いつの間にかライオンズファンの聖地になっていた地元のラーメン屋「そうすけ」(東京・清瀬)で台湾まぜそばを食べる
西武池袋線清瀬駅の北口から降りてすぐの場所に「ラーメンそうすけ」という老舗のラーメン屋があります。
そうすけは清瀬育ちの僕にとって馴染みのあるお店のひとつ。なんせそうすけの創業は昭和31年。僕が生まれた頃(昭和55年)にはすでに同じ場所にお店があり、昔の駅前の光景を思い浮かべたらそうすけも必ずセットで登場するわけですから。
ところが、当時は「ラーメンそうすけ」ではなく「レストランそうすけ」という洋食店だったということを知っている人はあまり多くないかもしれません。
「レストランそうすけ」はいつの間にかラーメン専門店へとリニューアルし、さらに最近ではなぜか埼玉西武ライオンズファンの聖地として親しまれている模様。ラーメンは何を食べても美味しいから今もよく食べに行ってるけど、よく考えると知らないことが多いお店でもあるんだよなあ……。
ラーメンそうすけに取材を申し込んでみた
きっとこれからもそうすけを利用し続けるだろうし、せっかくだから一度ちゃんとそうすけの話を聞いてみたい……。ってことで、勢いで店長の佐々木さんに取材をオファー。ご快諾していただけたので、珍しくかしこまってそうすけの店内へと足を踏み入れました。
普段は飲んだあとの締めのラーメンをそうすけで食べることが多いので、店内をそんなにじっくりと眺めたことがなかったのですが、ショーウィンドウの中にはライオンズグッズが所狭しと並べられています。そして、そのほとんどがライオンズのキャプテン・源田壮亮選手のグッズ!
そうか、源田壮亮(そうすけ)選手と店名(そうすけ)が同じだから、源田選手を推してるのか!
で、この「そうすけ」という店名は店長の名前などから来ているのかと思いきや、実際に話を伺ってみると全然違ったので笑ってしまった。
▲創業当時のそうすけ(佐々木店長提供)
現在の店長の佐々木哲志さんは3代目で、昭和31年の創業当時の店長も、2代目の店長も別に「そうすけ」という名前ではなく、店名は佐々木店長の義祖母の親戚が昭和30年頃に新宿でやっていた「そうすけ」というお菓子屋さんから取ったのだとか。いくらなんでも遠すぎでしょ!笑
とはいえ佐々木店長は筋金入りのライオンズファン。それを店舗で明かしてしまうと敵を作ってしまうという理由から、店を継いで以来ライオンズファンということは一切隠して営業を続けていたそう。ところが2016年に店舗名と同名の源田選手が入団したことをきっかけに、いよいよ我慢しきれなくなった佐々木店長は、ライオンズと源田選手を全力推していくスタイルに変更!
すると、それまではライオンズファンがわかりやすく入店してくることなどなかったのに、いつの間にか試合の前後にはライオンズのユニフォームを着たお客さんが全国から集結するように。清瀬駅は西武池袋線の急行が止まらず、急いでベルーナドームから帰りたい人は絶対に降りない駅なのに、わざわざ清瀬に止まる電車に乗ってそうすけに寄っていく人も多いのだとか。
乗換駅にそういうファンの聖地ができるのはわかるけど、完全にそうすけ目当てで途中下車してまで寄る人がいるというのはすごい!
メニューが豊富でちゃんとウマいから通いたくなる
そんなそうすけのラーメン屋としての特徴はメニューの種類が豊富なことでしょうか。実は佐々木店長が店を継いだ当初は味の評判がイマイチで、ネットを調べたら「多摩地区で一番マズい」と書かれてしまっていたこともあるんだとか(信じられない!)。
これはヤバいということで、店を継ぐ前に飲食業界で働いた経験を活かしてメニューを一新。最初は醤油ラーメンと餃子くらいしかない状態からスタートし、少しずつ新メニューを取り入れていった結果、その数がかなりの量になったのだそう。
その中で僕が好きなメニューは豚骨つけめん、味噌ラーメン、焼きラーメン、台湾まぜそば、二郎系のがっつりラーメン、餃子定食、期間限定のカレーラーメン、担々麺……いやいや、ほんと挙げたらキリがない!
イチオシの「台湾まぜそば」を食べちゃうぞ
せっかくだから佐々木店長がイチオシするメニューを食べてみようということで、オーダーすることになったのが「台湾まぜそば」。
今では台湾まぜそばを出しているラーメン屋も珍しくなくなってきたけど、そうすけではブームが始まってすぐメニューに取り入れていたんだよなあ。こういう新メニューに対するフットワークの軽さと、それをちゃんとそうすけ色に染めて提供してるところこそが一番の魅力なのかも。
麺の上に美しく盛り付けられたミンチ肉、ねぎ、たまねぎ、ニラ、刻み海苔、にんにく、卵黄。これをもったいないけど、グチャグチャにかき混ぜてから、いただきま~す!
そう、これこれ! もっちりした麺にどっぷりと絡む濃厚ピリ辛なタレ! タレが絡むことでただでさえのどごし抜群な麺のツルツル感はフルスロットル。服にハネちゃうことも気にせず全力ですすりたくなっちゃうんだよな。うーん、うまい!
あと、そうすけのラーメンは基本的に味がガツンと濃い目なところが最高なんだけど、台湾まぜそばは確かにそうすけの魅力を最も余すところなく堪能できるメニューなのかもなあ。だってタレが濃い目だから、シメの追い飯も激ハマり!
もはやこの追い飯を食べるために台湾まぜそばを食べてると言っても過言じゃないかもしれないし、なんなら最後にスープで口直しするところまでがそうすけの台湾まぜそばのフルコース!
そりゃあ都会の一等地のラーメン激戦区で食べるような繊細さはないかもしれないけど、だからこそ味わえる美味しさなんだよな。今日も最高でした!
いつか源田選手に食べに来てほしい
その後も瓶ビールをいただきながら佐々木店長といろいろお話させていただきましたが、やっぱり期待したいのは源田壮亮選手のご来店。佐々木店長によると、知り合いが源田選手と話をしたときにラーメンそうすけの話題になり「まだそうすけに行けていないんですよね」なんて話してくれていたのだそう。すでにご本人から認識されているんですね!
また、60年以上続けてきた店だからこそ、はるか昔に来たことのあるお客さんが数十年ぶりにやって来て「懐かしい」と喜んでくれることも多いのだとか。「だからこそこれからもずっと続けていくことが大切」だと佐々木店長は言いますが、続けていればきっと源田選手の感動のご来店も実現することでしょう!
ライオンズファン以外の方も、清瀬にお越しの際にはぜひどうぞ!
店舗情報
ラーメンそうすけ
住所:東京都清瀬市元町1-10-13
営業時間:11時~23時
清瀬のそうすけです本日よりリニューアルオープンとなりますそうすけ66年目。綺麗なお店、新メニューでお待ちしてます pic.twitter.com/KvhBVfGcxh— そうすけ【清瀬】 (@SousukeKiyose) April 9, 2022
(執筆者: ノジーマ)
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