ダイナースクラブ カルチャーラボの第4期がスタート 人気の《大使館を訪ねてシリーズ》はエチオピア大使館
人生100年時代を迎えた今、“人生を豊かに”をキーワードに2022年春からクレジットカードのダイナースクラブがカード会員向けに開講している「ダイナースクラブ カルチャーラボ」。その道を究めた一流の講師による講演など、様々な講座が実施され好評を博しているが、なかでも人気なのが《大使館を訪ねてシリーズ》だという。
初年度の昨年度は全3期に分けて開催され、第1期はオマーン・スルタン国大使館、第2期はハンガリー大使館、第3期にはラオス大使館への訪問が実現。そして2年目の第1弾となる第4期の訪問先として門戸を開いたのは、東京・高輪の「エチオピア大使館」だ。
アフリカ大陸東部に位置するエチオピアは、独特な特有の伝統文化をもつ80以上の民族グループが集まる多民族国家。人口は約1億2000万人とアフリカで2番目に多く、30歳以下の割合が3分の2を占め、若者が多いのが特徴。また、歴史や文化、自然など多くの種類の観光地が多く、見どころも満載だ。コーヒー好きな日本人にとっては、コーヒー誕生の地として馴染みがあるのではないだろうか。
6月8日、抽選で選ばれた30名のダイナースクラブ会員が参加した今回のイベントでは、エチオピアの文化の紹介や産地ならではのコーヒーセレモニーの実演、そして日本ではあまり知られていないインジェラなどのエチオピア料理が振る舞われた。
イベントはダバ・デベレ・フンデ(DABA Debele Hunde)エチオピア大使のスピーチからスタート。「エチオピアと日本は長年に渡る友好関係が続いています。皆様にはこの友好関係をより強めて頂き、日本の方々にエチオピアの魅力を発信するためお力添えを頂けると確信しております」と語った。
今回のイベント開催にあたり、大使館へと招いていただいたお礼を込めてダイナースクラブの竹内氏より大使へ花束が贈られた。
エチオピアの魅力的な観光スポットを紹介するアフラム・アウェル・セイド書記官。
エチオピアは多くの陸上競技アスリートを輩出していることでも知られている。とくに1964年の東京オリンピックで優勝したマラソン選手のアベベ・ビキラはエチオピアの英雄だ。
コーヒーセレモニーは生豆を洗い、コーヒー専用のフライパンで焙煎するところからスタート。
焙煎したコーヒー豆。かなりの深煎りだ。
ミルで挽くのではなく、叩き潰して粉にしていく。
「ジャバナ」と呼ばれる素焼きのコーヒーポットに粉を入れて煮出す。
煮出したコーヒーは、小さめのカップに注ぎ分けられる。ドリップではなく煮出しているので、色はかなり濃い。会場中によい香りが充満してきた。
コーヒーセレモニーでは、スパイスで味付けされたナッツなどをつまみながらコーヒーをいただくという。
エチオピアと日本の音楽の共通点について解説する、一般社団法人エチオピア・アートクラブ代表理事の山本純子さん。エチオピア音楽の音階は、ド・ミ・ファ・ソ・シ・ドの5音で構成される琉球音階と同じなので、両国の音楽は非常に似ていると語った。
エチオピア舞踊を披露する、アビシニアン ダンス グループのバーバリッジさんと竹内さん。激しいリズムと踊りで会場を沸かせた。
エチオピアの高原で主に栽培されるテフというイネ科の種子を使ったクレープ状のパン「インジェラ」は、エチオピアの主食。ワットと呼ばれるスパイシーな煮込み料理との相性は抜群。今回のメニューは上から時計回りに、アテケルトワット(ポテトとキャベツの煮込み)、ククワット(大豆の煮込み)、サンボサ(レンズ豆の春巻き)、ケイワット(牛肉の煮込み・辛口)、ゴメンワット(ほうれん草の煮込み)、そして上に乗っているのがドロワット(ゆで卵入り鶏肉の煮込み)。エチオピアでは、これらの料理と共に、エチオピアワインやビールを楽しむことも多い。
コーヒーやアベベは知っていても、エチオピアのことをほとんど知らない我々日本人だが、今回参加したダイナースクラブの会員の皆さんは、きっとエチオピアは身近な国になったことだろう。参加できなかった人たちも、コーヒーを煮出してみたり、街でエチオピア料理店を探したりして、この記事がエチオピアの文化に触れるきっかけになれば幸いである。
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