中学生が神経再生医療のケイファーマに突撃取材。「動物実験代替法」にiPS細胞創薬の権威、岡野栄之教授は「素晴らしい!」
iPS細胞を活用した創薬事業と再生医療事業を展開する慶應義塾大学発ベンチャー企業、株式会社ケイファーマ(東京都港区:福島弘明代表取締役CEO)に4月24日、愛知教育大学附属岡崎中学校の女子生徒3人が訪れ自身らが研究しているテーマについてインタビューを行いました。
同校は自身が決めたテーマを3年間追究するカリキュラムがあります。今回ケイファーマを訪問した生徒は「動物実験代替法とiPS細胞の普及」を研究中。修学旅行の際に、神経再生医療のトップランナーであるケイファーマの福島社長と松本真佐人CFOに取材しました。また、ケイファーマ取締役CSOと慶應義塾大学医学部生理学教室教授を兼任し、iPS細胞創薬の権威として知られる岡野栄之氏も同席。中学生の鋭い問題提起や意見に感心を示していました。
アンケート調査も実施する高度な研究内容
まず、福島社長がiPS細胞の概要や医療応用への可能性などを解説。続いて中学生がこれまでの研究成果をプレゼンしました。中学生は「ウサギが好きだったことから動物実験を無くしたいと思い、動物実験代替法をテーマに追究している」とし「新型コロナワクチンの開発にも動物実験が行われたことを知って、動物実験の必要性を理解しつつ、iPS細胞を活用した代替法が有効なのではないか」と訴えました。
「iPS細胞を活用した治療法は、まだ知られていないのではないか」、「日本は海外に比べて動物実験への対応が遅れているのではないか」といった課題にも言及。さらに学校内で「動物実験を知っているか」、「動物を犠牲にすることに対してどう思っているか」などのアンケートも実施し、「動物実験で医療が発展してきた事実を理解しつつ、過剰と思われる動物実験から減らしていくことが大切」という結論を出していました。
また、認知症の研究をしている中学生は「FTD(前頭側頭型認知症)の症状を教えて欲しい」、「文系だけれど理系でないと認知症に関わるのは難しいのか」といった質問も。岡野教授は「認知症は理系の人だけでなく文系の人も考えなければならない問題」と真摯に答えていました。一方、動物実験代替法については「素晴らしい追究テーマ。ヨーロッパではiPS細胞を活用して動物実験を減らす動きもある」としました。
非常にハイレベルな中学生の研究発表とインタビュー。それに対しケイファーマも本気で向き合う突撃取材でした。もしかしたら、彼女たちが研究者の道を進み、岡野先生はじめケイファーマのメンバーと仕事をする日が来るかもしれませんね。
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