ホラー作家8名が記憶や取材をもとに、東京23区26市の最恐「街怪談」を書き下ろし!
みなさんにとって怖いものとはなんですか? 映画に出てくるゾンビやエイリアンも怖いけれど、巷の怪談や都市伝説もなにやら得体の知れない恐ろしさがあるものです。
今回ご紹介するのは、大都市・東京の怖い話を収録した書籍『東京の怖い街』。村田らむさんや住倉カオスさんなど8名のホラー作家が集結し、東京23区と26市にはびこる街怪談や怪異について書き下ろした一冊です。
たとえば、新宿歌舞伎町といえば東京一の繁華街ですが、その片隅に「稲荷鬼王神社」という神社があります。そこは平将門も祀られているというスポット。アニメが大好きなレイバー佐藤さんは、『鬼滅の刃』に最も因縁のある神社だと聞いて訪れてみたものの、遊び半分で立ち入るのはどうかと悩みながらも写真や動画を撮って帰ったそうです。するとそれから毎夜、通り魔に襲われる、死刑になるなどの悪夢に悩まされるように……。さらには同行したカメラマンまで原因不明の首と背中の痛みに襲われてしまったのです。そこでふたりが除霊してもらったところ、「歌舞伎町に浮遊する下等な霊体」がとり憑いていたと言われたのだとか。鬼でも平将門でもなく、巷をさまよう人間の霊だというのがなんともリアル……! 「歌舞伎町という土地柄、禁欲や愛欲に濡れた霊体も多いため、心の弱い人はとり憑かれることもよくあるそうです」(同書より)と記す佐藤さん。にぎやかな歌舞伎町の一角にそんな気場があることに驚くとともに、興味本位での参拝は思いもよらない不運に見舞われることもあることを痛感させられるエピソードです。
ネオン街があるいっぽうで、1400万人の住民が暮らす都市でもある東京。閑静な住宅街が広がる練馬区での体験談を記すのは遠藤マメさんです。短大時代、光が丘に住む友人の一軒家に遊びに行き、小学生時代の卒業アルバムを見せてもらったところ、彼女はある奇妙なことに気づきました。クラス全員が写っているカラー写真のうち、ある女子生徒一人だけが白黒なのです。なぜかと尋ねた遠藤さんに、友人が答えた衝撃的な事実とは……。
このほか、銀座「怨念渦巻く夜の街」、元麻布「顔の崩れた男」、板橋「ゴミ屋敷の孤独死」、八丈島「奇妙な怪事件」など各区、市別に100以上の街怪談を収録。
「住みたい街の常連に出てくるあの街にも、無数の人が集まる歓楽街のあの街にも、闇はあります。無数の怖い街が蠢いています」(同書より)
私たちが住んでいる、よく出かける街がズラリと並んでいて、日常と隣合わせの恐怖に思わずゾッとしてしまいます。うだるような暑さが続くこの季節。同書で背筋を凍らせて体感温度を下げる……なんて涼み方も一興かもしれませんね。
[文・鷺ノ宮やよい]
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