2022年12月25日、中山競馬場でG1・有馬記念が開催された。G1馬7頭が集結した年末の大一番を制したのは3歳馬イクイノックス。天皇賞・秋に続いてG1連勝を飾った。
2022年で67回目を迎えた有馬記念。これまで様々な名馬たちが熱いレースを繰り広げてきた。今回の勝ち馬イクイノックスの父は2017年に有馬記念を制したキタサンブラックで、親子での有馬記念制覇となった。父子での制覇となった一方で、今年もあるジンクスが継続されてしまった。そのジンクスとは……
“ミスタープロスペクター系の血統の馬は有馬記念0勝”
というもの。
ミスタープロスペクターはアメリカ生まれの大種牡馬。キングマンボ、ゴーンウエスト、ファピアノ、フォーティナイナー、シーキングザゴールドなど数々の名馬、名種牡馬を輩出。アメリカのみならず、欧州、オセアニアと世界中の競馬界にミスタープロスペクターの血を受け継ぐ名馬たちがいる。
ミスタープロスペクター系の馬は短距離・スピードタイプの血統だが、距離が2400mの日本ダービーではキングカメハメハ(父キングマンボ)、エイシンフラッシュ(父キングズベスト)、ドゥラメンテ(父キングカメハメハ)、レイデオロ(父キングカメハメハ)で4勝。3000mの菊花賞もソングオブウインド(父エルコンドルパサー)、キセキ(父ルーラーシップ)、タイトルホルダー(父ドゥラメンテ)で3勝。中長距離でもしっかりと結果を残している血統だ。
しかし、距離2500mの有馬記念だけは相性が絶望的に悪い。これまで50頭以上のミスタープロスペクター系の馬が有馬記念に挑戦しているが、最高順位は2着。2019年に探勝1.5倍の圧倒的1番人気を背負い、9着に敗れたアーモンドアイ(父ロードカナロア)もミスタープロスペクター系の血統だった。
2022年の有馬記念に参加した馬でミスタープロスペクター系の馬は3頭。キングカメハメハ産駒ボッケリーニ、エイシンフラッシュ産駒ヴェラアズール、そして2番人気となったタイトルホルダーだ。それぞれ11着、10着、9着と3頭とも大敗。一族初となる有馬記念制覇は来年以降に持ち越しとなってしまった。
2023年の有馬記念は、他のレース以上に血統に注目して予想してみてはいかがだろうか。
(Written by 大井川鉄朗)