経済的理由で大学進学の夢をあきらめないで!確認したい教育支援制度

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経済的理由で大学進学の夢をあきらめないで!確認したい教育支援制度
子供の誕生とともにスタートするのが教育費計画です。ライフプランにおいては、住宅・老後・教育費が3本柱になっています。教育資金といえば、住宅取得のように時期をずらすこともできませんし、塾や習い事という学校外学習費についても子供の成長とともにかさんでいきがちです。

厚生労働省の「令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、合計特殊出生率は、令和4年(2022)概数で、1.26となっています。合計特殊出生率とは、15歳から49歳までの女性の年齢別出生率を合計したものです。ちなみに、令和3年(2021)確定数で1.30となっていました。したがって、過去最低の数値となります。出生率減少の理由には、将来の教育費資金計画に自信がないといった思いも起因しているかもしれません。もちろん、子育て中の人にとっては「出産・育児環境への改善期待」や、「教育費資金計画」も気になるところではないでしょうか。

本記事は、家計の経済的理由により「大学進学をあきらめないで欲しい」という願いから書いております。はじめに、出生から高校進学までの各種支援制度について簡単に案内しますが、主には高校卒業後の教育を考えるところに照準をあわせて、現在利用ができる制度を振り返ってみたいと思います。

【目次】

出生から高校進学までの支援制度について
(1)児童手当制度(出生から中学生まで)
(2)児童扶養手当
(3)幼児教育無償化
(4)高等学校就学支援金

高校卒業後の教育に照準を合わせた支援制度について
(5)高等教育の修学支援新制度
(6)日本学生支援機構の貸与型奨学金

<まとめ>

では、時系列で確認していきましょう。

(1)児童手当制度(出生から中学生まで)

・3歳未満 月額1万5千円
・3歳以上から小学修了前(第1子・第2子)月額1万円
・上記(第3子以降)           月額1万5千円
・中学生                 月額1万円
※所得制限限度額以上で所得上限限度額未満の場合は、特例給付 月額5千円

支給月:6月、10月、2月
◎所得基準は内閣府のホームページを参照してください。
https://www8.cao.go.jp/shoushi/jidouteate/annai.html

(2)児童扶養手当

ひとり親家庭等の生活安定や自立促進に寄与し子供の福祉増進を図る目的で支給。
対象:18歳に達する以後、最初の3月31日までの児童を(一定の障害があるときは20歳未満)監護しかつ当該児童と生計を同じくするまたは養育している方
全部支給 43,070円 ~ 一部支給 10,160円 

支給月:1月、3月、5月、7月、9月、11月(奇数月)
◎所得制限限度額は厚生労働省のホームページを参照してください。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/osirase/100526-1.html

(3)幼児教育無償化

幼稚園・保育所・認定こども園等を利用する子供たち
①3歳~5歳児クラス すべての子供たちが無料
満3歳になって後の4月1日から小学校入学前までの3年間
(幼稚園は入園時期に合わせて)
送迎費・食材料・行事費等は保護者負担。
子ども・子育て支援新制度の対象にならない幼稚園は、無償化の月額上限2.57万。
※年収360万未満相当世帯とすべての世帯の第3子以降は、おやつやおかず等が免除。

②0歳~2歳児クラス 住民税非課税世帯は無料
保育所等を利用する最年長の子供を第1子とし、第2子は半額、第3子は無料。
※年収360万未満相当世帯は、第1子の年齢は不問。

幼稚園の預かり保育を利用(3歳~5歳児で最大月額1.13万)したり、認可外保育やファミリーサポート等(3歳~5歳児は月額3.7万まで無償/0歳~2歳児は住民税非課税世帯月額4.2万まで無償)となっています。※無償化の対象となるためには、お住まいの市町村から「保育の必要性の認定」を受ける必要があります。
◎詳細は、内閣府のホームページを参照してください。
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/musyouka/index.html

(4)高等学校就学支援金

国が授業料を支援する制度で、学校へ直接支払います。
対象:高等学校・特別支援学校(高等部)・高等専門学校(1~3年生)・専修学校(高等)等

判定基準
【計算式】
世帯合計の市町村民税の課税標準額×6%-市町村民税の調整控除の額です。
上記算出額<154.500円 の場合、支援額は最大39万6,000円となり
上記算出額<304,200円 の場合、支援額は11万8,800円となります。

世帯年収目安としてみると
・910万未満の場合 年額11万8,800円
・590万未満の場合、年額39万6,000円(私立高校加算を含めて計算) 
の支援を受けられます。こちらが、国が授業料を支援する制度でして、学校へ直接支払いする金額になります。

注意点は、年収額の数値だけでなく、家族構成によって判断基準額の計算が変わってきます。

<ケース紹介>
※両親共働きで子3人 
大学生(19歳~22歳)・高校生(16歳~18歳)・中学生(15歳以下)の場合は、
年収目安が、 ~約1090万であれば 年額11万8,800円の支援
年収目安が、 ~約740万であれば 年額39万6,000円の支援となります。

◎支援金の対象となる判定基準は、文部科学省のホームページを参照してください。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/1342674.htm
年収の目安はこちら↓
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/20210317-mxt_kouhou02_2.pdf

(5)高等教育の修学支援新制度

支援内容は2つです。「授業料等減免」と「給付型奨学金」です。
対象:世帯収入や資産の要件を満たしていること。学ぶ意欲があること。
大学・短期大学・高等専門学校(4年・5年)・専門学校など。

まずは、
①授業料等減免
大学進学した際の、入学金や授業料への支援制度です。

<非課税世帯の学生等の最大で受けられる支援について>
大学進学例(昼間)です。(学校により金額は異なります)
授業料減免上限額年額入学金減免上限額(1回限り)
国立約54万約28万
私立約70万約26万
                
文部科学省「授業料等減免」を基に筆者作成
※非課税世帯に準ずる世帯は、上記減免額の3分の2、3分の1が適用されます。

②給付型奨学金
資格基準に該当すれば、上記の授業料等減免と併せて受けることができます。

<非課税世帯の学生等の最大で受けられる支援について>
大学進学例です。(学校により金額は異なります)

給付型奨学金 年額
自宅から通学約35万
自宅外から通学約80万
文部科学省「給付型奨学金」を基に筆者作成
※非課税世帯に準ずる世帯は、上記減免額の3分の2、3分の1が適用されます。

上記の①②について、両者とも返還の必要がありません。資格基準に該当すれば、上記の授業料等減免と給付型奨学金を併せて受けることができます。

申込み先
①「授業料等減免」は、入学時に進学先の大学等へ申し込みます。
②「給付型奨学金」は、進学する前年の4月下旬から高校等を通じ日本学生支援機構(JASSO)へ申込みます。
◎詳細は文部科学省ホームページを参照してください。
https://www.mext.go.jp/kyufu/index.htm

(6)日本学生支援機構の貸与型奨学金
こちらは、一般的によく耳にする奨学金のため説明は割愛いたします。
①第一種奨学金(無利息)
②第二種奨学金(利息付)

家計基準等があります。②第二種奨学金では給与所得者(収入)1,100万以下/給与所得者以外(所得)692万以下などです。①第一種奨学金と②第二種奨学金の併用も可能です。日本学生支援機構の奨学金については、高校3年生の4~5月頃に、予約募集があります。予約募集の申込みをしておき、翌年春の進学先で「進学届」を提出することになります。その後、採用決定、奨学金の振込み開始の流れです。

◎詳細は日本学生支援機構(JASSO)のホームページを参照してください。
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/about/taiyo/index.html

<まとめ>
総合型選抜や推薦型選抜は高校3年生の2学期には進路決定しているケースもあります。受験費用はさることながら、合格通知が到着すると、入学金の支払期日まで数日です。
教育ローン等の併用も視野に入れながら資金準備していきましょう。各種支援制度については、昔に比べ格段に充実しました。保護者の方には、そういった部分を、あらかじめ計画的に貯蓄をしたりすることを習慣にしてほしいところです。各種支援金があって助かったという場面であっても、実際には負担したつもりで「つもり貯金や運用」をしておくこともお勧めします。進学先の学校や大学では独自の奨学金や返済不要の給付金制度もありますし、支援金制度の特徴を理解しましょう。そして、多くの学生が家計の経済的理由で大学進学をあきらめることがないようにと願います。

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