宮野真守&花澤香菜インタビュー「人間ドラマの面白さはどんどん濃くなっていく」『銀河英雄伝説Die Neue These 策謀』公開中

ファン待望『銀河英雄伝説Die Neue These 策謀』、そのフォースシーズンの第一章が現在、全国で公開中です。全三章で、全国47都道府県の劇場にて各章3週間限定上映で贈る壮大なスペース・オペラですが、このほどラインハルト・フォン・ローエングラム役の宮野真守さん、ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフ役の花澤香菜さんにインタビュー。作品のことや役柄など、さまざまなことについてうかがいました。

■公式サイト:https://gineiden-anime.com/ [リンク]

●サードシーズンまでの展開をふりかえってみて、いかがでしょうか?

宮野:最初に、衝撃だったのは、やはり物語の大きな世界観ですよね。事細かな設定で、本当にこの歴史が実在しているかのごとくいろいろなことが巻き起こり、それぞれの人物がすごくくっきりと表現されていて、こんなに描けるものかと感銘を受けました。毎回毎回、感動しています。

花澤:わたしも時代劇のように楽しんでいるのですが、ただやっぱり通して観てみると、帝国軍はピリピリしすぎですよね(笑)。同盟軍の和やかさが、だんだんうらやましくなってきちゃいました!

宮野:わたしのせいです! わたしがピリピリさせてしまっているから。

花澤:これは仕組み上、仕方がないことなんですよ(笑)

宮野:絶対的覇者なので(笑)。

花澤:そうなんです、ラインハルト様なのでしょうがないのですが、アフレコの時もわたしは帝国軍の時しかいないので、同盟軍の時は全然違うんだろうなと。どんな感じなのかなと思うことはありますね。

宮野:今香菜ちゃんが言ってくれたみたいに、日常生活の表現の仕方もまったく違うじゃないですか。まるでアメリカンコメディを観ているみたいに和やかなシーンも同盟にはたまにあるんですよ。

花澤:そうなんです!

宮野:町並みの表現の仕方もそうですし、帝国ではちょっと和やかなシーンでも丁寧な言葉をずっと使い続けるので。

花澤:また、ラインハルト様にかわいそうなことがいっぱい起こるんですよね。「もうやめてあげて!」と思ったりします。ヒルダを演じているので、もどかしい気持ちになります。もうちょっとグイッとラインハルト様に近づけるといいのですが。たぶんヤンであれば近づけますよね。

宮野:異常なくらいみんなフレンドリーだよね。「上官でしょう?」と(笑)。そういう雰囲気をヤンが出しているからだと思いますけど。

●今回、役作りはどのように掘り下げていかれましたか?

宮野:どこに着眼点を置くかで見え方が全然変わると思うんです。彼にとってはやはり、自分の半身であったジークフリード・キルヒアイスを失い、心に大きな陰りを持ったまま進んでいるんですよ。ある意味それが、彼にとっては縛りで、呪いのように重くのしかかっていく。そこからくる彼の孤立感、孤独感、孤高な部分が強さに見えているところはあると思うのですが、そこをヒルダが一番気付いてくれていると思うんです。

花澤:ラインハルトをけしかける人たちがいっぱい出てくるので、本当にどっかに行ってほしいと思っています(笑)。

宮野:本当にかしこい子だと僕も思っていて、ラインハルトが直接ヒルダにキルヒアイスや姉上のことを打ち明けたことがないのに、そこをすごく理解している。その様子は今回のシーズンでも出てくるのですが、すごいなと思って。

花澤:人間としてのラインハルトを観ていないと出てこない思いやりでしょうね。あとは彼女自身、国がどうなるとよくなるかも考えているんです。ラインハルトにはこうなってほしくないということが頭に思い浮かんでいて、誘導するわけじゃないけれど、「自分はこう思う」ということをラインハルトに伝えることで、ちょっとでもいい方向にいってほしいと思っているかも知れない。ラインハルトもすごく聞いてくれますし。

宮野:ヒルダとの会話は、ある意味今は、一番のやすらぎになっているのかなとも思います。

●今回、注目してほしいキャラクターはいますか?

花澤:今回活躍するオスカー・フォン・ロイエンタールがかっこいいんです。今まではモテモテのいけすかない感じを醸し出している人だったのですが、ちゃんと今回は戦い、しかも描写が中二っぽいんです(笑)。

宮野:中二のかっこよさに意外と香菜ちゃんが惹かれるんですね(笑)!

花澤:なんかだか面白いイスにも座っているんですよ。大魔王みたいなイスに座っているので観てほしいです(笑)。

宮野:ちょっと陰りがある部分や、自分を卑下したりするところとかも。

花澤:今回目立つキャラクターもいるので、楽しみにしてほしいですね。

●今日はありがとうございました! 最後に一言お願いいたします!

宮野:前回の続きの衝撃的な結末がドン! と来るのが策謀の始まりで、このサブタイトルにあるように、今まで帝国対同盟だった姿が、一筋縄ではいかなくなってくるのが今回のシーズンです。フェザーンが入って来ることにより、とても入り組んだ戦いが行なわれます。そこには人の欲望、それこそ策謀が入り組み、野心のぶつかり合いが起こります。人間ドラマの面白さはどんどん濃くなっていくので、そういう側面も楽しんでいただければと思います!

花澤:この作品から初めて入ると思うと物怖じしちゃうかも知れませんが、わたしも最初に関わる時に物語が壮大なイメージがあったので、ちゃんと理解できるかなとか不安だったところもありました。でも入ってしまえば、本当に続きが気になって仕方がないくらい、作品が楽しみになりました。この前までのエピソードや、こういうインタビュー記事などで手がかりを見つけて、ぜひ思い切って飛び込んでほしいなと思います!

■ストーリー

フォースシーズン「策謀」
最高権力者ラインハルトの善政による改革が国民からも支持されている銀河帝国と、不敗の魔術師ヤンらの活躍も空しく、政府の腐敗による国力低下が著しい自由惑星同盟。両国間の勢力バランスに大きな変化が生じる中、第三の勢力フェザーンの自治領主ルビンスキーは、自由惑星同盟を見限り、大きな陰謀をめぐらせていた。ラインハルトは、幼い銀河帝国皇帝の誘拐と自由惑星同盟への亡命というその企みを知りながらも、自身の野望のため利用しようと考える。ヤンも同盟に最大の危機が迫りつつあることは予感していたが……。そんな中、正式な軍人になったユリアンをフェザーンの駐在武官に任命する命令が届く。

(C) 田中芳樹/銀河英雄伝説 Die Neue These 製作委員会

(執筆者: ときたたかし)

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