内視鏡検査で「予防医学」の実践を 消化器内科のスペシャリストが感じた使命

内視鏡検査で「予防医学」の実践を 消化器内科のスペシャリストが感じた使命

東京・四谷にある「四谷内科・内視鏡クリニック」の高木謙太郎理事長は、消化器内科のスペシャリスト。胃カメラ・大腸カメラでの検査・治療をメインに据え、糖尿病内科の妻・知子副理事長と専門医2人体制でクリニックを経営している。根底に横たわるのは、勤務医時代に痛感した「予防医学」の大切さ。そのために内視鏡検査が抵抗なく受けられる環境を整え、ビルディングで医療のホスピタリティを実践する。

胃・大腸カメラに対する苦手意識やハードルを徹底的に取り除く

消化器内科の医師になって約15年、大学病院や市中の総合病院で胃がんや大腸がんに苦しむ患者さんをたくさん診てきました。胃カメラ・大腸カメラ検査を定期的に受けることで病巣を早期発見できれば、内視鏡による切除で根治できたのに──。その悔しさは、いつしか「病気を予防して患者さんの健康寿命を伸ばす」という使命に変わりました。そこで「予防医学」を念頭に置き、私が長年培ってきた内視鏡の技術を提供し世の中に貢献できるクリニックを開業することにしたのです。

とはいえ、「痛い」「怖い」と苦手意識を持たれてしまう内視鏡検査。定期的な受診を増やすには、そのネガティブなイメージを徹底的に取り除く必要がありました。たとえば口から胃カメラを入れる時に嘔吐反射が出てしまう患者さんが多いので、当院ではリラックスした状態で検査を終えられるよう鎮静剤を使います。特に女性の患者さんが「お尻を見られて恥ずかしい」と抵抗感を示される大腸カメラは、女性医師による検査日を設け、ご要望を承るようにしました。

大腸カメラは、検査の4時間前に下剤を服用して腸内をキレイにします。通常はご自宅で飲む下剤をクリニック内で服用することで移動中にトイレの心配がなくなるのも、ご好評いただいている特徴のひとつ。また内視鏡検査の際に合計3回来院しなければならない手間を、検査当日の1度だけで済ませる「スマート大腸カメラ」は、忙しい患者さんによくご利用いただいています。事前説明と検査結果の説明をオンラインで行うんですよ。

医療にホスピタリティを浸透させ、患者さんに「安心」を届ける

内視鏡検査を受ける阻害要因をいくら取り除いても、クリニックで働くスタッフの対応がよくなかったら患者さんの心は離れてしまいますよね。そこで私は卒業した医大の建学精神にのっとり、「病気を見ずして病人を見よう」というモットーで、医師・看護師・受付スタッフを交えたチームビルディングを行っています。病んでいる「臓器」だけでなく「人」を診ることを大切にしよう、という教えですね。 たとえば開腹手術が必要で他院に紹介する場合、医師には「目の前にいる患者さんを家族だと思って、自分が心から信頼できる先生を紹介してください」と伝えています。

不安でいっぱいの患者さんに、どのような病院や先生に治療をお願いしたらよいかわからないので、紹介状のみをお渡しすることほど無責任なことはありませんから。それと同じで、看護師にも「患者さんを安心させる声かけ」を徹底してもらっています。慣れない検査に緊張している患者さんに対して、何の予告もなしに鎮静剤を入れるなんて言語道断。「これから◯◯しますね」など検査の全体像や起こり得る反応をあらかじめお伝えしておけば、リラックスした状態で検査を開始することができます。効率化だけでなく心の通った医療の提供を大切にしています。

「医療はサービス業」といわれて久しいですが、こうしたホスピタリティが行き届いているクリニックって意外と少ない気がします。患者さんと接する医療スタッフに私の志を理解してもらい、全員が同じ視座に立って仕事に取り組んでもらえたら。そんな積み重ねが、将来的に内視鏡検査を受けるハードルや敷居を下げる。そう信じています。

都心部メガターミナル駅での分院展開やオンライン診療で予防医学の裾野を広げる

ハード面・ソフト面を充実させながら分院を展開していくのも、私の目指す「世の中に予防医学を広める」というミッションの実践になります。いま構想しているのは、メガターミナル駅での開院。特に都心部は、健康意識の高いビジネスパーソンが多いといわれていますよね。複数の鉄道路線が整備されているので郊外へ走る路線の沿線にお住まいの方にもアクセスがよご来院いただきやすい立地です。診療の柱を増やし、予防医学の浸透につなげる取り組みも欠かせません。

副院長で妻の知子先生による糖尿病内科では、血糖をコントロールすることで糖尿病による合併症を予防しています。各種ワクチン接種にも力を入れており、特に子宮頸がんのワクチン啓蒙は積極的にしたいと思っています。 何より「スマート大腸カメラ」で取り組み始めたオンライン診療が盛況で、当院事業の4本目の柱になりつつあります。実は最近、某IT企業含めて複数社からオンライン診療アプリ開発のアドバイザーとして引き合いがあったんですよ。通院するまでもないけど、ちょっとした体の不調を知り合いに相談したい。そんなニーズに応えていくことも予防医学の裾野を広げる一環だと考え、協力しています。

医療法人社団四谷高木会 四谷内科・内視鏡クリニック

理事長:高木 謙太郎(たかぎけんたろう)
資格 日本内科学会 総合内科専門医
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
日本消化器病学会 消化器病専門医
日本ヘリコバクター学会 ピロリ菌感染症認 定医
日本医師会認定産業医

HP:https://www.yotsuya-naishikyo.com

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