<ライブレポート>今市隆二、会場いっぱいのファンと“愛”を伝えあった【RILY’S NIGHT】東京初日

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<ライブレポート>今市隆二、会場いっぱいのファンと“愛”を伝えあった【RILY’S NIGHT】東京初日

 今市隆二が、9月12日および13日に【RYUJI IMAICHI CONCEPT LIVE 2022 “RILY’S NIGHT”】を東京・東京ガーデンシアターにて開催した。

 今回のツアーは、コロナ禍にあたって今市が“ファンへ直接自分から会いに行く”ことをコンセプトにした全国ホールツアー。ホールならではの近い距離で、ソロツアーだからこその彼の魅力が凝縮された約2時間となった。2DAYSで開催された東京公演のうち、本稿では初日・12日公演の模様をレポートする。

 開演前の会場に、今市が敬愛してやまないというマイケル・ジャクソンのヒット曲が鳴り響く。会場の期待が高まるなか、生バンドの豪華なサウンドとともに紗幕が徐々に上がり、今市が登場。低く這うようなベースのリフから、「華金」がスタートした。じっと見つめられないほどにきらびやかな照明とファンキーなバンドサウンド、そして4人のバックダンサーを従えて赤いスーツで軽やかに踊りながら歌う今市は、さながら80’sトップスターのようだ。

 原曲では今市自らのコーラスだが、今回は男女コーラスふたりのより甘さ引き立つフェイクからスタートする「TUXEDO」、ステージ脇のベンチを使ってドラマチックなステージを繰り広げた「Angel」と横ノリなファンク・ソウルナンバーをたたみ掛けると、「Highway to the moon」ではさわやかなカッティングギターがチルな雰囲気を連れてくる。拍にゆったりと乗るような今市の動きにあわせ、彼がまとうオーバーサイズのスーツが美しく揺れるのが印象的だった。

 ダンス曲が続いたなか、一転してハンドマイクを手に歌い出されたのは「辛」。独り言のような、あえての“しゃべり言葉”で綴られた歌詞をなぞるようにダンサーが側で劇を繰り広げ、それがより曲の切ない世界観を盛り上げていた。

 MCパートでは、ツアーのコンセプトを改めて説明したあと、「今日が25公演目で、この会場がツアーのなかでも最大規模。楽しんでください!」と語る。そして企画コーナー「RILY’S ROOM」では、リビングのようなリラックス感ただようセットのなかで、抽選で選ばれた観客からの質問に答えるコーナーも。「この会場は人が多いんで、圧がすごいですね……(笑)」とこぼしたり、今市が考える“モテる男の条件”を聞かれ、戸惑いつつ「嘘をつかないこと」と答えたりなど、彼の人柄が表れるマイペースで素直な言葉でコミュニケーションを楽しみ、観客と和やかなひとときを過ごした。

 企画のあとは、バンド全員がステージに降りてアコースティックセットのコーナーに。今市もチェアに腰掛け、歌い出したのは「RILY」。そしてキーボードの前に座り直し、親友の結婚式のために書いたというエピソードを明かしながら「不器用な男のプロポーズを描いた曲です」と語ると、「I’m just a man」を弾き語りスタイルで披露した。

 転換を終えると、今市はおもむろに「次の曲はソロ活動を始める前、グループ(三代目 J SOUL BROTHERS)のアルバムに収録した曲なんですが……」と話し出す。“愛”をテーマに作詞したといい、「自分が、アーティスト活動をする上でいちばん伝えたいことは、“愛”なんです。愛を届けていくことが自分の活動している意味なのかなと思っているので、この曲は“今市隆二”をいちばんストレートに表現している曲だと思います」と熱い気持ちを語ると、「All LOVE」を熱唱した。歌いながら、天井近くまである客席を隅々まで見渡して時折ほほえむ姿に、彼のファンへの深い愛情が伝わってくる。歌い終わると、その感謝の思いを表すように深々とお辞儀をした。

 バンドメンバー&ダンサーの紹介パートを終えると、「Over&Over」で会場はふたたびファンキーなムードに包まれる。観客も高揚感を抑えきれない様子で、思わず踊り出す人も多くいるほどだ。続く、スラップベースとリズミカルなギターがテンションを盛り上げる「Over The Night」では、今市の煽りにあわせて観客も大きく身体を揺らし、会場ごと揺れる振動が足の裏から伝わってくる。そして華やかなブラスサウンドが多幸感あふれる「Catch my Light」を心底楽しそうに歌い上げ、本編を締めくくった。

 アンコールは、あの有名な「デンジャラス」をモチーフにした、まさにマイケル・リスペクトともいえるダンスパフォーマンスでスタート。キラキラとまわる照明のなか、疾走感あふれるメロディと近未来感あるキーボードのサウンドが印象的な「FUTURE LOVERS」を繰り出した。

 そして、今市は「年々、みなさんへの感謝の気持ちが強くなっています。この12年間、みなさんそれぞれの人生の中に今市隆二を入れてくれて、応援してくれてることって、本当に感謝しかなくて。本当にありがとうございます」と、まっすぐ客席を見つめながら語り、改めて深くお辞儀。彼の思いに応えるように観客も最大の拍手を送ると、顔を上げた今市の目にはうっすら涙が浮かんでいた。そのまま、しっとり歌い上げられたのは「Thank you」。ピアノとストリングスの音色で引き立つ、今市の声の繊細さが情感を揺さぶってくる。曲中には、涙ぐむ観客の嗚咽がかすかに聴こえてくるほどだった。

 「みなさんに向けてつくった曲です」と告げて最後に披露されたのは、Twitterでタイトル募集企画も行われた、ファンにとっても思い出深い楽曲「星屑のメモリーズ」。一層照明が落とされた会場に観客の持つペンライトがゆらゆらと輝くさまは、神聖な雰囲気が漂っていた。

 ツアーコンセプトにもある通り、今市はこのツアーを通して、自分がいかにファンのことを、そしてファンとのふれ合いを大切に思っているのかを、集まった一人ひとりへ、パフォーマンスと言葉を通して丁寧に伝えていた。そして、ファンもそれを通して今市の深い“愛”を感じとっているからこそ、全身を使って彼のファンキーな音楽で踊り、彼の繊細な歌声に涙を流すのだ。今市が全力で生み出すグルーヴを、観客も五感をフルに使って受け止める。なんて幸せな空間なんだろう、と思った。

 11月2日にはニューアルバム『GOOD OLD FUTURE』をリリース、10月からは同ツアーの再追加公演【”RILY’S NIGHT”~Rock With You~】も控えている今市隆二。彼が次に届けてくれる“愛”に、期待が高まる。

Text by Maiko Murata
(C)LDH JAPAN Inc

◎公演情報
【RYUJI IMAICHI CONCEPT LIVE 2022 “RILY’S NIGHT”】
2022年9月12日(月) 東京・東京ガーデンシアター

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