猫飼いさんの家選び、マンション・戸建て・リノベ、どれがいい?注意したいポイントは”ペットトラブルの防止”
2月22日は「猫の日」だったのニャー。「猫の日」にちなんで、ゼロリノベを運営するgroove agentが、東京都在住の猫を飼っている20~40代の男女1000人を対象に、猫と暮らす家に関してアンケート調査を実施した。それによると、猫と暮らす家にはお悩みがいろいろあるのだという。どんなことだろうか?
【今週の住活トピック】
「猫と暮らす家のお悩みランキング」を公表/groove agent
3位「家具や壁で爪をとぐ」、2位「毛が抜けて敷物や洋服につく」、そして1位は?
筆者はかつて「ペットは犬より猫? 散歩、しつけの手間が犬人気下落の要因か」という記事を書いたが、ペットフード協会の調査によると、飼育されるペットの頭数は、2014年以降ずっと猫が犬を上回っている。それほど、ペットとして猫の人気は高いのだ。
家族同様の愛猫でも、猫と暮らす家についてはお悩みも多いようだ。ゼロリノベの調査によると、お悩みの3位は「家具や壁で爪をとぐ」、2位は「毛が抜けて敷物や洋服につく」、そして1位は「猫飼育可能な物件が少ない」という結果だった。
猫と暮らすうえで、家の中のことは対応方法を自身で工夫できたとしても、住める家自体が見つけにくいことが最大の悩みごとというわけだ。
猫と暮らすために住み替えるなら、新築戸建て?
調査対象者が現在猫を飼っている家は、「賃貸」が51%、「持ち家」が49%とほぼ同じだ。ただ、「猫と暮らす家」として満足しているのは全体の44%で、その内訳は「持ち家」が57%を占めたので、持ち家のほうがやや満足度が高いようだ。賃貸に不満を感じる理由としては、家が狭いことなどが挙がっているという。
では、「猫と暮らすために購入・住み替えするなら」どんな家がよいのだろう。結果は「新築戸建て」が最多の32%だった。「中古戸建て」の14%と合わせると戸建てが46%になり、マンション(新築マンションと中古マンションの合計で39%)より戸建てのほうが猫と暮らしやすいと思っている人が多いようだ。戸建てに住み替えを検討している人のコメントに、「管理組合などの規定に縛られない戸建てに住み変えたい」とあるように、マンションでは「管理規約」などでペット飼育に関する細かい制限があるからだろう。
猫の飼育が可能な物件を探す際に注意したいこと
猫の爪とぎ用のボードを壁に張ったり、こまめにブラッシングしたりと、猫を飼ううえでの工夫などはいろいろあるだろうが、ここでは、猫が飼える物件を探すときに注意したいことを説明しよう。
まず、賃貸物件について。はじめから「ペット可」で入居者を募集している物件を選びたい。その場合でも、ほかの入居者とのトラブルを避けるために、ペット飼育のための建物になっていたり、飼育のルールがあったりするほうがよいだろう。賃貸物件の中には、エントランスに足洗い場があったり、室内の壁のクロスを上下に分けて下の部分だけ張り替えできるようになっているものもある。また、一般的には、退去の際にはペットによる臭いや損傷について原状回復が求められるので、室内の仕様設備や契約書の内容などもしっかり確認したい。
次に、新築や中古のマンションの購入について。マンションには「管理規約」などの規則がある。必ず「ペット飼育可能」になっているか確認し、ペット飼育の条件としてどんなルールがあるかを詳しく調べよう。ペットの大きさや頭数に制限がある場合がほとんどなので、自分の希望通りに猫が飼えるか確認したい。ほかにも、ペット委員会などの飼育者の組織があり、予防接種を義務づけるなどの会則が整っているほうがよいだろう。ペット対応型マンションとして、ペット飼育のための共用設備や設計がなされているものもある。
新築か中古かについては、いろいろな考え方があるだろう。先ほどの調査結果では、猫と暮らすために購入・住み替えをするなら新築戸建てに住みたいと回答した人のなかには、「注文住宅にすれば自分たちにも猫にも住みやすい家が設計できるかもしれないから」とコメントした人もいて、分譲の新築物件ではなく注文住宅を建てるイメージをもっている人もいるようだ。同じ理由で、中古住宅を買ってリフォームやリノベーションをしたいと回答した人もいるだろう。
猫の安全や健康を守るには、滑りにくい床材やペットドア・キャットウォークの設置など、通常の住宅にはない仕様や設備を採り入れる必要がある。そういう意味では、中古住宅を買ってすぐに、あるいは一定期間が経ってからペット対応のリフォームをするという選択肢も有効だ。
最後に指摘したいのは、猫を飼っている人との情報交換も大切だということ。戸建てのほうが規制を受けることなく猫を飼える側面もあるが、マンションの場合には飼育仲間と情報交換ができるという側面もある。何を重視するかをよく考えて、詳しく調べたうえで物件を選ぶのがよいだろう。
さて、本連載の筆者の担当編集者は犬派らしいが、SUUMOジャーナルの記事で「猫」のテーマは人気だという。丸まって寝たり猫じゃらしで遊んだりする姿を見れば、癒やされて家事や仕事の疲れも解消されることだろう。室内で飼いやすいこともあって、猫人気は今後も続くと思われる。飼い主にとっても愛猫にとっても、暮らしやすい家が増えることを期待している。
●関連サイト
「猫と暮らす家のお悩みランキング」(ゼロリノベ調べ)
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