インタビュー:『ミニオンズ フィーバー』で尾野真千子が演じる“極悪”キャラに記者も鳥肌!

ミニオンズシリーズの最新作『ミニオンズ フィーバー』が2022年7月15日(金)全国公開となります。

「ミニオンと怪盗グルーのはじまりの物語」とも銘打たれた本作では、ミニオンたちが一人の少年グルーをボスに選んだ理由、そしてグルーがどのように大悪党になったのか、が描かれています。

今回は、そんなはじまりの物語を彩る、超個性的な新キャラクターの一人である悪党チームのリーダー、ベル・ボトム役を演じた尾野真千子さんにインタビューしてみました。

存在感を出すためにした<あること>

─『ミニオンズ フィーバー』、そして尾野さんのベル・ボトムを拝見させていただきました! まるでベル・ボトムというキャラクターの生い立ちまでが見えるような演技で、存在感がすごかったです。本当にベル・ボトムっていう人がそこに居て、声を発している感じすらありました。
あの存在感を出すために、尾野さんがお立ち台に立って、高いところから声を出したらうまくいった、っていう話を別のところで聞いたのですが?

尾野真千子さん(以下、尾野)そうなんですよー(笑)。声優さんとは違って、最初、私の声が“棒”になっちゃってたんですよ。感情を入れても、(録ったのを)聞くとなんか結局棒読みに聞こえる。

「あ、これじゃダメになる!」って思って、なんかいい方法はないかな?って考えたんです。このベル・ボトムって人はこういう(気位の高そうな)人だからと思って「一回、椅子とかに乗ってやってみてもいいですか? 」って言ったんですね。そしたら変わった! 変わったみたい! ってなったんです。そこから「この方法いいですね!」ってことで、最終的にああいう演技になったんです。
自分が情けないから、だんだんそういう風に変わってきたっていうだけなんですけれども……でも、今はもっとできたなと、思ってます(笑)。

─尾野さんの解釈でベル・ボトムってどんな人ですか

尾野:監督からもベル・ボトムっていうのは、もう常にこうビートを刻んでいるような、常に音楽がそばにあって、リズムを刻んだり、ビートを刻んだりしている人、って聞いていました。でも、まあ本当の悪党ですからね。なんかこう鶴瓶さんのグルーって悪党なんだけど、なんか優しさがあるというか、それが見えてくるじゃないですか。

─わかります。グルーのちょっとしたユルさというか

尾野:でもベル・ボトムはなんか悪党に徹するみたいな。常に悪党ですよね。優しさの見えない悪党というのか、なんだかそういう感じですね。

─尾野さんの中にベル・ボトムとの共通点ってありますか。

尾野:憧れはあります。やっぱりその俳優である以上、そういうものやりたいっていうことはあるので、それこそヤクザものをやってみたいとか、そういう気持ちがあったりとか。なんか、だから共通っていうか憧れがあるんです。

共通点は実際に見ていただいて、もうどうぞお好きに(笑)。皆さんがご覧になって「あ、ここに似てる! 」って思ったらそこがそうです(笑)。

尾野真千子がミニオン作品を通して得た気づき

─その憧れがある中で演じてみて、今回なにか発見はありましたか

尾野:んー、……自分のお芝居が今までこう身振り手振りで芝居をするってことはなかったんです。だけど、(実際のお芝居で)手の動きで(大ぶりのジェスチャーを)こう表すと外国人みたいじゃないですか?

─確かに

尾野:だけど、この作品って身振り手振りをこうやって、(ジェスチャー込みで)こうやって喋らないと全然抑揚がつかないですよね。「ねぇえ?⤴」みたいなね(笑)。

─うわぁ!(※ベル・ボトムが急に出てきて驚く記者)

尾野:だけど、こう(身振りを)やらなかったら(平坦な) 「ねえ 」になってしまう。

─確かにそうですね
(※内心、まだドキドキ)

尾野:だから私、そういう自分は知らなかったんです。こういうことができる自分は、何なら恥ずかしいとすら思っていたので。でもそうやっていい作品ができるんだ、素晴らしいんだっていうことが発見です。

─確かに今、尾野さんのベル・ボトムを生で聞いて、鳥肌立ってます(笑)

尾野:なんかね、(画面内のキャラクターの)顔見てると言ってるんですよね。やっぱり「ねぇえ?⤴」って言ってるんですよね 。(平坦に)「ねえ 」とは言ってないんです。だからそういうのだったら後で見るといっぱいあったんですよ。もっとやればよかった。

─終わってから改めて「できたなぁ」っていう

尾野:スタッフさんには「言葉で遊びなよ」って言われたんですよね。で、当初、その意味が私にはあんまりよく分かっていなくて、「遊ぶ 」ってどう「遊べば」いいんだろう? って思ってたんです。
自分でやってるつもりだけど、遊べないんですよね。最初はもう「言う」っていうことにすごく必死になってしまって、文字を追っかけるだけというか。終わって出来上がったものを見て初めて「遊ぶってこういうこと?」って気づきました。
市村(正親)さんとか(笑福亭)鶴瓶さんとか渡辺(直美)さんとかのを見て、「そういうことかぁ」と思ってね……。

─それでも、途中でそれに気が付きながらもあの完成度です! 更に尾野さんのすごいのがあるのなら、それも見てみたい気持ちです

尾野:ね! だから次、出してって思いますよ。もう1回(ベル・ボトム)出てきておくれと思います。

─観たいですね! すごく観たいです

尾野:だから、それは忘れちゃいけないですよね。その心、気持ちをね……覚えておこう。

─話は変わりますが、尾野さんがミニオン軍団従えたら何させたいとかありますか?

尾野:そうね……あぁー!ピクニック行きたい!

─それ、絶対楽しいですよね。ワイワイワイワイ(笑)

尾野:悪党だったら何か盗みたいとかあるでしょうし、グルーみたいに大泥棒したいけど、でも私はピクニック行きたい(笑)。

ミニオンとの運命的な導き

─尾野さん、実はミニオンが元々お好きだったそうで

尾野:本当、運命でしたよ! なんかね、そのお話いただく本当1年、─いや、もうちょっと前ぐらいからなんかね、グッズを手に取るようになったり、映画で観てたり。で、ファンの人からミニオンのグッズもらったり、事務所の先輩からもグッズもらったり、気づいたら身の回りがすっごいミニオンだらけになってたんですよね。

─えーっ! 何かの予兆みたいな

尾野:そう! で、ちょっと経ってから、連絡が来て。「尾野さん、ミニオンやりますか?」みたいな。「いやぁああ~~!!!(歓喜)」って。本当嬉しかった!

─すごい……なにやら引き寄せてますね

尾野:ただ、やることを自分で決心をした時は怖かったですよ。本当にできるかってね。こんな有名な作品に出させてもらえるっていうのはやっぱり。
だって言ったら、日本のこの吹き替えを私達を知らない人も見るわけですよね。「うわぁ怖いなー」って思いましたけど、でもやっぱり嬉しさのほうが勝ちましたね!

─吹き替えもいろんな人に絶対、観てほしいな、と思いました

尾野:怖いけど! ふふふふ。

─ミニオンズのファンの皆さんに向けて、尾野さんからコメントお願いします

尾野:ミニオンズは可愛くて勇気があって、なんかこう人の心を優しく包んでくれるというかね。そのミニオンズが、あのミニオンズのまま、また帰ってきます。
あぁ、私の声がほんと心配ですけど……でも、うん、今回これでも私、頑張りました! 完璧ではないかもしれませんが、物語は後悔させません! 是非強くお勧めしたいと思います。

─ありがとうございます

終始、飾らない口調で屈託なく語ってくれた尾野さん。はにかみながらも「もっとできたはず」と少し悔しそうに語る尾野さんのそれは、(僭越ながら)女優としての伸びしろでもあり、大好きなミニオンへの愛情なのかもしれません。

インタビューの最後には、作中で大悪党を演じきったとは思えない笑顔を見せてくれました。

『ミニオンズ フィーバー』 7月15日(金)公開

ストーリー:時は1970年代。ミニオンたちは、ミニボスとして崇拝する少年グルーのもと、日々悪事を働いていた。ある日、少年グルーが何者かに連れ去られてしまう!
ミニボス救出のために奔走するケビン・スチュアート・ボブはある事件をきっかけにカンフー・マスターと出会い、弟子入りを志願する。
それは、幾重もの試練が待ち受ける、険しき道の始まりだった……。

プロデューサー:クリス・メレダンドリ『怪盗グル―』、『SING/シング』、『ペット』シリーズほか 、ジャネット・ヒーリー、クリス・ルノー
監督:カイル・バルダ『怪盗グルーのミニオン大脱走』『ミニオンズ』
声の出演:スティーヴ・カレルほか
日本語吹替版キャスト:笑福亭鶴瓶、市村正親、尾野真千子、渡辺直美、田中真弓、速水奨、大塚明夫、立木文彦、宮野真守、鈴木拡樹、LiSA ほか
原題:『Minions: The Rise of Gru』 ■配給:東宝東和
公式サイト:minions.jp

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オサダコウジ

慢性的に予備校生の出で立ち。 写真撮影、被写体(スチル・動画)、取材などできる限りなんでも体張る系。 アビリティ「防水グッズを持って水をかけられるのが好き」 「寒い場所で耐える」「怖い場所で驚かされる」 好きなもの: 料理、昔ゲームの音、手作りアニメ、昭和、木の実、卵

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