クラウド利用コストをAIで最適化。日立、米国発の「CAST AI」を提供開始
株式会社日立ソリューションズ(以下、日立ソリューションズ)は、米国のCAST AI Group Inc.が提供するクラウドコスト最適化ソリューション「CAST AI」の販売契約を締結し、8月30日(火)より販売を開始します。
DXに伴うクラウドコスト増大が課題
企業DXの一環としてパブリッククラウドによるコンテナ活用が進むなか、利用コストの増大が課題となっているようです。
クラウド環境の利用コストを管理するには、日々のアプリケーションやシステムの稼働状況に合わせ、インフラリソースの最適化を図る必要があります。
しかしそのためには、利用状況の常時モニタリングやリソースを最適化するためのノウハウが不可欠。そのため、情報システム部門での作業負担が大きく、実現困難という企業も多いようです。
インフラリソースのリアルタイム分析と最適化
そこで日立ソリューションズは、「CAST AI」の提供を開始します。
CAST AIは、コンテナ環境(Kubernetes)で使用しているクラウドの利用料を削減するサービス。パブリッククラウドのkubernetesクラスタに接続し、インフラリソースをリアルタイムで分析・最適化します。具体的には、コンテナ環境のノード・サイズ・コストを数分で最適化したり、常時モニタリングでワークロードが必要とするリソースを自動割当てしたり、常時稼働する必要のない開発用のクラスタなどを一時停止したり。
このほか、3ステップで利用を開始できることや、システムのパフォーマンスに影響を与えることなくインフラリソースを自動調整できること、コスト削減の効果を可視化するレポート機能などが特徴でしょう。
スポットインスタンスの運用をサポート
CAST AIは、コンテナ環境のパフォーマンスとコスト最適化にあたり、“スポットインスタンス”を活用します。
スポットインスタンスとは、インスタンスタイプのひとつ。クラウドベンダー側の空き資源を利用するため、通常のオンデマンドインスタンスと比較して安く利用できます。
しかし、クラウドベンダー側のキャパシティの都合により、停止あるいは起動できなくなる可能性があるため、運用にはノウハウが必要。CAST AIは、ワークロードのスケジューリングなどによりスポットインスタンスの安全かつ継続的な運用を実現します。
万が一スポットインスタンスが利用できなくなった場合は、一時的にオンデマンドノードを用意し、ワークロードのスケジューリングをおこなうようです。
(文・Higuchi)
ウェブサイト: https://techable.jp/
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