仮想通貨取引所からのビットコイン流出が増加 弱気相場でポジティブな兆候

仮想通貨の弱気相場は痛みを伴うことで知られているが、6月は特に仮想通貨信奉者にとって試練の月となった。6月は様々な要因が重なり、ビットコイン(BTC)の価格は37.9%下落し、2011年以来最悪の月間パフォーマンスだった。

Bitcoin monthly performance. Source: Glassnode.
ブロックチェーン分析会社のグラスノードによると、弱気な値動きが続いた結果、ビットコインの「観光客」の大半が逃げ出し、最も熱心な長期投資家だけが残ったとのことだ。
仮想通貨トレーダーは現在ビットコイン史上最悪の弱気相場を経験しているという事実にもかかわらず、いくつかの指標は、先行きが一部の人が予測しているほど悲惨ではなく、仮想通貨市場のホドラーの基盤は依然として強固であることを示唆している。
ホドラーの数は増加
グラスノードによると、アクティブなビットコインウォレットの大幅なパージは、弱気相場だけでなく、大きな売り切りイベントの際にもよく起こることだという。しかし、2018年の弱気相場以降、流出の深刻さは減少しており、「平均的なビットコイン参加者の間で、決意のレベルが高まっている」ことを示していると、グラスノードは述べている。
アドレスが減少した最近のケースで、その残高がゼロとなったアドレスの数を見てみよう。2021年4月から5月の間はアドレスの2.8%、2018年1月から3月の間のなんと24%がその残高がゼロとなったが、今回のケースでは1%だけだった。

Number of Bitcoin addresses with a non-zero balance. Source: Glassnode
ビットコインのオンチェーン活動は依然として鈍く、弱気相場の領域にあることは確かですが、熱心なビットコイン保有者は、市場の混乱が収まり、BTC価格の底値が確立されるまで、撤退することはないだろ
「鍵を持たぬ者は、コインを持たず」
トレーダーが取引所からトークンを大量に引き出していることから、「鍵を持たぬ者は、コインを持たず」という理念が再び仮想通貨コミュニティで支持されるようになってきている。テラエコシステムの崩壊、セルシウスの債務超過の可能性、スリーアローズ・キャピタルlの崩壊はすべて、仮想通貨は「冷凍保管」されるべきことを思い出させるものだった。

Bitcoin exchange net position change. Source: Glassnode
2020年3月以降、取引所が保有するビットコインは315万枚から240万枚に減少している。これは合計75万BTCの流出で、そのうち14万2500BTCは過去3ヶ月で発生したものだ。
セルシウスのようなプラットフォームが出金を停止し、小規模な取引所ではユーザーが出金できる量に制限が設けられ始めている。そのため仮想通貨の個人的な管理を取り戻したいというのが投資家の最大の関心事になっている。
トークンがコールドウォレットに保管され、取引所で容易に売却できなくなれば、さらなる投げ売りの可能性が減少することになる。そのため、この動きは長期的には価格にとってプラスに働くと考えられるだろう。
個人投資家の関心復活か
ビットコイン史上最悪の月となった今、もう一つ心強いのは、仮想通貨市場の個人投資家層を代表する、1BTC未満のウォレットからの関心が高まっていることだ。
これらのいわゆる「エビ」ウォレットは、グラスノードによると1ヶ月あたり6万460BTCという「史上最も積極的」なペースで低価格のビットコインを熱心にすくい上げている。

Bitcoin shrimp wallet net position change. Source: Glassnode
仮想通貨が弱気であるにもかかわらず、仮想通貨ホドラーの専門家集団や個人投資家からの関心の高まりなど、いくつかの基本的な指標は、「ビットコインの死」を求める声が時期尚早であることを示唆しているといえるだろう。
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