にんじんの栄養、皮の有無でどれくらい変わる?皮ごとレシピ付き

access_time create folderグルメ
にんじんの栄養、皮の有無でどれくらい変わる?皮ごとレシピ付き

にんじんは、茹でたり炒めたり、また天ぷらにするなどさまざまな調理法で食べられる野菜です。今回は、皮の有無による栄養の比較のほか、効率的に栄養を摂るための簡単レシピも紹介します。

栄養は皮つきと皮なしでどう違う?

皮つきと皮なしの生のにんじんの栄養を比較しました(可食部100gあたり)。

にんじんの皮つき、皮なしの栄養の比較のグラフ

出典:文部科学省「日本食品成分表2020版(八訂)」第2章 野菜類
※ 上記をもとにVEGEDAY編集部にて作成

生では皮つきのほうが、カリウム、カルシウム、β-カロテン、食物繊維の量が多いことがわかります。栄養を摂るには、皮つきで調理したほうが効率的だと考えられます。

では、茹でると栄養素はどう変わるでしょうか。
下は、皮つきで茹でたもの、皮なしで茹でたものを比較したグラフです。

皮つき、皮なしのにんじんを茹でたときの栄養の増減率のグラフ

出典:文部科学省「日本食品成分表2020版(八訂)」第2章 野菜類
※ 上記をもとにVEGEDAY編集部にて作成

皮つき、皮なしともにカリウム、葉酸は減ってしまいます。これらの栄養素は水溶性のため茹でると水に溶けだすためですが、皮つきのほうがカリウムの減少率が低いことがわかります。

一方、カルシウム、β‐カロテン、食物繊維は茹でると、変わらないか増え、これらの栄養素は生の場合とそん色なく摂れることがわかります。カルシウムは皮つきのほうの増減率が高くなっています。

調理時の皮つき、皮なしの使い分け

●皮つきの場合

千切りにするか、ピーラーでむくように切って炒めもの、かき揚げ、サラダなど。
薄くすることで皮つきでも食べやすくなります。また、皮つきのほうに多く含まれているβ‐カロテンは油を使った料理でさらに吸収率がよくなります。

●皮なしの場合

乱切り、拍子切りなどにして煮物などに。皮なしにすると味がしみ込みやすくなります。

皮つき、皮なしで食感も変わります。栄養素量などを考慮し、切り方も工夫してお好みの使い方を選んでください。

にんじんの切り方はコチラ
β−カロテンを効率よく取る調理法はコチラ
にんじんの皮のサラダレシピはコチラ
生と過熱での匂いの変化はコチラ

葉と根の栄養は?

にんじんの葉と根の栄養を比較したのが下のグラフです(可食部100gあたり、根は皮つき)。β-カロテンは、葉に1,300μg、根に6,900μgと根のほうに多く含まれ、カリウム、カルシウム、葉酸は葉のほうに含まれます。

にんじんの葉と根の栄養比較のグラフ

出典:文部科学省「日本食品成分表2020版(八訂)」第2章 野菜類
※ 上記をもとにVEGEDAY編集部にて作成

にんじんの葉は、葉酸73μgと豊富に含みます。葉つきのにんじんが手に入ったら、葉も余さず調理しましょう。

にんじんの葉のかきあげレシピはコチラ

memo

にんじんには大きく分けて東洋種と西洋種があります。現在流通しているもののほとんどが西洋種で、主流は「五寸にんじん」。また、下記のように、色による栄養の違いがあります。

●赤色:東洋種の「金時にんじん」は濃く鮮やかな赤色が特徴。これは、トマトの赤色成分と同じリコピンに由来します。
●黄色:「金美にんじん」や「島にんじん」などの黄色のにんじんには、β−カロテンが豊富に含まれています。
●紫色、黒色:紫色の「紫にんじん」「パープルスティック」や黒色の「黒にんじん」は、ポリフェノールの一種であるアントシアニンを含みます。

にんじんの種類による味や食感の特徴はコチラ
にんじんの皮のサラダレシピはコチラ

皮つき&簡単!きんぴらなど、にんじんだけレシピ

●にんじんのきんぴら

自然な甘みと食感を楽しめる

にんじんのきんぴらのレシピ

材料(4人分)

にんじん:中2本

ごま油:適量

酒:大さじ1

醤油:大さじ1

白ごま:適量

作り方

にんじんはよく洗い、皮をつけたまま千切りにする。

フライパンにごま油を入れて熱し、1を炒める。

少ししんなりしてきたら酒を加え、ふたをして2~3分蒸し煮にする。

仕上げに醤油を回し入れ、汁気が飛ぶまで炒りつける。

器に盛って白ごまをふる。

●にんじんのペペロンチーノ

にんじんの甘さが引き立つ一品

にんじんのペペロンチーノのレシピ

材料(4人分)

にんじん:2本

しそ(大葉):8枚

ニンニク:1片

アンチョビフィレ:6枚

オリーブオイル:適量

こしょう:少々

昆布茶:小さじ1

作り方

にんじんを皮ごとピーラーでむくように切り、大葉は千切り、ニンニクとアンチョビフィレはみじん切りにする。

フライパンにオリーブオイルを入れ、にんにくとアンチョビを入れて火をつける。オリーブオイルからニンニクの香りが立ったら、にんじんを入れて炒める。

にんじんがしんなりしたら、こしょう、昆布茶、しそ(半量)を入れる。

皿に盛りつけて、残りのしそをちらす。

にんじんしりしりのレシピはコチラ
にんじんの選び方、保存法はコチラ
にんじんの冷凍保存法はコチラ

最後に

皮の有無によるにんじんの栄養の違いを知って、料理に役立ててください。

[にんじん]料理別の切り方と保存法

[にんじん]料理別の切り方と保存法

β-カロテンの含有量は、野菜の中でもトップクラス。生育には低温が適し、生産地を移動しながら一年中つくられています。日本には、中国を経て17世紀に伝来。短く太い西洋種が主流です。

最終更新:2023.10.25

文:アーク・コミュニケーションズ
写真(撮影):田村裕未(アーク・コミュニケーションズ)
写真(撮影協力):吉田めぐみ
監修:カゴメ
参考文献:
『新・野菜の便利帳 おいしい編』板木利隆監修(高橋書店)(にんじんの種類と色)
出典:
文部科学省「日本食品成分表2020版(八訂)」
第1章、第3章(にんじんの調理法)
第2章(にんじんの栄養)
独立行政法人農畜産業振興機構
四季の野菜の健康と栄養 ~トマトとにんじん~(にんじんの種類と色)
野菜ブック「にんじん」(にんじんの種類と色)
JAよこすか葉山「すかなごちそう」(ニンジンのきんぴら)
千葉県「教えて千葉の恵み」(人参のペペロンチーノ)

  1. HOME
  2. グルメ
  3. にんじんの栄養、皮の有無でどれくらい変わる?皮ごとレシピ付き
access_time create folderグルメ
VEGEDAY powered by KAGOME

VEGEDAY powered by KAGOME

カゴメが運営する、野菜をもっと楽しんでもらえるように、もっと好きになってもらえるように、皆さんがずっと健康でいられるように、お役に立てる情報を提供するメディアです。

ウェブサイト: http://www.kagome.co.jp/vegeday/

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。