若者に人気のフィッシングベストを愛用? 『アイ・アム まきもと』阿部サダヲ演じる牧本流ファッションに注目
2022年9月30日に公開となる映画『アイ・アム まきもと』。本作の主人公である牧本は“おみおくり係(=お一人で亡くなった方を埋葬する)”として小さな市役所で働いているが、全く空気が読めない、人の話を聞かない、なかなか心を開かない、周りからするとちょっと頑固で迷惑な存在。そんな牧本は、つい周囲のルールより自分のルールを優先してしまい、同じ市役所で働く同僚たちや上司、警察や葬儀屋さんにもご迷惑をおかけしてしまう日々を送っていた。ある日、人知れず亡くなった蕪木の身寄りを探すため、彼のかつての友人や知人を訪ね歩くうちに、唯一の身寄りである娘・塔子に辿り着き、蕪木の知られざる想いと共に彼の人生を辿ることとなる。“亡くなった人の想い”を大切にするがゆえに、ちょっと迷惑な牧本の行動は、やがて人と人を繋ぎ、自らも変えていく――。
主人公の牧本壮役は、『舞妓Haaaan!!!』(07)、『謝罪の王様』(13)等に続き水田伸生監督とタッグを組む阿部サダヲ。牧本が出会う蕪木の娘・津森塔子役に満島ひかり。そして牧本の迷惑にまき込まれる人々に、國村隼、宮沢りえ、宇崎竜童、松下洸平、でんでん、松尾スズキ、坪倉由幸(我が家)と個性豊かな豪華キャストが集結。第70回ヴェネチア国際映画祭で4つの賞を受賞したウベルト・パゾリーニ監督『おみおくりの作法』(15)を原作に、ドラマ『ゆとりですがなにか』、『初恋の悪魔』で知られる水田伸生監督が笑って泣けるエンタテインメントに昇華させています。
牧本が身寄りなく亡くなった老人・蕪木の葬儀の参列者を集めようと奔走する本作には、様々な職業の人物が登場する。そんな登場人物たちが身にまとう仕事着にも注目。松下洸平演じる刑事・神代はビシッとスーツを着こなし、満島ひかりが演じる養豚場で働く塔子は、青いツナギと白の長靴を身にまとっています。そして、市役所のおみおくり係で働く牧本は、他の職員と同じようにスーツ姿かと思いきや、スーツと合わせて、釣り人が着るフィッシングベストを愛用している。職場のデスクの後ろには、ベストを丁寧に吊るしており、外出時はスーツのジャケットの下にベストを着ておみおくり係の仕事にいそしんでいるのです。
牧本も愛用しているフィッシングベストが最近注目を集めていることをご存じだろうか。たくさんのポケットがついた収容力に長けるフィッシングベストは、本来なら釣り人用の衣服ですが、オシャレなファッションアイテムとして若者を中心に人気を集めています。だが、当然のように牧本はオシャレとしてフィッシングベストを着ているのではありません。たくさんのポケットが持つ収容力をフルに活用し、ある時は名刺や手袋を取り出し、またある時は線香を取り出し、といったようにファッションではなく、ビジネスアイテムとしてフィッシングベストを着用。その活用っぷりに、牧本が出会う人たちも驚きを隠せません。
松尾スズキ演じる蕪木の元同僚・平光や、宮沢りえ演じる蕪木の元恋人・みはるも、牧本がベストから物を出し入れする様子を目の当たりにして、思わず「便利だね」とつぶやいてしまうほど。独自の世界を持っており、流行に疎そうな牧本が、若者に人気のアイテムを愛用している少しおかしな偶然も、もしかしたら牧本が引き起こした奇跡の1つなのかもしれません。フィッシングベストは牧本のトレードマークとして、個性を際立たせる重要なアイテムとなっている。『アイ・アム まきもと』をご覧になる際は、ぜひ牧本のフィッシングベストにもご注目を!
(C)2022 映画『アイ・アム まきもと』製作委員会
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