今年の福島のお米は食べられない(中部大学教授 武田邦彦)
今回は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。
今年の福島のお米は食べられない(中部大学教授 武田邦彦)
1年ほど前、埼玉の近くで講演をしたときに、福島の農業関係議員から罵倒された。
議員「福島の農家は死んでも良いのか!」
武田「ベクレルを表示してもらえば良い。農家も大切だが子どもの健康も大切だ。汚染されたものは出荷せずに電力に買い取ってもらった方がよい。方向が違う!」
その時、私は日本の農家はこのようなものかと心底、がっかりした。
福島の汚染米の実体はまったく公表されていない。民間の測定では玄米は汚染されているが、胚芽をとった精米からはあまり汚染は見つかっていない。だから数値を公表すべきだ。
田んぼの汚染度、移行係数、測定値、その後の処理・・・すべて公表されていない。セシウムやストロンチウムはどこに行ったのか?
東京などから「福島を助ける」というボランティアが福島の農家にいって汚染米を製造している。
理由:(すべてはお金)
・・・農産物の産出額(お金)には大きな落ち込みが見られる。果実は2010年に292億円あった産出額が2011年には197億円と、32.5%も下落(お金)。野菜は551億円から389億円に29.4%、肉用牛も29.0%落ち込んでいる(お金)。ところがコメだけは、2010年の791億円から2011年の750億円に、わずか5.2%しか減少していない・・・
マスコミは汚染された食材を避けることを「風評被害」という。汚染された食材を隠してベクレル表示しない。それで買うのを控えると風評と呼ぶ。酷い社会だ。もちろん、正々堂々とベクレルを表示して販売するべきだ。
日本人は「お金教」ではないのだから。
執筆:この記事は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦 (中部大学)』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2013年5月27日時点のものです。
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