政治的及び社会的な抗議や要求の主張を掲げ集まる民衆の背後にあるもの。ティモ・ハーブストとマーカス・ネベのコラボレーション「Play by rules」
ドイツ人アーティストのティモ・ハーブストとマーカス・ネベのコラボレーション、プレイ バイ ルールズ(Play by rules)は5画面のビデオインスタレーションを中心とした展覧会。
彼らの展覧会では、観客は会場に足を踏み入れた瞬間、政治的及び社会的な抗議や要求の主張を掲げて集まっている民衆の集会の真只中に引きずり込まれる。
5画面に映し出される抗議集会は、同一の場所や国ではない、また同じ主張の為に集まっているのでもない。しかし、大声をあげ、泣き叫び、怒りを表す感情的な行動や暴力的な振る舞いはどの画面でも同様に見られる。
これらの民衆の背後にあるものは何なのか、人々は何に立ち向かい怒りをぶつけているのか、そのことだけをハーブストとネベは映し出そうとしているのではない。
携帯電話の普及で写真や動画を撮ることが誰にでもできるようになった現在、テレビ番組制作者、ライブレポーター、ブロガー、活動家、扇動者、挑発者、批評家などが描き出すそれぞれの映像は、多角的な視点を主張し、解釈の主権を考えあぐねいている。
このことは、ウクライナとロシアの戦争でも顕著になった。
独裁者政権に立ち向かう西側諸国のリポーターが映し出す映像と、それとは異なる内容のプロパガンダ映像を国内で流し続けるロシア、どこでどのような映像を見せられるかによって個人の感情や意識は変わっていく。
現代の私たちは、世界で起きている現実の出来事の映像を即時に家のお茶の間で簡単に見られるようになった、しかしそれと同時に、それらがプロパガンダや偽りの映像であるかどうかも吟味してかからなくてはならなくなったのだ。
展覧会では、ビデオインスタレーションとともにティモ・ハーブストによる15世紀ドイツ語圏の国々の、公共空間における抗議の記憶を視覚的に表現したドローイングも展示される。
ティモ・ハーブストとマーカス・ネベのコラボレーション「Play by rules」
2022年 8月12日 ー 2022年 9月16日
休廊日 :月曜、火曜日
開館時間:水曜日、木曜日:事前のご予約のみ
予約は[email protected]から
金曜日、土曜日、日曜日、13時から19時
*この展覧会は、ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川とifa(ドイツ対外文化交流研究所)からの支援で開催。
*8月12日のオープニング当日は人数を制限しての入場になる。
ご希望の時間(14時から1時間毎、19時まで)とお名前をご記入の上、メール([email protected])までお申し込みください。
LOAF
Laboratory of Art and Form
京都市上京区米屋町286-13
郵便番号602-8034
油小路通より路地入る
[email protected]
www.loaf-jp.com
《イベントのご案内》
展覧会アーティストが8月13、14日に会場で作品の説明を行います。(英語、ドイツ語)
時間:14時と17時(要予約)
ご希望の日にち、時間とお名前を明記の上、メール([email protected])にてお申し込みください。
*人が密にならないように、場内では人数制限させていただく場合があります。
都市で暮らす女性のためのカルチャーWebマガジン。最新ファッションや映画、音楽、 占いなど、創作を刺激する情報を発信。アーティスト連載も多数。
ウェブサイト: http://www.neol.jp/
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。