以下に低下※2 。そのマウスに腸内細菌を戻すと、運動のモチベーションも回復し、 運動パフォーマンスも上がる結果となったのです。
そのメカニズムとして、腸内細菌が作る代謝物質が腸の神経細胞に作⽤し、それが脳におけるドーパミンの分解を抑制することでモチベーションを維持する、ということが証明されています※3 。
暑すぎて何もやる気が起きないという時は、腸内環境の見直しによって改善される可能性が考えられます。
※2 ⾛り続けられる距離やドーパミンを測定して判定
※3 Dohnalovà et al. Nature, 612: 739(2022)
腸内フローラは人それぞれで違うため自分に合った腸活が必要
今までの腸内フローラに関する考え方は、「善⽟菌を増やすことが腸内環境を整える」というものが主流でした。しかし、今の研究では腸内フローラを構成する細菌の種類やバランスは⼈それぞれで異なることや、摂取した⾷材を腸内細菌がエサとして⾷べた後に産み出す物質(短鎖脂肪酸など)が体に影響を与えていることがわかっています。
短鎖脂肪酸は、腸内細菌が⾷物に含まれるエサとなる成分を分解して作る代謝物質です。短鎖脂肪酸を産み出す菌はバクテロイデス、ルミノコッカス、プレボテラ、ビフィドバクテリウム、フィーカリバクテリウム、ブラウティアの 6 種類が⽇本⼈の腸に多く棲んでおり、これらの菌のエサとなる⾷材を摂ることで短鎖脂肪酸を増やすことができます。
短鎖脂肪酸には、持久⼒の向上、太りにくい体質になる、疲れにくい体になる、花粉症などのアレルギー症状を抑えるなど、さまざまな健康効果が報告されています。
⼈それぞれで異なることが分かった腸内細菌。下図は実際に 22 名の腸内フローラを調べた結果ですが、#11 の⽅は腸内細菌の代表格とも言えるビフィズス菌が存在しないことがわかります。
同じものを⾷べても、腸内細菌の種類や割合が異なるため、得られる効果は異なります。⾃⾝の腸内フローラを調べ、⾃分のメインプレイヤーとなる菌を知り、その菌に合わせた⾷事をすることで腸内細菌に最⼤限活躍してもらうことが重要となるのです。
⽇本⼈に多い腸内フローラのタイプ
カルビー株式会社が 1 万⼈の腸内フローラ検査を実施した結果、全 57 パターンのうち、⽇本⼈に多い腸内フローラのタイプ上位 3 パターンが明らかになりました。
※メインプレイヤーとなる 6 つの腸内細菌(バクテロイデス、ルミノコッカス、プレボテラ、ビフィドバクテリウム、フィーカリバクテリウム、ブラウティア)のうち、占める割合の多い上位 3 種類で腸内フローラのタイプを判定しています。
・第1位
BFB型の腸内フローラの人に合う食材
ごぼう、たまねぎ、にんにく、チコリ、 キクイモ、麹、ハイカカオ など
・第2位
BBB型の腸内フローラの人に合う食材
⽜乳、ヨーグルト、バナナ、ごぼう、 たまねぎ、にんにく、など
・第3位
BBF型の腸内フローラの人に合う食材
バナナ、ヨーグルト、⽜乳、 ごぼう、たまねぎ、にんにく など
株式会社メタジェン 代表取締役社⻑ CEO・福⽥真嗣さんのコメント
実は腸は「第⼆の脳」とも呼ばれ、腸と脳が互いに影響し合っていることが近年の研究で明らかになってきました。暑さでどうしてもやる気が出ない、という時もあると思いますが、そんな時はあなたのせいではなく、もしかすると腸内細菌のせいかもしれませんね。
腸内で短鎖脂肪酸をつくるメインプレイヤーが好む⾷材を積極的に摂り⼊れることで、さまざまな健康効果があることがわかっています。ご⾃⾝の腸内フローラはどのような菌が多いのか、その菌がどのような⾷材を好むのか。「⾃分の腸内フローラのタイプを知る」ということから始めてみることをおすすめします。
これからの暑い夏の季節、自分の腸内環境に合った⾷⽣活で、⾃分に合った腸活を⾏っていきましょう。
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