忘れらんねえよ〈ボッチインジャパン〉55時間完走で大感動のフィナーレ

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忘れらんねえよ〈ボッチインジャパン〉55時間完走で大感動のフィナーレ

【20:10~ぼっちステージ 柴田隆浩スーパースペシャル弾き語りライヴ】

5日間にわたり行われてきた〈ボッチインジャパン〉もついにフィナーレのときを迎えた。ぼっちステージには、これまで18組(8/12(金)3回目の公演の忘れらんねえよはキャンセル)の忘れらんねえよが出演。それぞれが名シーン、伝説のMCを残してきた。そこで生まれたすべての熱量が今、最後の出演バンドのもとへと集まってきた。大トリを務めるのは、忘れらんねえよだ。

フロントマンの柴田隆浩(Vo.Gt)が配信でステージを見守るオーディエンスの手拍子で迎えられた。

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「キター!!ついにキタ!55時間生配信が終わる!アホです。アホですが、みんなのおかげで純粋になれた気がします」

そう言うと、ジャーンとギターを鳴らして始まったのは「CからはじまるABC」。55時間目にして、柴田の声はしゃがれてはいるものの、ものすごく出ている。最後のステージ、ものすごい熱量が炸裂している。〈残された俺たちは 家でボッチン見てました〉と叫ぶ。「ベイキャンプ以来の巨大フェスの大トリ!」と自らを鼓舞する柴田。

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「弾き語りで800分ですよ!?頭おかしい。そんな中で持ち歌のほとんどを歌って、発見もあった」という柴田は、アカペラで力を込めて歌い出したのは、チャットモンチーのトリビュートアルバムのトップを飾ったカバー「ハナノユメ」。最終日に訪れたえっちゃん降臨の奇跡が心を離れないのだろう、曲のエンディングはかなりのエモさが爆発していた。

「バカ企画なのに、なんか泣けそうんだよな。俺もあんたらもぼっちなんだよ。だから、“戦う時はひとり”なんだよ」。〈ボッチン〉の中で弾き語りを何度も聴いた「戦う時はひとりだ」は、ぼっちが世の中に出て社会と戦うときのテーマソングだ。

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「フラれたんですよ。そうするとバンドマンの悪い癖で、曲にしたためてしまうんです。それで発表したくなるんです。送りつけてしまうんですよ」との解説から、新曲「アイラブ言う」を800人の配信視聴オーディエンスの前で高らかに披露。あまりにも愚直で人間臭いラブソングは、“柴田隆浩という人間そのものが歌になったらこうなる”、という典型的な曲ではないだろうか。

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柴田の相棒、グレッチ・テネシアンもおつかれのようで、チューニングが合わなかったりするようだ。それはそうだ。テネシアンも55時間、たった1本で戦い続けている。本当は今日、野音のステージに立っているはずだったおとぎ話、自分たちの日々を送りながら生配信を見てくれたファン、〈ボッチン〉運営スタッフ、そして柴田自身の気持ちが集約された「俺たちの日々」をしゃがれた声で叫ぶように歌う。心が震える名演だった。

相手がいる女性を好きになった友だちがいて、曲だけ作って一緒に飲みながら歌詞を考えていたときにトイレで歌詞が浮かんで出来たという「北極星」。友だちはその後その女性と結婚したというから本当に絶対ないとは言い切れないのだ。

「バンドやろうぜ」を歌って欲しいというリクエストに応えて、歌い出そうとしたそのとき、「そうだ、本当にバンドやろうぜ!?なんで写経とかやってんだ(笑)」と、ライヴ終了間際についに気付いてしまった柴田。弾き語りで55時間歌ってきた結果、「バンドやろうぜ」を聴いたら、やっぱりバンドは最高。だが、〈ボッチン〉での柴田の弾き語りはバンドサウンドに匹敵するほど迫力があって素晴らしかった。

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「いろんなフェスがあるのに、こっちを観に来てるなんて、だっせーやつらなんですよ、みんな」とのフリから、「だっせー恋ばっかしやがって」が歌われた。この曲も、〈ボッチン〉で何度となく登場した曲で、すべての“だっせー恋”をしているぼっちたちだけじゃなく、恋をしていないぼっちたちの胸に届いたはず。

ライヴは予定時間を越えている。忘れらんねえよの出世作といえる代表曲、「この高鳴りをなんと呼ぶ」は、歌い終えてから「55時間やってるから気持ちはいるな~!」と漏らしたほど、情念の籠ったド迫力の歌声だった。

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この後、ハイライトとなるシーンが訪れた。「絶対ないとは言い切れない」を歌っていると、背後に貼った5枚のフラッグの1枚が落下するハプニング。しかしその瞬間、配信では視聴者が1,000人に到達。歌いながら気が付いた柴田は「不吉なのかツイてるのか?どっちなんだ!?」と言いつつも念願の1,000人突破を喜んだ。

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「気持ち良いからもうちょっと歌っていいすか?」と柴田。「だって、(視聴者が)さみしかったときもあったじゃん」と、オーディエンスとスタッフ一同を納得させて、「みんなとお別れだから」と、「別れの歌」で〈じゃあな!〉と別れを告げたはずが、「花火歌っていいすか!?」と、アドレナリンが出まくりで止まらない柴田。フェスの最後に相応しく「花火」を歌で夜空に打ち上げて、チャット欄は花火の絵文字で綺麗に彩られた。いよいよ本当にエンディングへ。

「次の曲で〈ボッチインジャパン〉は終わりです。その前に発表があります」と、〈ボッチン〉でも歌われた新曲「アイラブ言う」を9月5日(月)にリリース&ミュージックビデオを公開することが発表された。またリリースに付随した企画として、サビの一節〈アイラブ言う あなたが好きだと言うのさ〉の「あなた」のところに入れて欲しい名前を、忘れらんねえよのオフィシャルTwitterにリプライすると、その名前を柴田が吹き込んだ弾き語り映像が贈られるというもの(詳細はオフィシャルサイトまで)」

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「忘れらんねえよは、まだまだ前に進みます!」

最後の曲はもちろん、「忘れらんねえよ」。Twitterでの合唱を促して、「ありがとうー!!」と絶叫して、5日間×11時間=55時間(プラス30分)に及ぶ生配信企画〈ボッチインジャパン〉は大団円となった。

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最終日、ライヴのエンディングで配信の1つの目標にしていた視聴者が1,000人を超えた。世の中には、何百万フォロワー、何億回再生という話題が溢れている。それに比べたら、1,000人という数字は微々たるものかもしれない。ただ、忘れらんねえよには、1回の再生で1人ぼっちの心に深く突き刺さって離れない、一生ものの名曲がたくさんある。そういう曲の良さがわかるのは、ぼっちならではの感受性の豊かさがあるからだ。〈ボッチインジャパン〉には、そんな人たちがたくさん集まっていたと思う。今回の企画をきっかけに忘れらんねえよを知った人は、改めていろんな曲を聴いてみて欲しい。きっと気に入る曲が必ずあるはず。視聴者のみなさん、スタッフのみなさん、そして柴田さん、55時間+30分おつかれさまでした。2022年、ぼっちの夏。忘れらんねえよがいてくれてよかった。

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ライヴ情報

〈ボッチインジャパン〉
2022年8月13日(土)20:10~ぼっちステージ
「スーパースペシャル弾き語りライヴ」
出演:忘れらんねえよ
〈セットリスト〉
1. CからはじまるABC
2. ハナノユメ
3. 戦う時はひとりだ
4.アイラブ言う
5. 俺たちの日々
6. 眠れぬ夜は君の名をググるよ
7. 北極星
8. バンドやろうぜ
9. だっせー恋ばっかしやがって
10. この高鳴りをなんと呼ぶ
11. 絶対ないとは言い切れない
12. 別れの歌
13.花火
14. 忘れらんねえよ

忘れらんねえよ情報

・忘れらんねえよ オフィシャルYouTubeチャンネル
https://bit.ly/3CjRpQf 
・Twitter
https://twitter.com/wasureranneyo 

文と写真:岡本貴之

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