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『gdgd妖精s』を制作した“10年先を行く”CGグラフィックのパイオニア 菅原そうたインタビュー

菅原そうたさん

菅原そうた。漫画家、CGアニメ監督、CGクリエイター。『gdgd妖精s』1期企画・映像監督・キャラデザイン、2期監督・企画・キャラデザイン。19歳ごろからCGを使った作品を世に送り出してきた。代表作は『みんなのトニオちゃん』、『ネットミラクルショッピング』など。特に『みんなのトニオちゃん』の中の作品「アルバイト」は“5億年ボタン”という名前でウェブ上で度々話題に上り、再評価する動きもある。『gdgd妖精s』では企画の発起人として作品の骨格を作り、絵コンテから映像制作までをリアルタイムにタイトなスケジュールをこなす監督兼クリエイター。今回は『gdgd妖精s』の制作秘話やCGのプロから見る初音ミク、MMD文化について話を伺った。

――はじめまして。よろしくお願いします。
菅原:よろしくお願いします。菅原そうたです。

――『gdgd妖精s』では企画からされていたとのことでしたが、どういう企画だったのでしょうか?
菅原:元々CGを作る仕事をしていて、『ネットミラクルショッピング』でプレスコ作品、『あかるい世界』では大喜利アフレコ作品、その延長で個人的に色々な映像を作って遊んでいたりしたんです。CG空間遊びのような妄想アドリブ会話を収録して、その音声に合わせてモーションキャプチャで動きをつけて、なんでも出せちゃう異次元空間のCGアニメのようなバラエティのような映像を作ったりしていまして。『gdgd妖精s』放送の1年くらい前に、プロデューサーの福原さんと再会して、それらの作品を観ていただいて、それでCGの面白いアニメを作ろうっていうお話をいただいて、企画を相談しはじめたのが最初でしょうかね。

二人でいろいろ話していくうちに、女性声優を起用した「ねんどろいど」みたいな2頭身キャラで、丸い目の天然直球萌えピンク、ツリ目の明るいイエロー元気ギャル、不思議ヤンデレなパープルの3キャラ「萌えアニメ」をやろうと決まりました。構成的には、最初になるべくラクにCGを動かさない感じの会話劇。次に、なんでもできる空間でバリバリCGを動かして、最後に同じ映像に対してみんながアドリブで答える、というような3部構成で…という感じが企画の始まりですかね。僕はCGでギャグ漫画やSF漫画を描いていたのでストーリーやプロットは書けるんですが、萌えアニメ文化へ“萌え”としてちゃんと届くのか多少の不安がありました。そこで福原Pに紹介して頂いたのが石舘光太郎さんです。

――石舘さんには以前お話を伺わせて頂きました。
菅原:インタビューは見ましたよ。石舘さんは萌えアニメ文化についてもそうですが、脚本や萌えアドバイスなど大変お世話になりました。僕と福原Pで相談していた3部構成の骨格が、石舘さんが加わったことによって企画も骨太になり、確かその頃に別所PからTOKYO MXでのTV放送のお話をいただいて、更に萌えアニメ番組として肉付けもされた感じです。僕の作業部屋で毎週、皆で脚本・構成の打合せをしていたので、会う回数が増えるたびに話も弾んで仲良くわきあいあい爆笑しっぱなしでしたが、脚本を練るやりとりに時間をかけていたぶん、CG制作スケジュールが1週間に15分リアルタイムで創るキツキツ状態になってしまったんです。(笑)そんな中、石舘さんから「手伝えるところは手伝いたい」とおっしゃっていただけて、音編集をお願いしたり、フェイスアニメ制作をサポートしてくださった方々へ萌えアドバイスをしていただいたり、ものすごく助かりました。丸一日かかるMAに立ち会う時間も無くなってしまいましたが、石舘さんの才能を信じて任せて正解でした。僕は漫画や映像の方で視覚的なお笑いをやっていたんですが、石舘さんはテレビ番組の構成作家さんでありながら芸人歴もあり、言語的なお笑いを得意とされていたので、別の分野のお笑いが奇跡的な化学反応を起こしたものが『gdgd妖精s』1期なんだと思います。

ピクサラ

――どちらが欠けていても『gdgd妖精s』は生まれなかったんですね。
菅原:僕らだけではなく、加えてプロデューサーさんのキャスティングやスタッフィングの嗅覚や心の広さがあったからこそ生まれた作品だと思います。声優さん自身の能力やアドリブ力、音効の徳永くん、OP制作・予告画の中角くん、楽曲の井上さん、スタジオ関係者など、制作に関わり協力下さったすべての方々が各々に自分の役割以上の仕事をして、サポートし合って、天才的にこなして。制作スタッフ全員で力を合わせてお腹かかえて笑いながら作り上げた“キメラみたいな作品”が『gdgd妖精s』なんです。いろいろな化学反応の結果ですから、関わった全てのキャスト、スタッフが評価されるべきであって、当然に皆がそのような意識でいると考えています。一部の人が評価されていないということは『gdgd妖精s』にとって言えば有り得ないことなんじゃないかなと思います。

――なるほど、“キメラ作品”。
菅原:キメラであるための色々な要素っていうのはひとりひとりの力でしか出せません。今回2期のオープニングやエンディング映像で使用したCGは、フリーソフトのMMD(MikuMikuDance)なんですが、『gdgd妖精s』の制作ってMMDを扱っている方たちの文化と似たようなところがあって、モデルを作る人はモデルを、モーションを作る人はモーションを、というように全員が長所でやりとりして制作しているので誰が偉いとかっていうのがないんですよね。そういったMMDの文化を見習って、『gdgd妖精s』についてはこの考え方が基本スタンスになり、2期にも引き継がれていったと思っています。2期では、MMDerの方々にも番組創りに参加いただけたので、この点は実践されていると思います。

――MMDといえば今回はエンディング映像を募集されていましたね。
菅原:エンディング募集は、2期の1つの目玉で、大挑戦でした。「楽曲→踊ってみた→モーショントレース→3DモデルダンスPV」という、ニコニコ動画で起きているクリエイティブなムーブメントを、『gdgd妖精s』でも直にやってみたかったんです。そんな夢みたいなことが事できたらいいなと思って。配布データは、gdgd2期制作スタッフみんなの力が集結して出来上がった結晶です。井上さんの楽曲。モーションは、ピクピク役の三森さんのED振り付け創作。また、“踊ってみた”のスターの方々にキャラソンED振り付け創作していただきました。そして、ゼロシーセブンさんの最新モーションキャプチャーシステムMVNで、ダンスモーションとしての収録をさせていただき、MVNで撮ったBVH形式のモーションデータをMMDで使用できるようVMD形式へ変換や、表情や指などの重要な表現の改良創作は、かんなさん。KEIさんデザインをもとにMMDでキオさんが創られた8頭身妖精モデルや、ポンポコさんが創られた背景3Dを使って応募くださった沢山の方々の力の集大成が、どんどん広がって大きな波になって、各々の描く多種多様な『gdgd妖精s』をみることができて感動しました。

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ネットで流行っているものを追いかけていたら、いつの間にかアニメ好きになっていました。 http://com.nicovideo.jp/community/co621

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