1年3セットの服で過ごすには? 制服化スタイリスト・あきやあさみさんに聞いてみた

出かけるときのお洋服……。

クローゼットに沢山あるはずだけどなんだかいつもしっくりこない、ということってよくありませんか?

そんな洋服迷子さんのヒントになる本『一年3セットの服で生きる「制服化」という最高の方法』を著書のスタイリストあきやあさみさんにお話を伺ってみました。

スタイリストあきやあさみさんインタビュー

―― 1年3セットで制服化することを思いついたきっかけを教えてください。

あきやあさみさん:新卒から10年間百貨店で販売員をしていたのですがその時に皆さんたくさんのお洋服を買ってくれるんですよ。毎シーズンたくさん買ってくださる中でそういってもお客さんのお気に入りって1セット2セット3セット位だよねって気づきまして。たくさん買わせちゃうのは申し訳ない。

安価な服をたくさん揃えちゃうよりも1セット100点のコーディネートにする方がたくさん着てもらえるのになーって。

―― タンスの肥やしが増えちゃうんですかね。

あきやあさみさん:そうなんです。「ピンクが良かったのでブルーも買っておこう」「本当は黒が欲しかったけどセールになっているのでベージュを買っておこう」とか。

自分にとって100点の服を着よう、じゃなくて75点の服をたくさん買って妥協するとか。「雰囲気いいんだけどサイズを妥協しちゃうとか。ちょっと大きかったけどいいや、安かったし」こうやって買っていくと着ない服ばかり増えてしまってそうするのであれば気合を入れて制服化して、1セット自分にとって最高のものを着るようにした方がお客様にとって喜んでもらえるんじゃないかと。

私自身も仕事で独立したときにクローゼット開けて着る服ないなって。
気分が変わっちゃって。

コンセプトが変わっちゃったんですよね。みんなから好かれて受け入れられる人でありたいと言うところから自分で看板を持っていろんな人に集まってもらう個性的な存在として集まってもらうようにしたいと変わってきたので。

1枚だけ黒いワンピースを選んでずっと着ていました。

―― 黒だったんですね。

あきやあさみさん:はい。強くなりたいとか意思を強くしたいとかそういうイメージです。
結局そのワンピースで100日過ごしたんです。それだけで100日生きられちゃって。なんなら200日過ごせそうで。

同じ服を着るのは楽だし気持ちいいし100点だしいいじゃん!?

そういったところに実体験としてたどり着いて制服化をしようという経緯でございます。

―― 制服化が先で、コーディネートの自問自答のオススメは後からと言う形でしょうか?

あきやあさみさん:自問自答ファッションは最初から決めていてノートやブログSNSの最初から決めていて。
制服化は後からなんですよ。

自問自答と言うのはいろんな方を接客していく中で、私がスタイリストだと言うとみなさん「あきやさんのセンスに任せます!」となってしまって……。

それだと「あきやさんがいないと洋服が選べない」とか「服を褒められたけどスタイリストさんのセンスなんで私のセンスじゃないんです」とか。

自分の人生を自分で切り開いていく、自分の服は自分で探していこう、自分で考えようねと自問自答ファッションをタイトルにしました。

―― 自問自答してみるコツはありますか。

あきやあさみさん:いろんな投げかけをしていくんですけれども、最初にキーワードを決めようと言うことをやっています。

自分で「可愛くなりたいのか」「綺麗になりたいのか」「個性的になりたいのか」キーワードになるものをワーッと出してもらうんですよ。

自分がなりたいものとか好きな言葉がわからない方は服が選べないんですよ。

いきなり服を見るんじゃなくて言葉の意味から入ると

・素敵が好き!
・伝統が好きだな。
・あー私面白いものが好きだなぁ。

と、選びやすかったりします。最初からものを見ちゃうと全部よく見えちゃったりして。

これはかわいい色だなぁ、とかこれはかっこいいデザインだなぁとか、思ってもそれが自分に合うか紐付くのが難しいんですよ。

最初になりたいイメージの言葉を決めちゃうと、「私かっこよくなりたいんだな」だったら、かっこよくするにはどうすればいいかな……?と、1個、軸が通るんですね。

なので自問自答するときは言葉から入っていこうとやっています。

―― どんなお悩みが多いですか?

あきやあさみさん:結構皆さん考えたことがなかったと言う方が多いです。なので、どうなりたいかまったく出てこないという方が多いんですけど、例えば「じゃあ好きな本はどういったものを読まれますか?」「ミステリーしか読みません。」みたいな質問で好みがわかります。

―― ミステリー好きだとどういったお洋服を選ぶ方が良かったりしますか?

あきやあさみさん:やっぱり知的な感じとかクールなイメージだったり。黒、ブルー、グレー、白とか。すっきりしたイメージが私らしいよね。

「でも私丸顔だから」とか「イエベだから」とかそういったことがあったとしてもとりあえず好きなものやなりたい姿を作ってみて、と。

「丸顔だけどミステリー好きなんだったらクールな服を選んだらいいんじゃない」と、そういったアドバイスをしています。なので、すごく抽象的なことをやっています。

―― まずとりあえず1セットを目指そうと言う感じでしょうか。

あきやあさみさん:そこまではモヤモヤしたことを作っていく妄想の域なのですが、実際服を買うとなると、そうも言ってられないじゃないですか。

1セットの時はまず靴を選びましょう!と伝えてます。

自分の普段履いている靴が、スニーカーだったらスニーカー、紐靴だった紐靴、パンプスだったらパンプスの中で、自分が履けてサイズもあっててちょっとシンプルなものを探して行こう!と決めていくと不思議なことに服が決まっていくんですよ。

靴の次は、靴に合わせてバッグを選びます。

次にアクセサリー。

先程のミステリー好きの方だったら、ダイヤモンドとシルバーなのかそれとも、コナンドイルみたいにアンティークのものを探したほうがいいのかとか。

最後に服ですね。

―― 靴はお洒落優先じゃなくて足に良いものにしたい、という場合はどうしたらいいですか?

あきやあさみさん:もちろん機能が自分のコンセプトという方もたくさんいて、動ける人になりたいだったら、スニーカーの中で最高にかっこいいもの、機能的なものを探す。

バックも最高に機能的なものを。例えばリュックにカメラも入るとか、ガジェットやデジモノが入れやすいとか。

機能美が好きで最後に選ぶお洋服だったら、女性だったらパンツスタイルで細身のタイプの黒とかでしょうか。

―― 最高の1セットから、3セットに増やすコツはありますか?

あきやあさみさん:まずは1セット100点。自分の最高のコーディネートを作った後で、100点満点を季節によってセットしておくっていうのもオススメです。

・夏の1セット
・冬の1セット
・春と秋はおんなじ服でいいや という1セット

この3セットは使いやすいですね。やってみると楽しいですよ!

―― 初心者はどうしたらいいですか?

あきやあさみさん:靴をとにかく100足試着して欲しいです。靴って最後にしがちなんですよね。もう靴は服の合わせのことを考えなくて靴を考えてくださいって言ってます

ファッションを考える上で靴を最初に選んでおかないと難しくて。「かわいいワンピース買ったけれど合う靴がない~っ!」てなったら着れないじゃないですか、ワンピースが。

服にあわやすい靴を買うんじゃなくて、靴こそコンセプトに合わせる。

―― 何の洋服にでも合う靴を買いたくなるけどそうじゃないんですね。

あきやあさみさん:突き詰めて靴100足試着すると、このワンピースに合わせやすいなぁってなっていくんですよね。高いものから安いものまで100足履いてほしいと思います。そうすると自分の中のここだなっていうのがわかります。

ー- 最後にメッセージをお願いします。

あきやあさみさん:洋服を本当に真剣に選ぶと良い人生に変わっていくのでやってみてほしいと心から思っています。

ー- 具体的には洋服選びがラクになる感じですか?

あきやあさみさん:本ではお金や時間の節約になりますよ、って書いちゃってるんですけど、もっといいことがあって、自分に自信が持てるとか、毎日ワクワクするとか。

自分のファッションが気にいっていると道行く人も素敵だと思ったり。視野が広がって解像度が上がるんですよね。思い切って飛び込んでみると目の前が開けるものなので、一度自分の服を自問自答してみてほしいって思います。

―― ありがとうございました!

著者情報

自問自答ファッション通信
あきや あさみ
https://note.com/jimon_jitou

ファッション教室 https://www.jimon-jitou.com/plan 
twitter https://twitter.com/jimonjitou_

書名:一年3セットの服で生きる 「制服化」という最高の方法
著者:あきやあさみ
発行:幻冬舎  
定価:1,540円 

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erini (エリーニ)

漫画描くグルメ記者。バレエを踊ったりします。 食べ合わせを日夜研究中。犬好き。

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