Z世代やクリエイターだけでなく、大人も楽しめる癒しの殿堂「ハラカド」がオープン(辛酸なめ子)
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神宮前交差点に、東急プラザ原宿「ハラカド」が爆誕。「クリエイターが集まる商業施設」と銘打たれていて、ハードルが高く感じられてしまいますが、別にクリエイターでなくても老若男女誰でも活用できる商業施設です。
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内覧会やオープン直後に訪れて、「ハラカド」は大人が癒される施設かもしれない、と実感。回ってみて、チルアウト感が得られたのは4階のパブリックスペース。フロア全体を「ハラッパ」として、植物や自然をイメージしたアートが展示されていました。
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下鴨茶寮が手掛ける「ハラカドカフェ」も併設されているので、コーヒーを飲みながら、環境問題への意識を高めることができます。巨大な太陽のオブジェや、ゆっくり動く骸骨のオブジェ、そしてススキなどの大量の植物など、かなりお金がかかっていて、日本経済への希望がわいてきます。
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「ネイチャークロッシング(NATURE CROSSING)」と題されたスペースは、海岸の映像が床に投影され、横断歩道を歩くと砂浜に足跡がつくという仕掛けが。かなりリアルな映像で本当に海辺を歩いているようです。バカンス欲が5%くらい満たされました。
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5階から7階の「HARAJUKU KITCHEN&TERRACE」は、ファミレスからカレー、クレープ、中華、寿司、イタリアン、ハンバーガーなどのお店がひしめき合い、価格帯もそこまで高くありません。原宿で軽く食事したい時、なかなか手頃なお店がなかったのでありがたいです。
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また、素晴らしいのは6階のフードコート空間と屋上テラスがつながっていて、緑豊かなテラスから交差点を見下ろして、原宿の風に吹かれながら飲食できること。一人での食事もざわめきに溶け込んで淋しくないです。
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オープン日に再訪問したら、フードコートのチキンのお店の前にカンフースーツを着用したメガネの女性に人だかりができていました。ファンの人とハイタッチしたりカンフーポーズを決めたり神対応ですが、一体誰なのでしょう? Googleレンズで検索してもわからず、その場にいた20代の女性に聞いたら「TikTokが人気の吉田いをんさんですよ」とのことでした。ハラカドでZ世代の文化を吸収できました。
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館内の大人の癒しスポットといえば、2階の「TENGA LAND」も見逃せません。かつてこの地にはコンドマニアが鎮座していましたが、時代を経て、同じくセクシャルウェルネス系のショップができたというのも感慨深いです。「TENGAの丘」と名付けられた、回転寿司のようにTENGAやirohaが回るシュールな設備は,見ているだけで楽しくなってきます。100本に1本、「ラッキーTENGA」が出てくる自販機や、TENGAロボの着ぐるみ、店内に潜む隠れTENGAなど、まさにディズニーランドのTENGAバージョンのようなスポットです。
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2階のフリースペース「カバー」も、時間を忘れそうなスペース。1960年代の古い雑誌から最新の雑誌までが並び、無料で閲覧できます。70年代の雑誌と物価の差を比べるのも楽しいです。寄贈で集まった雑誌が並んでいるそうなので、部屋に大量に積み重なっている雑誌をいつか寄贈できるかもしれないと思って、断捨離への希望がわいてきました。
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3階の「CRYSTAL PHARMACY」はLA発、ボディ・マインド・ソウルに働きかけるアイテムを扱ったお店。海外から仕入れたクリスタルが並び、癒しの波動を放っています。「マインドレシピを提供し,ウェルネスをカルチャーにしたい」という店主の思いで始められたそうです。内覧会でも疲れた大人が癒されると評判で「ハラカド神社」という別名も。天然石が出てくるクリスタルおみくじをひいたあと、目に入ってきたカーネリアンやアプリコットアゲートなど購入し、心身が回復しました。
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癒し系シッョプと地下の「小杉湯原宿」を行き来すれば、マインドフルネスに導かれます。昭和8年創業、高円寺の老舗銭湯が原宿にオープン。男湯と女湯、それぞれ富士山の銭湯絵が掲げられ、新しさと懐かしさが交錯しています。さらに熱湯と水風呂を交互に入ることで整いそうです。
原宿の土地のエネルギーを吸収したいと思い、オープン日にタオルを持って再訪問。地下の小杉湯に向かったら、「しはらく神宮前1丁目から6丁目にお住まいか、勤務している方のみ入れます」と、告げられました……。5月中旬以降に様子を見て一般に開放されるそうです。銭湯から出てくる人々が神宮前の住民だと思うとセレブ感が漂っているように見えます。この館内で一番の勝者はクリエイターでもインフルエンサーでもなく、神宮前の住人かもしれません……。
(イラスト・文:辛酸なめ子)
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