現役「中国獅子舞演者」に聞く! アニメーション映画『雄獅少年/ライオン少年』のここがすごい

中国で空前の大ヒット、21年度公開作品の映画満足度ランキング第一位。22年に日本で限定上映され、圧倒的な作品力で絶賛された。貧しくも夢を抱く少年の成長を熱い獅子舞バトルを通して描き、誰もが涙した衝撃作『雄獅少年/ライオン少年』。困難を乗り越え成長する主人公・チュンに花江夏樹、チュンを獅子舞に目覚めさせた同名のヒロイン・チュンには、高い演技力で話題沸騰の桜田ひより。共に大会を目指す仲間、マオとワン公に山口勝平、落合福嗣。師匠・チアンに山寺宏一、その妻アジェンに甲斐田裕子ら豪華声優陣が結集しています。

本作で描かれている中国獅子舞は、1世紀ごろ後漢時代の中国大陸が発祥とされ、現在では中国国家級無形文化遺産にも指定されている伝統芸能。神に忠実に仕える勇猛な聖獣として親しまれ、 幸福を呼び寄せ厄を払うと信じられ中国各地に浸透、祝い事で舞われています。中国の伝統的観念や武術の精神を持ち、強さを表わし弱いものを助けるといった勇敢・賢さを象徴しています。主に南北で二つの流派があり、本作で描かれているのは、より表情豊かでアクロバティックな南の獅子舞。南の獅子舞の競技のひとつが、富を象徴する青菜の奪い合い。二頭の獅子が踊りや足技、身のこなしで優劣を競うもの。

今回、映画の公開に際し、横浜の中華街を中心に活動している、横浜中華学校校友会国術団の獅子舞チームに取材を敢行! 我々があまり知らない中国獅子舞について、そしてひと足先に本編を鑑賞した彼らに『雄獅少年/ライオン少年』の感想を伺いました。

二人一人組みで演舞する獅子舞。頭と後脚の担当はそれぞれの希望と適性を鑑みて決定するそう。また、二人の相性と信頼関係が非常に重要だと話す。頭を担当する方に演じる上での難しさを聞くと、獅子頭を被った時の視線の高さだと話します。自身が見えやすい位置で頭を構えると見ている人からするとただ人間が被っているように見えてしまう。あくまでふたりでひとつの獅子として表現するために、獅子頭の視線はとても重要。また獅子頭は、獅子舞の表情を目や耳、口の動きで表現することもとても重要な役割を果たしているが、映画で表現されている獅子舞の動きや音がかなり本物に近くリアルで驚いたと語っています。

今回の『雄獅少年/ライオン少年』を通して、中国獅子舞のアクロバティックな演舞、まるで生きている獅子舞がそこにいるかのような躍動感を見る人に感じて欲しいと話す。獅子舞を保管している倉庫も見せてもらったが、そこには約130頭の獅子頭があり、その量は日本で一番だそう!

アニメーションであることすら忘れるほどの映像美、そしてあらゆる逆境を乗り越え、少年たちが獅子舞を通じて夢を掴もうともがき長していく姿に魂が震えること間違いなし!美しくハイクオリティなアニメーションと、力強くダイナミックな獅子舞のバトルシーンをぜひ大きなスクリーンで体感して。

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藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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