「サウナー医師」がサウナの可能性を科学的に解説! 究極のととのい方や効果的な入り方は?
以前、本サイトでも紹介した『医者が教えるサウナの教科書 ビジネスエリートはなぜ脳と体をサウナでととのえるのか?』から3年半。いまだ空前のサウナブームが続く中、その第2弾となる書籍『医者が教える 究極にととのう サウナ大全 超絶リラックスとパフォーマンスアップに効く科学的な方法』が発売されました。著者は、医師であり日本サウナ学会代表理事でもある加藤容崇さん。サウナを科学的に解明してきた加藤さんによる、新たな研究成果や最新のサウナ事情が同書には惜しみなく記されています。
たとえば、サウナ利用者が口にする「ととのう」という言葉。これは簡単に言うと「サウナに入ったことで得られる心地よい感覚」(同書より)のことですが、なにやら精神的な世界観、ともするとちょっぴりスピリチュアルな響きを感じる人もいるのではないでしょうか。しかし、同書では「ととのう」のメカニズムを科学的に解説しています。
サウナでは交感神経(興奮・緊張したときに活性化する)と副交感神経(リラックスしたときに活性化する)が急激に切り替わることで、一種の体が「バグる」状態になり、「リラックスはしているけれど、眠いわけではなく、むしろ意識は清明に晴れている」感覚となるそうです。加藤さんによると「これがすなわち『ととのう』の正体」(同書より)であり、この「ととのう」によって、睡眠の質が上がる、美肌になる、うつのリスクが低下するなどさまざまな効果が得られるといいます。「ととのう」は単に気持ちがよいというだけでなく、美容や健康に関しても良い変化があることがわかります。
とはいえ、サウナの利用の仕方によっては効果に違いが出ることも。「サウナ室→水風呂→外気浴」は何セットおこなうのがよいのか、ドライサウナとウェットサウナではどちらの健康効果がより高いのか、サウナ室ではどの段に座るのがよいか、水風呂ではどんな体勢をとるべきか……。「それは個人の好みでしょ!」なんて答えてしまいそうな問題にも、同書は科学的な見地から効果の高い入り方を教えてくれます。
医学的な情報とともに、サウナの最新事情に詳しくなれるのも同書の良い点です。おすすめの熱波師やサウナ室内でおこなう「ウィスキング」というマッサージ、音でととのいに導く「シンギングボウル」などが紹介されているのは、大のサウナー(サウナ好き)でもある加藤さんならでは。また、コロナ禍を経てさらにサウナが多様化しているとして、「サウナをビジネスに活用する」「人脈づくりや恋愛に役立てる」「サウナを旅の目的にする」などサウナをライフスタイルに取り入れる提案もおこなっています。
前作が理論編とするならば、この新作は実践編。これからサウナに詳しくなりたい初心者にとっても、さらなる”サ活”に励みたいサウナーにとっても役立つ一冊と言えます。巻末には「サウナDr.加藤の偏愛サウナ・リスト」全50軒も掲載されていて、いたれりつくせり。同書を参考に、サウナを皆さんのQOL向上に役立ててみてはいかがでしょうか。
[文・鷺ノ宮やよい]
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