米国スタートアップ「ImpriMed」、犬・猫の血液がん治療用に開発した“AI技術”を人間のがん治療へ応用か
アメリカ・カリフォルニアに拠点を置く精密医療スタートアップの「ImpriMed」は、獣医師が“血液がん”を患う個々の犬や猫に最適な薬剤を特定するための、AIを活用した動物のがん治療技術を構築している。
今回、TechCrunch ニュースにて同社が犬と猫の血液がん治療用に開発したAI技術を人間のがん治療にも応用する計画があることがわかった。
最適な抗がん薬を選ぶためのAIアルゴリズム
ImpriMed 公式サイトより引用ImpriMedは、AIと犬・猫のがん細胞の包括的な分析を使用して、個別の薬剤反応予測を行う唯一の精密医療企業。ImpriMedの獣医療サービスはすでに商用化されている。現在までに犬5件と猫3件のサービスを提供して収益を生み出しており、米国で350人以上の獣医師がそのサービスを利用しているという。
同サービスでは、まず獣医師が犬や猫の生きたがん細胞と血液サンプルを採取し、それをカリフォルニアのImpriMedの研究所へ郵送。その後、犬や猫のがん細胞がさまざまな抗がん薬にどのように反応するかを測定し、AIを利用してこれらの測定値をほかの生物学的情報と組み合わせて、犬や猫それぞれに合わせた最適な治療法を提案する。
AI活用のがん治療技術を人間に応用
ImpriMedの共同創業者の一人であるSungwon Lim氏は、同社が開発した外生細胞技術が、犬や猫の血液がんだけでなく、人間の血液がんのほとんどの種類にも応用できると述べている。
さらに、獣医学のがん治療においてAIアルゴリズムの開発で得た経験が、人間のがん治療の新しい予測モデルの構築を効率化するとしている。なお人間への応用は1〜2年以内に商用化される予定だそう。
Sungwon Lim氏とJamin Koo氏は、スタンフォード大学で博士号を取得後、2017年にImpriMedを共同設立。彼らは、がん治療薬の業界で長年の経験を持ち、効率的な医療ツールの利用に疑問を持っていた。
ImpriMedは、個々の患者に合わせたがんの治療法を、既存の薬剤を使用して個別最適化することを目指している。同社のAIによる薬剤効果予測サービスは、医師が治療を決定する前に、特定の患者に効果的な抗がん薬を特定するのに役立つものである。
大量データが不要の“個別化医療サービス”が強み
ImpriMedは最近、シリーズAラウンドで2,300万ドルを調達し、設立以来の調達総額は3,500万ドルにのぼる。同社は今回の資金を利用して、薬剤反応予測技術を獣医学を超えて人間の腫瘍学に拡張する姿勢を示しており、従業員を増やして事業開発のパイプラインを拡大する予定だ。
参考・引用元:
ImpriMed 公式サイト
TechCrunch ニュース
(文・よし @yoshibizcom)
ウェブサイト: https://techable.jp/
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