プロ野球のいろんなベストナインを考えてみる 「酒豪」編
プロ野球大好きな大井川鉄朗が様々な観点から独断と偏見で勝手にベストナインを選んでみるというこの企画。今回はお酒が大好きな「酒豪」のベストナイン。前回の下戸編に続き、プロ野球選手といえば豪快に大酒を飲むというイメージ通りの歴代の名選手を集めてベストナインを作ってみる。
【前回の記事】プロ野球のいろんなベストナインを考えてみる 「下戸」編
投手:佐々木主浩(横浜ベイスターズ)
投手は大魔神の愛称で親しまれた佐々木主浩さん。東北福祉大から1990年にドラフト1位で大洋に入団。3年目に最優秀救援投手に輝くと、95年から4年連続で同タイトルを獲得。98年には当時最多となる45セーブを挙げてリーグ優勝、日本一の胴上げ投手に。00年にFAでマリナーズに移籍し、メジャーリーグに挑戦。37セーブで新人王を獲得した。04年に横浜に復帰。05年に引退した。
かなりの酒豪として知られ、芸能界の酒豪・ゴッド姉ちゃんこと和田アキ子さんも驚くほど。ピッチャーでお酒を飲んでいた佐々木さんに、「これじゃ小さいだろ」と言って花瓶でお酒を飲ませたことがあったそう。それでも佐々木さんは平気で飲んでしまったという。
捕手:中嶋聡(北海道日本ハムファイターズなど)
捕手は一軍実働29年のプロ野球記録を持つ中嶋聡さん。鷹巣農林高から1986年にドラフト3位で阪急に入団。1年目から1軍デビューを果たすと、球団がオリックスに変更となった89年に正捕手に定着。95年、96年のリーグ連覇、日本一にも大きく貢献した。メジャー移籍を目指したが敵わず、98年に西武に移籍。その後横浜、日本ハムに移籍し、07年からバッテリーコーチ兼任としてプレー。15年に引退し、そのまま日本ハムでコーチ経験を積み、19年からオリックスの二軍監督に就任。その後一軍監督代行となり、21年から一軍監督に。若手を育て上げ、リーグ3連覇を成し遂げた。
現役時代から酒豪で知られ、お酒の匂いをプンプンさせながら試合前の練習に来ることもあったとか。監督になってからも「いいちこ」を「ウィルキンソン」で割って飲んでいるそう。
一塁手:落合博満(ロッテ・オリオンズなど)
一塁手は3度の三冠王を獲得した落合博満さん。東芝府中から1978年ドラフト3位でロッテに入団。2年目から頭角を現すと、81年に初めて規定打席に到達し、首位打者を獲得。そして82年には当時戦後最年少の28歳で三冠王に。87年に中日に移籍すると、89年には史上初の両リーグ打点王、90年には史上初の両リーグ本塁打王を達成した。94年に巨人にFA移籍。その後97年に日本ハムに移籍し、98年に引退した。
圧倒的な打撃成績を残した落合さんだが、飲むお酒の量も凄まじかった。著書で全盛期にはビール大瓶37本、日本酒は二升まで飲んだと酒豪エピソードが書かれている。しかし、現役時代中盤以降は身体のことを考えて量を減らしたという。
二塁手:井口資仁(千葉ロッテマリーンズなど)
二塁手はメジャーでも活躍した井口資仁さん。青山学院大学から1996年ドラフト1位でダイエーに入団。1年目から76試合に出場し、2年目には主に9番を打ちながら21本塁打を放ち、「恐怖の9番」と呼ばれるように。走攻守揃った内野手として3度のリーグ優勝に貢献すると、05年にメジャーリーグに移籍。09年にロッテに移籍し、日本球界に復帰すると、10年の日本一に貢献した、17年に現役を引退後、そのままロッテの監督に就任した。
ダイエー時代のチームメイトである川崎宗則さんが「いままでの歴代野球選手でナンバーワン」と言うほどお酒が強い。
三塁手:初芝清(千葉ロッテマリーンズ)
三塁手はロッテ一筋17年、ミスターマリーンズとして愛された初芝清さん。社会人野球の東芝府中から1988年ドラフト4位でロッテに入団。強打の三塁手として活躍し、95年には打点王とベストナインを獲得した。05年に引退した後は14年から19年まで社会人野球・セガサミーの監督を務めた。
初芝さんは飲み歩くのが大好きという酒豪。現役時代はご当地の美味しい食べ物と美味しいお酒を味わえるからか、「全試合ビジター良かった」と遠征が大好きだったという。また、「自分より飲む人をあまり見たことがない」と言うほどお酒が強い。
遊撃手:鳥谷敬(阪神タイガースなど)
遊撃手は鳥谷敬さんを選出。2003年に早稲田大学から自由枠で阪神に入団。1年目の開幕戦でスタメン出場、プロ初安打を記録。その後、阪神の絶対的遊撃手として君臨し続け、プロ14年目で阪神生え抜きとして2人目の2000安打を達成した。19年オフに阪神を退団すると、20年3月にロッテに入団。翌年21年に現役を引退した。
阪神時代のチームメイトだった藤浪晋太郎投手に「ひたすら飲んでも酔っぱらわない」「めちゃくちゃお酒強い印象しかない」と言われるほど。自身でもビールがどれくらい飲めるのか居酒屋で試したことがあるそうで、その時はジョッキ27杯も飲んだという。しかしそのときも「酔うとかではなく。お腹タポタポ」で限界が来たと語っている。
外野手:金本知憲(阪神タイガースなど)
外野手1人目は広島、阪神で活躍した金本知憲さん。東北福祉大から92年にドラフト4位で広島に入団。94年からレギュラーに定着すると、中心選手として活躍。2000年にはトリプルスリーも達成。02年オフにFA権を行使して阪神に移籍。03、05年のリーグ優勝に貢献した。連続フルイニング出場の世界記録(1492試合)を樹立した球界の鉄人。引退後の取材で本人が「ワインにビールに焼酎、なんでも飲みますよ!現役時代は、二日酔いの影響もなかったね。」と酒豪ぶりを語っている。また噂では焼酎をビールで割る「金本スペシャル」という飲み方をしていたこともあるとか……。
外野手:江藤慎一(中日ドラゴンズなど)
外野手2人目は中日、ロッテなどで活躍した江藤慎一さん。日鉄二瀬から1959年に中日に入団。1年目から全130試合に出場し、15本塁打を放つなど活躍。61年には自身初の20本塁打を達成し、ベストナインを獲得。64年、65年に2年連続首位打者を獲得。70年にはロッテに移籍し、71年には首位打者を獲得。これは史上初の両リーグでの首位打者獲得となった。72年に大洋に移籍、その後75年には移籍した太平洋クラブライオンズでプレイングマネージャーにも就任。チームをAクラスに導いたが、監督解任を受け退団。76年にロッテに復帰したが、同年で引退した。
酒豪として知られ、1972年1月3日・10日合併号の週刊ベースボールの球界酒豪番付という規格で東の横綱として紹介。日本酒が好きで一晩に二升は飲めたそう。
外野手:長野久義(読売ジャイアンツなど)
外野手最後は数々の酒豪伝説がある長野久義選手。今回の中では唯一の現役選手となった。2006年日本ハム、08年ロッテの指名を拒否し、09年にドラフト1位で念願の巨人に入団。1年目から外野のレギュラーとして規定打席に到達し、19本塁打を放って新人王を獲得。チームの主軸として活躍し、11年から13年にはベストナイン、ゴールデングラブ賞を獲得した。18年オフにFA人的補償として広島へ移籍。20年にはコロナ禍で試合数が減少する中、95試合に出場し、10本塁打を放った。しかしその後は出場機会に恵まれず、22年オフにトレードで古巣・巨人に復帰。代打の切り札として勝負強さを見せ、精神的支柱としてチームを支え続けている。
酒豪伝説が多く残る長野選手。たくさんお酒を飲むことに加えて、後輩たちが食事をしていると、お会計を知らぬ間に済ませて颯爽と帰ったりと飲み方までカッコイイと言われている夜の帝王。しかし30代中盤頃からお酒を飲むと眠くなってしまい、量が飲めなくなってしまったそう。節制をしてまだまだ長くプレーを続けてもらいたいものだ。
「下戸ベストナイン」ではお酒を飲まないことが活躍のカギになっているかもしれないと思ったが、このラインナップを見ると、たくさん飲んでも活躍できる人は凄まじい成績を残すことができるようだ。しかし、お酒は楽しく節度を保って、自分のペースで楽しもう。
(Written by 大井川鉄朗)
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