「姉さん女房(年下)もいいな」 家族から帰ってほしくない存在だと思い込んでいる長男に失恋を乗り越えた長女が怒るマンガが世話焼きかわいい

勉強を教えてくれた久水悠生先輩のことを高校まで追いかけて両思いになり、同じ大学に通うようになった百合野歩の日々を描いている色のんさん(@iro_ironon)のマンガ『一途ビッチちゃん』(KADOKAWA)。第146話「ケガを放置して怒られる話」では、悠生の兄・遥太と悠生の高校の同級生で片思いを振り切った菊沢あまねの物語になっています。

※参考記事 「なんという破壊力」「規格外の強さ」 一途ビッチな後輩が浮気防止におまじないを仕掛けるマンガが効果高すぎ
https://otajo.jp/108429 [リンク]

実家で料理をしている時に手を切ってしまった遥太。「悠生が生まれてから両親が、よく笑うようになったと子ども心に思った。俺はいつも2人を困らせてばかりで、怒った顔ばかり見ていたから、悠生が少しだけ…うらやまし―」と思っていたところ、「あら遥太、帰っていたの?」と声をかけられ、「帰ってこなくてよかったのに」と言われて……。

と、いうところで目が覚めた遥太。「……夢か…」と思いつつ右手がズキズキと痛み、「恨んでるわけじゃない。むしろ申し訳ないと思っている。俺がいなきゃこの家はもっと幸せにーー」と考えています。

遥太が働くお店に「こんにちはー」とやってきた元バイトのあまね。「おっ、きっくー、いらっしゃ〜い。好きな席座って〜」と笑う遥太の手に包帯が巻かれていることに気づいて、「その手どうしたんですか…!?」と心配すると、「あ、これ? ちょっとドジっちゃって…。大したことないから気にしないで★」と言われます。「でも…」と言いかけるあまねですが、店長から「遥太〜!急ぎのやつ来たっぽいから受け取り頼む!」と声がかかり、「了解っす!」と返します。

「じゃあきっくー、ゆっくりしていってね」と言い残して、荷物に対応する遥太。「けっこういてーな…」と感じつつ、「まぁこれ運ぶくらいなら平気…」と持とうとして、ズキンッと痛みが。「だせーな俺。こんなちいせぇ傷で痛がっちゃって。このくらい気にしなきゃ別に…」と思いつつ、「帰ってこなくてよかったのに」という夢を思い出し、「何で今更動揺してるんだよ」と思っているところに……。

「ぜんぶ自業自得なのに」と自分を責めているところに、「遥太さん!! 手…っ」と腕を掴んだあまね。「あ」と血が滲んでいるのに気づいて「あー、汚しちまったか?」と荷物のことに意識を向け、「えっ」となるあまねをよそに「よかった、無事か…。あ、でも床汚れたかも。ちょっと見てく…」というのをがしっと抑えて……。

「そんなことより、血が出てるじゃないですか!」と怒るあまね。「店長!休憩室借りますね!」「え!?うん!?」「そこちゃんと押さえてください。行きますよ」「きっ、きっくー、でもだいじょ…」「でもじゃないです!」とキビキビ動いて手を引きます。さすが、弟がいるお姉ちゃんなだけあって、長男な遥太にもビシッと有無を言わせません。

前回の「アルバムに自分だけいなかった話」で、悠生と一緒に実家に帰って、自分だけ家族の写真がないことに気付かされた遥太。学生の頃にグレて家を出たという心の棘がまだ抜けていない模様……。

色のんさんは「大切なのは“今”で、“今”の先輩兄を知るうえで重要なところだけ描いていくつもりです」といい、「”過去を描くのは必要最低限”というのを心がけています」と話します。その上で「今回のエピソードで母親が彼に『帰ってこなくてよかったのに』と言いますが、あれはあくまで夢であって、実際に言われたわけではないんですよね。でも彼にとってはある意味、ずっとそう言われているような気持ちなんです。彼にとって家族はどのように見えていて、今はどう思っているのかを、ちゃんと描いてみたいなと思いました」と語ります。

遥太について「報われてほしい」「これ以上抱え込まないで」という声があったほか、あまねに対して「姉さん女房(年下)」「世話焼きお姉ちゃんモードもかわいい」という反応が多数寄せられていた今回のエピソード。「読者さんの“みんな幸せになってほしい”という気持ちが本当に優しくて暖かくて……。先輩兄に見せてやりたいと思ってしまいました。幸せの形も、幸せになれるかどうかも本人次第なので、それぞれの気持ちを大切にしながら描いていきたいです」という色のんさんは、悠生に片想いをしていたあまねを応援する読者についても「お店に普通に訪れているあまねを見て”(失恋を)乗り越えたんだなぁ”と言って下さる声もあって、彼女の成長を見守り続けてくださってることが本当に嬉しかったです。あまねもまだまだ頑張ります!」と話してくれました。

2022年6月16日に単行本第5巻が刊行となった『一途ビッチちゃん』。「5巻はこれまでの巻と少し違う試みをしたので、実はすごくドキドキしていたんです」と明かす色のんさんは、「表紙のメインが二人なのも初めてですし、書籍版の描き下ろしとして歩と悠生以外の子のエピソードを出したのも初めてだったので、もうすぐ発売から2ヵ月経ちますが、やっと落ち着いてきました(笑)。発売からしばらく経った最近も“買ったよ“と報告して下さる方がいらっしゃって、本当にありがたいです」といいます。

歩と悠生だけでなく、他の登場人物たちの時計も動き出しそうだと感じさせてくれた今回の話。まだまだ両親とぎこちない遥太と、吹っ切れたあまねがこれからどういう関係になっていくのか気になるところ。ここに悠生&歩がどう絡んでくるのか見逃せません。

※画像はTwitterより
https://twitter.com/iro_ironon [リンク]

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ふじいりょう

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。

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