映像生成AI企業Rephrase.aiをAdobeが買収。インド新興企業の技術に注目続く
Adobeが、インド・ベンガルールの生成AIスタートアップRephrase.aiを買収したと複数のメディアが報じた。
これに関して、現時点ではAdobe側から公式なアナウンスは確認されていないが、Economic Timesの報道によると、AdobeはRephrase.aiの買収に関する社内メモを配布したと伝えている。
また、Rephrase.aiのCEO Shivam Mangla氏がX(旧Twitter)で買収を示唆する投稿をするなど、話題となっている。
アバターを選び、テキストを入力するだけで映像生成
Rephrase.aiは、Shivam Mangla氏、Ashray Malhotra氏、Nisheeth Lahoti氏の三者によって2019年に設立された。主力サービスは、テキストで映像を作成できる生成AIだ。これを利用することで、ユーザーは数分で高品質な映像を作成できる。
なかでもアバター機能が同社のセールスポイントだ。ユーザーは好みのデジタルアバターを選択し、テキストを入力するだけで、アバターが喋る映像を生成することが可能だ。アバターの音声のほか、背景や単語間の間隔なども調節でき、より自然な映像にカスタマイズできる。
同社によると、ターゲット層に合わせた動画コンテンツをテンプレートなどを活用して簡単に量産できるため、商品やサービスの訴求に効果があるという。
Rephrase.aiは、過去4年間で50,000人以上のユーザーを獲得。また、Red VenturesやLightspeed Indiaといった複数の投資家から約1,400万ドルの資金調達を達成したことでも知られる。
AdobeのAI機能が拡張される見通し
今回の買収を機に、Rephrase.ai社の従業員の多くがAdobeに移り、システム開発をすると予想されている。これによりAdobe製品のAI機能の構築が加速されるだろう。
昨今Adobeでは、生成AIに注力している動きがうかがえる。例えば、2023年9月には画像生成AIサービス「Firefly」を提供開始した。他の画像生成AIのように、テキストを入力することで画像を作成できる。また、画像編集ソフトPhotoShop上では、テキストで指示して画像を編集することも可能となった。
Adobeは、Premiere ProやAfter Effectsといった映像編集ソフトを提供している。今回の買収によって、それらにRephrase.aiのような機能が追加される日もそう遠くはないのかもしれない。
AdobeのSVPであるAshley Still氏が、内部資料でRephrase.aiチームによってAdobeの映像生成機能が拡張されることを示したという報道もある。
MetaやRunwayML、Stability AIといった競合が次々と出てくるなか、映像生成AIとしてどのようなユニークポイントを持ってくるのか要チェックだ。
参考元:
Decrypt
VentureBeat
THE TIMES OF INDIA
Rephrase.ai 公式サイト
Adobe「Firefly」サービスサイト
(文・山田)
ウェブサイト: https://techable.jp/
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。