セ界1強のヤクルトはいかにして「平成史上最悪のドラフト」を克服したのか

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セ界1強のヤクルトはいかにして「平成史上最悪のドラフト」を克服したのか

 オールスターも終わり、プロ野球も後半戦に突入です。混戦のパ・リーグとは対照的に、セ・リーグは首位ヤクルトが2位・阪神に11ゲーム差をつけての独走状態。マジック41も点灯しており、このままリーグ2連覇のゴールテープを切るのは疑いようがない状況です。

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 高津監督は名将・野村克也監督の門下生。厳しさと人情味を併せ持ち、シーズンを通していかに選手個々がパフォーマンスを発揮できるか、勝負の秋から逆算していくその卓越したマネジメント能力には定評があり、4番・村上宗隆を中心に打線も強力。死角は見当たりません。

 そして、あるセ・リーグの編成担当者は、そのV字回復ぶりをこう評価するのです。

 「わずか5年前の2017年、真中監督率いるヤクルトは球団ワースト記録となる96敗を記録して、借金51の最下位に沈んでいた。それをわずか4年でリーグ優勝に導き、今年は連覇間違いなしというんだから、やっぱり凄いですよ。8年前には『平成史上最悪のドラフト』もあったわけじゃないですか。本来なら今頃、その負の遺産がチームを苦しめてもおかしくないのに、それも克服したわけだからね」

 ヤクルトの黒歴史「平成史上最悪のドラフト」とは、いったいどんな内容だったのでしょうか。

 指名された選手は以下の通りです。

1位 竹下真吾投手(ヤマハ)
2位 風張蓮投手(東農大北海道)
3位 山川晃司捕手(福岡工大城東)
4位 寺田哲也投手(四国IL香川)
5位 中元勇作投手(伯和ビクトリーズ)
6位 土肥寛昌投手(ホンダ鈴鹿)
7位 原泉外野手(第一工大)
育成1位 中島彰吾投手(福岡大)

 通常、ドラフト指名選手は約半分が1軍のメンバーに入り、そのうち1、2人がレギュラー格に躍り出るものです。

 しかし、結果は残酷でした。

1位 竹下投手 2017年に戦力外
2位 風張投手 2018年に2勝。2020年に戦力外通告
3位 山川捕手 2019年に戦力外
4位 寺田投手 2016年に戦力外
5位 中元投手 2016年に戦力外
6位 土肥投手 2017年に戦力外
7位 原外野手 2017年に戦力外
育成1位 中島投手 2016年に支配下登録も、2017年に戦力外

 2位の風張投手を除き、投手は全員がプロ未勝利という結果に終わったのです。

 前述の編成担当者は続けます。

 「この年のドラフトからは巨人の1位・岡本和真やDeNAの1位・山崎康晃ら、各球団とも主力級が生まれています。それに対してヤクルトは結果的に惨敗を喫しながら、それを感じさせない布陣をその後のドラフトで築きあげた。戸田の2軍での育成力も含めて、立派なものです」

 過去のドラフト大失敗も、今となってみれば笑い話。そう胸を張れるほどの強かさが、今のスワローズにはあると断言できるでしょう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]


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