大戸屋の新業態「蕎麦処 大戸屋」に行ってみた! →その味を正直にレビュー
全国に展開している定食チェーンの「大戸屋」って、メニューが豊富でいいんだよなあ。
体に良さそうな野菜たっぷりの定食もいいし、意外とガッツリとした揚げ物づくしのメニューもある。焼き魚も煮魚もウマい。蕎麦やうどんがセットになった定食もちょうどいいんだ!
そんな大戸屋がなんと、蕎麦専門の新業態を始めたそうで。
その名も「蕎麦処 大戸屋」
その名も「蕎麦処 大戸屋」。6月23日に1号店となる田無店がオープンしました。おお、割と家から近いじゃないか。
大戸屋ごはん処が新たに生み出した、本格そば専門店「蕎麦処 大戸屋」一号店が本日6/23OPEN!https://t.co/IeNy15sPnY厳選した蕎麦粉を使い、店内製麺する打ちたて生蕎麦。きっと『そばがもっと好きになる』!#大戸屋 #蕎麦処大戸屋 #蕎麦 #つけ蕎麦 pic.twitter.com/8P20MUDRB9— 大戸屋ごはん処【公式】 (@Ootoya_Gohan) June 23, 2023
実際、定食についてくるせいろ蕎麦は脇役として見事なパフォーマンスを発揮してるし、蕎麦専門店ってのも悪くなさそうだ。本音を言えば普通の大戸屋にできてほしかったけど、悪くない!
これはとりあえず行くしかないでしょ! ってことで、Googleマップでナビを設定しようとしたんだけど、ちょっと気になることが……。
なんと、クチコミが全然良くない
オープンして2週間もしないうちにGoogleマップのクチコミが44件も投稿されているのに、平均点はわずか2.5点(7月4日現在)。これはさすがに低い……。
レビューの詳細をいろいろ読んでみると、ざっと目についたのは「値段が高い」「蕎麦がいまいち」「天ぷらはうまい」というような評価。なるほどなるほど。
それなりに美味しかったとしても、値段が高いと相対的に満足度は下がってしまうもの。値段のことを取っ払って考えれば普通に美味しいのかもしれないし、とにもかくにも食べに行ってみるしかないか!
ちなみに今回も自腹です
もちろん今回は大戸屋さんからはびた一文いただいていませんし、なんなら完全なる潜入レポートです。だからウマかったらウマいって書くし、美味しくなくても正直に書いちゃうぞ。なんてったって、自腹だからな!!
平日夜でも結構な盛況
というわけで、一路「蕎麦処 大戸屋」田無店へ。行ったのは月曜日の夜でしたが、結構な人気ぶり。店内は広くてボックスシート、カウンター席、小上がりのテーブル席などがあり、客席自体にはまだ余裕がありましたが、次から次へとお客さんが入っていました。
今回はカウンター席に座り、まずはメニューブックをチェック。最初のページには蕎麦へのこだわりがいろいろと書かれています。
こちらを読んで気になったのは、天ぷらとそばつゆの話。
天ぷらは2015年に大戸屋がマンハッタンにオープンしたミシュラン一つ星獲得店「天婦羅まつ井」のノウハウを継承したものらしく、なんだかうまそう。そして蕎麦つゆは「醤油かえし」と「ゆず塩かえし」の2種類が用意されるのだそう。蕎麦つゆ二刀流とは珍しい。
となると、やっぱり天ぷらとせいろ蕎麦のセットを注文したくなるというのが心理というもの。価格は天ぷらせいろが1450円、野菜天せいろが1350円。大盛にしたら1500円オーバー。
どちらも天ぷらが7品つくとはいえ、大戸屋のメニューの価格帯から考えると若干割高に感じてしまうかも。
まぜ蕎麦&つけ蕎麦がイチオシなのかも
そして気になったのが、メニューブック上でも、店頭のディスプレイでも、天ぷらせいろはあまり目立つように配置されていなかったこと。
メニューブックだとつけ蕎麦、まぜ蕎麦は全メニュー写真付きだったのに、野菜天せいろは写真が未掲載。店頭のディスプレイも一番上の段にはまぜ蕎麦の食品サンプルが並んでいました。
これは「蕎麦処大戸屋」で頼むべきメニューはつけ蕎麦やまぜ蕎麦であって、天ぷらせいろではないのでは……?
メニューブックの1ページ目を読めば天ぷらせいろに誘導されてしまうのは当然。でもここは大戸屋の蕎麦屋業態。大戸屋のおかずの充実したラインアップを思い出してほしい。その優秀なメニューのノウハウが生かされるのは、どう考えてもまぜ蕎麦やつけ蕎麦であって、蕎麦つゆに浸すだけのせいろ蕎麦ではないはず!
誘導されるがままに天ぷらせいろを注文し、高かったというだけの評価になってしまうのはもったいない。「蕎麦処大戸屋」の真髄はまぜ蕎麦とつけ蕎麦にあるのだと予想する!
豚肉の和風カレーつけ蕎麦と天ぷら単品でオーダー
そこで熟考の末に今回注文したのは「豚肉の和風カレーつけ蕎麦」(1180円)と単品の天ぷら。なにも7品盛りの天ぷら盛り合わせがついてくるセットにしなくても、単品なら1個150円から注文できる。これで十分。
そしてしばらくして運ばれてきた料理がこちら!
これが「豚肉の和風カレーつけ蕎麦」!! この時点で猛烈に漂ってくるカレーのスパイシーな香り!! つけ汁がメチャクチャ濃厚そうな予感です!!
一方蕎麦はかなりの細麺で、繊細そうな仕上がり。いわゆる十割そばとかとは違い、小麦粉の比率が高そうな色をしています。
大戸屋で食べる蕎麦と太さは同じくらいだけど、色はちょっと違うような。厳選した蕎麦粉を使って店内製麺しているということですし、同じ麺を使っているというわけではなさそう。
いざ、蕎麦をカレーつけ汁に浸して食べてみると、濃厚すぎて麺にどっぷりと絡むわ絡むわ!
とにかく濃厚。スパイシーでありながらも蕎麦屋のカレーならではの出汁の旨味もたっぷり感じられ、すごくいい味に仕上がってます。
これはウマい! このつけ汁自体には何の文句もなくウマいと言える!!
そんなつけ汁に問題があるとすれば、あまりにも濃厚すぎたこと。
並盛りの蕎麦を普通に食べていたつもりなのに、つけ汁を飲んだり天ぷらをつけたりしていないのに、蕎麦を食べ終えたら一滴も残っていない状態になってしまった。これは並盛り以上だとちょっと厳しいんじゃないかしら。逆に言えば、並盛りで食べれば最高ってことでもあるんだけど。
あと蕎麦自体は割と普通かもしれない。良くも悪くも普遍的。喉越しはつるりとしていて素晴らしいし、歯ごたえもいい感じだけど、蕎麦の風味は今ひとつ主張がない。
でもこれも濃厚なカレーつけ汁で食べると思えばバランスが非常によかった。カレーの美味しさを存分に味わせてくれる、職人肌だけど控えで脇役に徹することができる蕎麦。野球選手でいうところの金子誠みたいな蕎麦。
だからこそ、大戸屋のノウハウが発揮されるまぜ蕎麦やつけ蕎麦を食べるときは最高の引き立て役になってくれるだろうし、逆にせいろ蕎麦として主役を張らせるのはちょっと心もとないのかもしれない。球史に残る名選手だけど、4番バッターとして起用してたらただの貧打線になってしまう。そんな印象。
天ぷらは軽い衣がザクザクで優秀賞
蕎麦についてはウダウダと書いてしまったが、天ぷらについてはまずシンプルにウマかった。これは優秀ですね。
今回は舞茸天(200円)、茄子天(150円)、鶏もも天(150円)の3品を注文。カレーつけ汁がなくなってしまったし、卓上に塩もなかったので、天つゆをお願いしてみたらすぐに持ってきてくれました。
まず食べて驚いたのは衣の軽さ。とにかく軽い。サクサクとしていて、なおかつ表面はパリッと固めに揚がり、もちろんアツアツ。丁寧に揚げられた、揚げたての天ぷら最高。
これはたくさん食べてみたくなるやつだし、天丼も絶対にウマいことが確定。天丼とミニ蕎麦のセットなんかがあれば完璧かもなあ(残念ながらない)。
まとめ:せいろ蕎麦以外&天ぷらを食うべし! やっぱり少し高い……
というわけで今回は「豚肉の和風カレーつけ蕎麦」と天ぷら3品をいただきましたが、味にはしっかり満足することができました。予想をもとに選んだメニューが大正解。少なくともGoogleマップのクチコミ評価が3点未満だとは到底思えませんでした。
ただ蕎麦の個性はもう一声ってところだったので、やっぱりまぜ蕎麦やつけ蕎麦、もしくは天ぷらをメインに据えて注文するのが大事な気がします。これで印象がだいぶ変わる気がしました。
あとは、(大戸屋系列のチェーン店としては)ちょっと高いといえば高いかなあ……。今回のお会計は1680円。正直、カジュアルな感じの蕎麦チェーンでこれは気軽に行ける価格帯ではないですね。
これならすぐ近くにある揚州商人に行きたくなっちゃうし、丸亀製麺でいいかともなっちゃうし、なんなら1680円を使って通常業態の大戸屋で豪遊したいかも。
蕎麦はカレーつけ汁の引き立て役に徹していい仕事をしていましたが、もうちょっと主砲クラスに成長してくると印象が違いそうだなと思いました。
7月13日には神奈川・淵野辺に2号店がオープンするようですし、タイミングが合えばまた食べてみたいですね。今後に期待!! ごちそうさまでした~!!
(執筆者: ノジーマ)
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。