創業者は元Appleディレクター、米国IT企業“Together AI”が展開する生成AIプラットフォームとは?

2023年11月、オープンソースの生成AIモデルを構築するためのクラウドプラットフォームを開発しているアメリカのIT企業「Together AI」が、シリーズAで1億250万ドルの資金調達を行ったことを発表した。

創業者は元Appleのシニアディレクター

創業者兼CEOのVipul Ved Prakash氏は2022年6月にCe Zhang氏、Chris Re氏、Percy Liang氏の4名でTogetherを共同設立。Vipul Ved Prakash氏は過去にソーシャルメディア検索プラットフォームのTopsyを設立し、2013年にAppleに買収されたのちに同社のシニアディレクターに就任した経歴を持つ人物だ。

AIモデル作成プラットフォームを提供

Together AIは、世界中の開発者がオープンでカスタマイズ可能なAIモデルを作成するためのクラウドベースのプラットフォームを提供している。

このプラットフォームは、Llama-2、RedPajama、Falcon、Alpaca、Stable Diffusion XLなど、世界をリードするオープンソースモデルを統合しており、APIを呼び出すだけで簡単にオープンソースモデルを微調整または実行できるという。

低価格で生成AIプラットフォームを展開

Together AIは、Google Cloud、AWS、Azureなどの主要なベンダーに比べて低い価格でクラウドプラットフォームを提供しているという。

Vipul Ved Prakash氏は「現在のクラウド製品は、閉鎖されたソースモデルとデータを持っているため、企業が生成AI戦略を定義する際に、企業が求めるプライバシー、透明性、カスタマイズ性、展開の容易さを提供していない」と述べている。

生成AIは人類社会に長期的な影響を与える?

「新興企業も大手企業も同様に、単一ベンダーへのロックインから解放された、ビジネスのための生成AI戦略の構築を模索している」とVipul Ved Prakash氏は自社サイト上のブログで述べている。

さらにPrakash氏は「オープンソースAIは、ほぼ毎週リリースされるますます強力な生成モデルにより、これらのアプリケーションに強力な基盤を提供する。私たちは、生成AIがプラットフォームテクノロジーであり、アプリケーション用の新しいオペレーティングシステムであり、人類社会に長期的な影響を与えると信じている。AIエコシステムは独自のモデルとオープンモデルで構成され、この未来には選択肢とオプションがあることが非常に重要である。」と続けた。

2027年の生成AI投資額は1430億ドルへ増加すると予想

企業と投資家は、現在あらゆる種類のAIの開発に興味を示している。IDCによると、AIへの投資は2027年までに今年の160億ドルから驚異的な1,430億ドルに増加すると予想される。生成AI企業はVC投資を独占しており、2020年の最初の6か月で全スタートアップラウンドの約40%(119億ドル)を調達している実績がある。

生成AI企業の生き残りは厳しい?

しかし、生成AIは決して確実なものではない。例えば、Stability AIは、かつてはLightspeed Venture Partners、O’Shaughnessy Ventures、CoatueなどのVC企業の寵児だったが、のちに財務状況が悪化したため、売却を検討しているといわれている。今後も生成AI企業の動向に注目だ。

参考・引用元:
Together AI 公式サイト
Together AI ブログ

(文・よし @yoshibizcom

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