歯周病によるがんや認知症リスク。高齢者の歯周病予防に大切なケア

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歯周病によるがんや認知症リスク。高齢者の歯周病予防に大切なケア
目次
歯周病はがんや認知症の原因となる可能性がある全身の病気の関係歯周病予防にはプラークコントロールが大切

歯周病はがんや認知症の原因となる可能性がある全身の病気の関係

歯周病に関連する病気として、糖尿病や動脈硬化症疾患は以前より知られていました。しかし、最近はがんや認知症にもかかわりががあるのではないかと言われはじめています。

歯周病の腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)への影響

腸内の次に多くの細菌が存在しているのが口腔です。口腔内の細菌は唾液と一緒に飲み込まれ、その多くは胃酸や胆汁酸の影響により、死滅すると考えられています。

問題は、唾液の細菌叢(細菌の集団)が健常な人と、歯周病がある人とでは大きく異なることです。

人間は1日に1~1.5Lの唾液を分泌し、飲み込んでいます。その際、唾液と一緒に多くの細菌叢を飲み込んでいることになります。

歯周病である人の細菌叢は、胃酸や胆汁酸にあまり影響を受けずに腸まで届き、腸内細菌叢に悪影響を及ぼすことが示唆されています。特に、バイオフィルム(微生物の集合体)は、胃酸などへの酸耐性がかなり高くなります。

さらに歯周病の人は、細菌叢を毎日飲み込むことで腸内細菌のバランスが崩れ、腸管バリア機能の低下や免疫系の異常が生じる可能性があります。

それにより腸炎を悪化させるため、大腸がんの発症とも関係があるのではないかと推測されています。

歯周病の認知症への影響

認知症の原因疾患として最も多いのが、アルツハイマー病です。主な特徴は、脳内で作成されるタンパク質のアミロイドβの蓄積と脳の炎症です。

健常な人の細菌は、脳に入らないようになっていますが、歯周病菌や歯周病によってつくられた毒素性の細菌は、血流や腸管を介して脳に移行するのではないかと考えられています。

また、脳内に入った歯周病菌などはアミロイドβの蓄積に関与し、脳の炎症も悪化させるのではないかと考えられています。そのため、歯周病菌がアルツハイマー病の発症に関係している可能性があります。

歯周病予防にはプラークコントロールが大切

初期段階の歯周病は、自分では気づけない人が多いです。しかし、起床時に口の中がネバネバしたり、口臭がする場合は、すでに歯周病が始まっています。

また、健康な歯肉の色は薄いピンク色ですが、歯と歯ぐきの境目が赤く腫れたり、触れると出血したりすることも歯周病と判断するポイントです。

歯周病が進行すると、歯を失ってしまう可能性もあります。

日々のプラークコントロールが重要

プラーク(歯垢)は歯周病の原因となるので、口腔内の環境を正常に保つプラークコントロールが大切です。具体的にはプラークの除去や歯への付着を予防することを指します。

ブラークを放置しておくと、石灰化し、灰白色の石のような硬いかたまり(歯石)となってしまいます。

歯石があると、歯に汚れが付きやすくなるほか、歯ブラシでは落とすことができないため、歯科での専門的口腔ケアが必要になります。そのため、日々の口腔ケアでプラークを取り除くことが重要です。

加齢とともに歯間が広くなることが多いので、歯の間に食べ物が残りやすくなってきます。高齢者は特に注意が必要です。

ですが、歯ブラシだけでは歯間を十分にケアすることは難しいものです。今まで、歯間ブラシやデンタルフロスを使用されていない場合は、これからは使うようにしていただきたいと思います。

要介護の方に介助として口腔ケアをする場合は、デンタルフロスの使用は難しいことが多いため、歯間ブラシを中心に使用すると良いでしょう。

歯間ブラシにはSSS、SS、S、M、Lなどさまざまなサイズがあります。個々の歯間に適したサイズを選びましょう。もし迷われたら、小さいSSSから使ってみるのも良いでしょう。

また、プラークコントロールには定期的な歯科受診をおすすめします。往診される歯科も増えてきていますので、少なくても年1回は要介護の方も定期健診が受けられるように、かかりつけの歯科をもちましょう。

生活習慣を整えましょう

歯周病予防には生活習慣を整え、免疫機能を高めておくことも大切です。栄養状態の低下、不眠、運動不足、ストレスなどは免疫機能を低下させる要因となります。特に以下のことに注意してみてください。

栄養が十分にとれているか夜は良く眠れているか適度に体を動かしているかストレスの高い環境にいないか

また、喫煙も歯周病が関係していることがわかっています。ただし、高齢者の中には長年喫煙を続けており、禁煙することで強いストレスを感じる人もいます。過度なストレスがかからないように気をつけましょう。

ステロイド薬など、免疫力を低下させやすい薬を服用している場合には、歯周病が進行しやすいため、より慎重に口腔ケアを行うようにしてください。

腸内環境を整えましょう

腸内環境を整えておくと、免疫力が保たれ、唾液とともに歯周病菌叢を飲み込んでも、全身への影響を最小限にとどめることが期待できます。

日本人は、昔より日常的に味噌汁、納豆、漬物などの発酵食品を多く取り入れた食事を行ってきました。発酵食品は腸内環境を整える効果が期待されています。

特に、便秘しやすい人は、腸内環境が乱れている可能性が高いため、食生活を見直すことも大切です。

免疫力を高める発行食品などを積極的に取り入れよう

歯周病は予防がとても大切です。日常的にプラークを取り除ける口腔ケアを実施し、生活リズムを整え免疫力を保つことを心がけていきましょう。

今回は、一般的な歯周病と全身の病気との関連や、歯周病の予防行動についてお話ししました。歯周病は知らない間に進行していることもあります。ぜひ、定期的な歯科受診も忘れないようにしてください。


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