「30年目でオワコン興行」 2000万円譴責処分を受けた浦和レッズサポーターのJリーグ批判横断幕掲示が物議
2022年7月30日に埼玉スタジアム2002で開催されたJ1浦和レッズvs川崎フロンターレ戦は、3-1でレッズが勝利しましたが、試合終了後にサポーターがJリーグを批判する横断幕を掲げて物議を醸しています。
試合後の横断幕 pic.twitter.com/wsBdnz2D5O— うらわのわ (@urawanowa) July 30, 2022
横断幕に掲げられた言葉は、以下の通り。
「悉く世界基準に逆行するリーグからは熱狂も客も消えていく30年目」
「フットボールに情熱を戻す決断は誰の責務?PRIDEを奪われたサポーターを無視して忖度を続けた結果、失ったものは何?」
「同じ方向を向いた先にある熱狂なきスタジアムがJの理想の姿?」
「馴れ合いを求めるJリーグから生まれるものとは」
「百年構想?30年目でオワコン興行」
Jリーグは、2022年7月26日に開いた裁定委員会で、2022年5月21日のホーム鹿島アントラーズ戦試合前と、2022年7月2日アウェーガンバ大阪戦試合中において、レッズサポーターが新型コロナウイルス対策ガイドラインを破って集団で声を出し応援をマスク着用なしにした事に対して、譴責と罰金2000万円を課しました。
理由として、2020年10月31日の大分戦で同じ行為を行なって譴責および罰金300万円が課されたにも関わらず、各違反を繰り返していたと指摘。また、2022年5月のサンフレッチェ広島戦と横浜Fマリノス戦で「フットボールに情熱を戻す決断は誰の責務?PRIDEを奪われたサポーターを無視して忖度を続けた結果、失ったものは何?」の横断幕を掲げていたことに対して、「ガイドラインに違反して声出し応援等を行うおそれがあることが十分予見できた。それにもかかわらず、サポーターに対する十分な啓発や声出し応援を制止するための体制整備を行った形跡がおよそみられなかった」としており、サポーターの声出し応援が「看過できないものとなっている」と厳しく再発防止に務めるように求め、「浦和レッズが再びサポーターの行為に起因する懲罰事案を発生させた場合、無観客試合の開催又は勝点減といった懲罰を諮問する可能性があることを付言しておく」としていました。
また、清水エスパルスは2022年7月29日に「浦和レッズ戦での違反行為について」というプレスリリースを発表。
浦和レッズ戦での違反行為について(清水公式) https://t.co/swdeb304gQ #spulse— 清水エスパルス速報2022 (@spulse_sokuhou) July 29, 2022
エスパルスによると、レッズサポーターが以下の違反行為をしていたとして、「観戦ルールの順守および新型コロナウイルス感染症防止への協力が得られず、誠に遺憾に思います。今回のサポーターによる違反行為については、Jリーグで定める統一基準に照らし合わせ対処して参ります」としています。
①Jリーグ新型コロナウイルス感染症対応ガイドラインへの違反行為
サポーター中央の集団でマスクを着用せず応援を続ける行為。
※ビジター内スタッフが注意しても聞き入れられず、浦和レッズスタッフから注意頂くも試合終了後まで改善されることはなかった
②喫煙禁止場所(場内)にて喫煙、吸い殻の投げ捨てが行われた。※スタジアム場内全面禁煙
③弊クラブ選手・スタッフに対しての威嚇行為(罵声・怒声など暴言)・運営妨害行為
④おもいやりシャトルバス内での乗車のお客様に対して危険・挑発行為
⑤通行を認めていない車両2台が試合日管理エリアへの不法侵入、違法駐車。対応した警備員の制止を振りって進入した危険行為。
その後、同サポーター2台が、近隣の私有地駐車場に許可なく駐車し、通報を受ける。
⑥ごみの不法投棄(場外指定電子喫煙所内の灰皿上部を外し、灰皿内にゴミの廃棄を行う)
⑦ビジター2階席最前列中央部で、クラブパートナー看板に横断幕を掲出し覆う行為。
前述の懲罰は、エスパルス戦は対象となっておらず、今回の横断幕と合わせてJリーグ側がどのような対応をするのか気になるところですが、2022年8月10日にホームで開催されるYBCルヴァンカップ準々決勝名古屋グランパス戦は「声出し応援運営検証対象試合」になっており、予定どおりに検証試合となるのか注目されます。
レッズサポーターは、これまで度々横断幕で選手への叱咤激励やチーム運営への不満を示していましたが、2013年には2シーズン制に対する反対の横断幕を出すなどリーグへの批判的な姿勢の人も多いことが背景にあります。ただ、2014年に人種・民族差別を思わせる横断幕を出して、無観客試合を実施の処分を下されており、他サポーターから見る目が厳しいことも事実といえるでしょう。
浦和レッズはJリーグからの処分を受けて、立花洋一代表がサポーターに「私たちの今の姿は、さいたまサッカー110年の歴史に、『サッカー王国』の名に、そして浦和のプライドに相応しい姿でしょうか。私たち全員が、浦和レッズの一員であることを心から、胸を張って誇れる状態でしょうか」と問いかけ、「サポーター、クラブ相互の理解と協力、そして社会の一員としての責任ある行動が不可欠であると考えております」と呼びかけていました。
その中での今回の横断幕は、レッズのサポーター・クラブフロントの関係だけでなく、Jリーグ全体のあり方を問われることになりそうです。
ファン・サポーターのみなさまへ(浦和レッズ公式サイト)
https://www.urawa-reds.co.jp/clubinfo/189008 [リンク]
乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。
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