日当たりの悪い寝室で寝ていると体調不良になる?理想的な寝室の環境とは!?

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日当たりの悪い寝室で寝ていると体調不良になる?理想的な寝室の環境とは!?

おしっこは一日に何回が正常? 一日10回は多い?!

2022年3月27日に行われた第94回アカデミー賞の授賞式で、濱口竜介監督による「ドライブ・マイ・カー」が国際長編映画賞を獲得しました。この映画の上映時間は、179分です。見終わるのに3時間近い時間が必要です。ヒトは、一般的にトイレへ行く間隔が2~3時間ですので、おしっこを我慢する事が出来る限界の映画と言えるでしょう。この映画は、そんな感覚さえ忘れるような映画だったと思われますが、トイレが近いと感じている人には、見に行くのをためらいそうな長さです。大人の場合、膀胱に溜められる尿量は、200~1000mlと個体差がありますので、尿意を催す頻度は人によって異なります。1回の尿量は200~300mlです。1日の生成量は1200~1500mlが目安とされますので、おしっこの回数は5~6回/日と考えられます。
おしっこへ行く一般的な回数の目安は、

1~2歳 2時間おき   8~12回
3~4歳 2~3時間おき 7~9回
4~12歳 2~3時間おき 6~8回
13歳以降 3時間おき   5~6回
と考えられます。

子供の時は、膀胱が小さいため、回数は多めです。成長するにつれ、回数は減少します。
この他、

便 100ml程度
不感蒸泄500~1,000ml程度の水分が排泄されます。

不感蒸泄(ふかんじょうせつ)とは、発汗以外の皮膚および呼気から自然に行われる水分喪失の事を言います。日本救急学会によると、皮膚から約600ml,呼気から約300ml程度と考えられています。長い時間話をするとのどが渇くのは、呼気から水分が失われるためです。ヒトは、身体を維持するため、体内で多くの生命活動が行われています。尿や便や汗を通して水分が失われます。そのため、排泄されるくらいの水分摂取が、必要です。暑い夏やスポーツをする時などは、汗が出ますので、その分水分を補給する必要があります。必要な量は、体の大きさや年齢によりますので一概に言えませんが、合計すると一般的に2300~2600mlくらいは必要です。汗を沢山出した時は、3ℓ以上必要だと考えられます。水分は、一日1000ml~1500ml経口摂取し、残りは食事で摂取する事が望ましいと考えられます。水分補給が足りているかどうかの目安は、おしっこの回数が1日5~6回以上かと言う事で分かります。4回以下だと、水分が足りていない事を意味します。

また、水分を多く摂取する人はおしっこの回数が1日1~3回くらい多くなります。ビールを飲むと、利尿作用がありますので、飲酒中は頻繁にトイレへ行くようになります。1日10回以上おしっこするという人は、水分摂取過多と考えられます。おしっこの回数が多いという事は、尿を作る時間が長くなるため、腎臓が過剰労働を強いられ疲労します。腎臓が疲労し始めると、腰に痛みや重だるさを感じますので、おしっこの回数に注意する必要があります。また、必要な水分量を全て水分で補給しようとすると、胃が疲れて、胃痛や胃もたれを生じますので、水分の摂取量には注意が必要です。水分摂取量に注意を払っているにもかかわらず、日常的におしっこの回数が4回以下または10回以上の方は、専門医の受診を薦めます。検査の結果、機能が低下している診断であれば、鍼灸治療にて機能回復が可能です。

夜無意識に出るおしっこは何歳まで正常?

お子さんは、言葉を話す事が出来ないうちは、おしっこの意思表示が出来ません。また、トイレでする習慣を教えないと、トイレへは行きません。膀胱の大きさは、

新生児    20~30㏄
1歳     200㏄
2歳~2歳半 250~400㏄
大人   500㏄
というデータがあります。

2~3歳頃になると、大人に近づくのが分かります。おねしょをしなくなる時期は一概に言えませんが、一般的には、言葉を話しトイレの習慣が身に付く3~4歳頃が多いと思われます。お子さんは、寝ている時間が長いので、おしっこを作る量も多くなります。膀胱が大きくなれば、尿を多く貯蔵出来るようになりますので、おねしょをする確率は低くなります。成長する速度は人それぞれですので、小学校に行く前の5~6歳児が、時折おねしょをしても、問題ないと思います。小学校に入学後もおねしょが解消されないときは、夜尿症が考えられます。夜尿症は、「5歳以上で1か月に1回以上の頻度で夜間睡眠中の尿失禁を認めるものが3か月以上つづくもの」(日本泌尿器科学会)と定義されます。7歳児における夜尿症の有病率(病気をもっている人の割合)は10%程度とされています。つまり、小学1年生の約1割が、夜尿症だという事です。専門医の受診を検討する事も選択肢の一つでしょう。

夜尿症の原因は?その対応策はどうしたら良いの?!

7歳頃になってもおねしょが続く場合、大きく二つの原因が考えられます。一つは精神面によるものです。小学生に入学すると、環境の変化から、おねしょをするお子さんがいます。2~3か月経過してもおねしょが解消されないときは、専門医の受診を検討する事も選択肢の一つでしょう。小学生の夜尿症は、学校の環境が適合していないため精神的ストレスが背景にあると考えられます。お子様の話を良く聞いて、悩みの解消に努める事が大切な対応策です。また、鍼治療は、精神に安定をもたらしますので、精神面に原因がある方には有効です。中学生や高校生になっても夜間睡眠時に尿失禁する方は、東洋医療の受療を推奨します。

もう一つの原因は、身体面によるものです。夜尿症のお子さんは、体が冷えています。1年を通じて毎日見られる症状ですので、家庭内環境を検討する必要があります。冷房や暖房の使用方法が適切でない事が原因の場合、その生活を修正すればすぐ解消されます。また、薄着をして生活している場合は、見直しが必要です。鼻水が出ている、咳をする、おしっこが近いようなら、寒さを感じている証拠ですので、長袖、長ズボンにする、厚手の素材に変更するなどが対応策です。寝る前に水をたくさん飲む、冷たい物を常時飲む方は、おねしょをしやすい傾向にあります。体温が低いと、過度に暖房を使用する傾向にあるため、汗をかきやすくなります。その結果、皮膚が開き、その部分から冷気が入り込み、さらに体が冷えておねしょするという悪循環を繰り返している例が少なくありません。水分量の調節も大切な対応策と考えます。

夜尿症のお子さんは寝室が北向きにある?どのような寝室環境が良いのか?!

お子さんは長時間寝ています。1日の睡眠時間は、大人の場合7時間30分を理想としますが、子供は発育のために、もっと長く寝る必要があります。睡眠時間と睡眠の時間帯の目安は以下のように考えられます。

乳児(1歳まで)      12時間  19時~7時の間
幼児(2歳から小学校入学前)11時間  19時30分~7時の間
小学生低学年        10時間  20時~7時の間
小学生中学年         9時間    21時~7時の間
小学生高学年 8時間30分 21時~7時の間
中学生        8時間  22時~7時の間
高校生・大人         7時間30分 22時30分~7時の間

小さなときは、大半を睡眠に要しています。昔から「寝る子は育つ」と言います。そのため、寝室が寒いと、心身の発育に影響を及ぼします。夜尿症でお悩みお子さんは、実に多くの方が、北向きの部屋でお休みになっています。北向きの部屋は日が当たらないため、日中部屋が温まらずひんやりしています。夏の時期であれば、さほど体は冷やされませんが、その他の時期では、体温低下を招きます。乳幼児の睡眠時間は、11~12時間です。一日の大半を北向きの部屋で過ごすと、心身の発育に支障をきたします。北向きの部屋では、いくら暖房しても、植物が育ちません。生物が暮らすためには不向きな場所と言えます。そのため、鍼灸治療を根気良く行い一時的に改善しても、再発症する確率が高い印象です。南向きの部屋に寝室を移すと、翌日からおねしょをしなくなったという回答を戴く事が多々あります。多くの場合、3日から1週間の間に、おねしょが解消されます。おねしょの解消法に、寝室の場所が関係している事を実感しています。また、フローリングの上に直接お布団を敷いて寝ている方にも、夜尿症は頻発します。寝室は、畳の部屋にするか、フローリングに絨毯を敷き、ベッドを置いて床の冷気を感じないようにすれば、夜尿症は解消されると実感しています。東洋医学では、成長に合わせて寝室の位置を変更すべきだという考えがあります。

新生児から19歳頃まで  東南の角部屋
20歳から39歳頃まで   南向きの部屋
40歳以降         西南の角部屋

個人的には、生涯を通じて日が当たる部屋であればどこでも良いかなと思っています。また、頭寒足熱(ずかんそくねつ)と言う考えから、足元を南側にして頭を北側にして寝る事を推奨しています。足元に窓がある場合は、足から冷気が入って来ないように、「掃き出し窓(はきだしまど・窓が床まである)」ではなく「腰掛窓(こしかけまど・窓が腰の高さ)」が理想的です。「掃き出し窓」でお休みになる時は、窓の下側を何かで塞ぐか、ベッドにして寝る位置を高くする等の工夫をすると良い結果が得られます。いずれも、「太陽が当たる暖かい部屋で過ごし体が冷える事を避ける」ことが大切だという考えが背景にあります。

都会は、住宅事情から、日の当たる部屋を寝室にする事が困難だという方が数多くいらっしゃいます。しかしながら、日が当たらない部屋で寝ていると、夜尿症のみならず、妊婦さんにも影響が及び、逆子になりやすい、癲癇(てんかん)のお子さんが生まれやすい傾向に有ります。また、小児や若年層の疾患が悪化しやすい等、弊害が多くありますので、体調が思わしくない方は、寝室環境の検討をしてみて戴きたく思います。お子さんの発育に影響するのは体だけではなく精神にも影響すると考えられています。東洋医学に基づく子育てにご興味がある人は、お母さんのための子育て学をご覧戴きたく思います。

夜尿症に鍼灸治療は最適です

夜尿症は、小学生のみならず成人して以降も見られる症状です。寝室を南向きにして、床を畳にするかフローリングの場合絨毯を敷き詰める等の対策が必要です。それでも改善されない方は、寝間着を厚手のものに変える、敷布団を2枚重ねる、掛け布団を多めにする等の工夫が必要です。寝る前には、冷たいものの飲食を控える必要があります。また、入浴直後に就寝する事も厳禁です。清野が呼称する養正(ようせい)治療は、日常の適正な生活です。詳しくお知りになりたい人は、清野鍼灸整骨院ホームページ「くらしと養生」をご参照願います。

日常生活を見直しても改善されない時は、鍼灸治療や瘀血治療をしてみて戴きたく思います。鍼治療は、精神に安定をもたらしますので、精神活動に原因がある方には有効です。また、体温維持が困難で体が冷たい(36℃以下)方には、灸治療や瘀血治療が有効です。体質改善が可能な東洋医療を是非ご利用戴きたく思います。お子様の体調管理をご希望の人は、お近くの鍼灸院か鍼灸師が勤務している医療機関にお問い合わせをお願い致します。

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