キリストか、悪魔か、自作自演か? ヴァーホーベン監督最新作『ベネデッタ』 憑依された修道女の衝撃映像
ポール・ヴァーホーベン監督が実在した修道女をモデルに暴力とセックスと教会の欺瞞を描く最新作『ベネデッタ』が2月17日より公開。ホラー映画の悪魔憑きシーンのような衝撃的な本編映像をご紹介する。
本作は、17世紀に実在した修道女の裁判記録から着想を得ている。幼い頃から聖母マリアの声を聞き、奇蹟を起こす少女と言われていたベネデッタ。成長し、修道女となった彼女は、聖痕を受けたことで“キリストに娶られた”として修道院長にまでのぼりつめ、権力を手にする。聖痕は果たして本物なのか、一部から疑惑の目が向けられる中、ベネデッタは見習いの若い女性バルトロメアと肉体関係を持っていたことで、同性愛の罪で裁判にかけられてしまう。
このたびご紹介するのは、ベネデッタにキリストが憑依するシーンである。ベネデッタの手足には聖痕が現れていたが、茨の冠によってできる額の傷がなかったことで、修道院長シスター・フェリシタ(シャーロット・ランプリング)は疑いを持っていた。すると突如、「イエス様、何をなさるの!」とベネデッタが叫ぶ声が聞こえてくる。
シスターたちが駆けつけると、うずくまったベネデッタはこれ見よがしに額から血を流しており、神というには恐ろしすぎる声で喋りだす。不吉な未来を予言し、ベネデッタを疑う人々に忠告するその様子を見て、シスターたちはさらなる疑惑の目を向ける。これは本当にキリストが憑依した姿なのか、それとも悪魔か、自作自演なのだろうか――。
ベネデッタを演じたのは、フランスの国民的スター ヴィルジニー・エフィラ。役作りについてヴァーホーベン監督からは「君ならもうわかっているはずだ」と言われ、「自分なりの解釈で彼女の人物像を演じた」という彼女。無垢にも狡猾にも見え、どこか神々しく抗いがたい魅力を放つベネデッタ像を作り上げた。
彼女は今作の脚本を傑作だと絶賛し、「詩情が香る大作、ラブストーリー、歴史作品、心の中を模索する旅…どれも生かされている。今まで観たり読んだりしたことのない物語で、狂気たっぷりで超ケタ外れ」と表現している。エフィラは映画や舞台、ドラマで活躍する人気者だが、それでもベネデッタ役については「いつでも巡り合えるものじゃない」と、演じられる喜びを明かしている。
『ベネデッタ』
2月17日(金)より、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
監督:ポール・ヴァーホーベン
脚本:デヴィッド・バーク、ポール・ヴァーホーベン
原案:ジュディス・C・ブラウン『ルネサンス修道女物語―聖と性のミクロストリア』
出演:ヴィルジニー・エフィラ、ダフネ・パタキア、シャーロット・ランプリング、ランベール・ウィルソン
配給:クロックワークス
2021/フランス・オランダ/131分/R18+/原題:BENEDETTA
(c) 2020 SBS PRODUCTIONS – PATHÉ FILMS – FRANCE 2 CINÉMA – FRANCE 3 CINÉMA
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。