ゲームクリエイターとは?『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』湯田さんにインタビュー
ゲームが好きだから将来はゲームクリエイターになりたい。
こう思っている人も多いのではないだろうか。
でも、どうしたらなれるのか、なかなか情報が少ないのも事実。
そこで、今回はゲームクリエイターという職業について詳しく解説。
さらに、実際にゲーム業界で活躍されている『バンドリ! ガールズバンドパーティ!(ガルパ)』のプロデューサー、湯田 雅さんにお仕事のあれこれを聞いてみた。
ゲームクリエイターの仕事とは
ゲームクリエイターとは
企画からプログラムまで、ゲーム制作にかかわるすべての職種をまとめて「ゲームクリエイター」と呼ぶ。
ゲームは企画、ストーリー、プログラミング、音楽、CG、デザインなどあらゆる分野の技術が集まってでき上がるためさまざまな職種がある。
どんな仕事があるの?
予算やチームの管理を行うプロデューサー、ゲームの企画を立てるゲームプランナー、プログラミング技術を駆使してゲームを動かすコードを書くゲームプログラマー、ゲームのビジュアルを作成するCGデザイナー、ゲームのサウンド効果音を作成するサウンドクリエイターなど仕事内容は職種によってかなり異なる。
ゲームクリエイターになるには
必須の資格はない。ただし……
ゲームメーカーやゲーム制作会社に就職し、現場スタッフとしてキャリアをスタートさせるのが一般的。
ただし、プログラマーやグラフィックデザイナーは専門性が高い職種のため、入社の際に関連知識やスキルの試験がある場合も。
関連分野について大学・短大、専門学校等で学んでおくとよいだろう。
どんな技能がいるの?
ゼロからゲームを制作していく職業のため、全体を通してアイデアや発想力が求められる。
さらに、グラフィック関連ではデッサン力、プログラミング関連では論理的思考力など専門職種ごとに求められる能力は異なることも。
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ゲームクリエイターの年収
目安は初任給15〜20万円
初任給で月額15〜20万円が一応の目安だが、会社の規模等で異なるためあくまで参考程度。
企業規模で言えば大きいところのほうが高い傾向にあり、また年収ベースでは特別手当等が差になってくる。
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ゲームクリエイターに必要なスキルとは?
職種によっては専門性の高い知識が必要
原則、必須の資格はないがプログラマーやグラフィックデザイナー等の専門性の高い職種ではそれらに応じた知識が求められる場合が多い。
資格をとっておくと就職の際にアピールに繋がることもある。
意外にも求められる英語力
ゲーム制作の際、英語表記が標準の機材を扱うことが多いため、実は英語の読解力も求められることも。
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ゲームクリエイター湯田 雅さんにインタビュー
『バンドリ! ガールズバンドパーティ!(ガルパ)』のプロデューサーとして活躍している湯田 雅さんにインタビュー。
小さいころからゲームが好きだったという湯田さんに、好きなことを仕事にするために必要なことや仕事で大切にしていることを聞いてみた。
Profile
湯田雅(ゆだ まさし)さん
2012年、サイバーエージェントに新卒入社。 Amebaのゲーム部門にてエンジニアを経験した後、企画職へ転身。
2017年Craft Eggへ異動。「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」メインプランナーを務めた後、プロデューサーに就任
ゲームクリエイターになろうと思ったきっかけ
ゲームとパソコンが大好きだった!
Q.どんなお子さんでしたか?
「子どものころからずっとゲームが好きで、スーパーファミコンやNINTENDO64、ゲームボーイなどでよく遊んでいました。
特に音ゲーは、地元のゲームセンターに通ってやりこむほどハマっていましたね。
同じ頃に、パソコンにも興味をもつようになり、よく触っていました。
中学生の頃に学校で書いた「将来の夢」は、「IT業界で働く」でした。
その頃から、IT業界に興味をもっていました。
高校では数学や理科が得意だったということもあって理系を選び、青山学院大学の理工学部情報テクノロジー学科に進みました。
主にプログラミングを学ぶ学科ですね」
ゲーム業界へ就職したきっかけ
Q.ゲーム業界へ就職したきっかけは?
「大学3年生のとき、学外のアプリケーションのコンテストに友人と2人で応募しました。
就活も始まり、周囲には企業向けの仕事をするシステムエンジニアを目指す人が多かったですが、そのコンテストに参加したのをきっかけにして、企業ではなく、ユーザーに向けて仕事をしたいという思いが強くなったんです。
それでエンタメ業界やウェブなどの、お客さまにサービスを提供する業界に行きたいと考えるようになりました」
エンジニアからプロデューサーへ
Q.社会人として入社後、最初はどんな仕事を?
「エンジニアです。でもエンジニアをしていたのは最初の1年くらいで、それ以降はほぼプロデューサーの仕事をしていました」
Q.プロデューサーとエンジニアの一番の違いは?
「プロデューサーはこういうことをしたいといった、企画や提案をする側で、エンジニアはそのアイディアをどうしたら実現できるか考え実行する側だということです。
プロデューサーは事業の責任者でもあるので、ビジネス視点で全体を考えつつ、新機能の提案や、シナリオの展開、どういったコラボを実施するのかなど、中長期的な計画をたてます。
そこから専門チームの方々に具体的な仕事をお願いして、仕上がりを僕がチェックするという流れになります」
ゲームプロデューサーが大事にすること
Q.ゲームプロデューサーが気をつけていることはどんなこと?
「そもそもゲームプロデューサーの仕事には大きく2つの区分があって、1つ目が新しいゲームの制作という仕事。
これは世の中にまだないゲームを作るということです。
もう1つは運用と呼ばれる、すでにそのゲームで遊んでくださっているお客さまがいるなかで、そのゲームをさらに伸ばしていく仕事があります。
僕は運用にかかわることが多く、ガルパにはリリースの1カ月後くらいから参加して、現在運用6年目となります。
Craft Eggでは『ユーザーファースト』という思想を掲げているとおり、お客さまの声にはかなり敏感で、お客さまの求めているものは何か、長く遊んでもらうにはどうしたらいいのか、常に考えるようにしています。
それからスマホゲームにかかわらず、インプットのために新しいゲームタイトルはとにかく遊ぶようにしています。
もう仕事なのか趣味なのかよくわからないですね(笑)」
「人生を豊かにするコンテンツ」を生み出せた瞬間
Q.この仕事のやりがいや魅力とは?
「自分やチームで考えて実行したことがお客さまの喜びに繋がった瞬間というのは、やりがいを一番感じますね。
実はお客さまから、『ガルパで出会って結婚しました』や『ガルパをきっかけにゲーム業界に就職した』という嬉しい報告をいただくこともあるんです。
『人生を豊かにするコンテンツをつくる』というCraft Eggのミッションがそのように達成されたときは本当にうれしいです」ゲームクリエイターになりたい高校生へ
突き詰めた「好き」が武器になる
Q.好きなことを仕事にするためには?
「僕は元々すごいゲーマーで、かつ音ゲーというジャンルがすごく好きでした。
音ゲーを『かじっていた』のではなく、毎日ゲームセンターに通い全国のランキングに載るくらい『やりこんでいた』んです。
ガルパがリリースされたときに『社内に音ゲーが得意な人がいる』と声がかかり、今、プロデューサーをやっています。
音ゲーをやりこんでいたからプレーヤーの感覚や感情がわかりますし、お客さまの視点で考えることができます。
このように昔やっていたことが役に立ったり、仕事に繋がったりすることは割りとよくあるので、学生のうちから好きなことを一つ、突き詰めておくといいと思います。
別にゲームがうまくなくてもいいんです。
ストーリを何度も読み返すほど好きだとか、そのゲームの歴史を細かいところまで語れるとか、何か突き詰めたことがあれば。
それらが、いざゲームを作るときに役に立つと思います」
「遠回り」した経験が自分の強みに
Q.プロデューサーとしての自分の強みは?
「弊社だと、入社してからいわゆる企画職でスタートして、プロデューサーになるという人が多い印象があります。
ただ、僕の場合は元々エンジニアで、アイディアを実現する側だったので、どういう条件、伝え方だったら相手がやりやすい、わかりやすいというのがわかる、それが仕事の質やスピードに繋がっているのかなと思います。
それに、実はガルパに参加した当初はプロデューサーではなく、お客さまに喜んでもらうための企画を考えプロデューサーに提案する業務をしていたんです。
その経験があったから、今、『ガルパでこういうことをしたい』とプランを思いついたときも、メンバーにそれを伝えやすい。
無駄な経験なんてないんだなと思います」
「好き」がわからなくても、実は見つける方法はある
Q.やりたいことが見つからず、進路を定められないとき、どんな考え方をするといい?
「僕は絶対に嫌なことだけは避けてきました。
絶対嫌なことは断るけれど、そうでもないことは一度やってみる。
プロデューサーという仕事も、最初やってみないかと言われたときにはそのような気持ちで挑戦してみました。
今は、その時にやって良かったと心から思っています。
正直、進路で言えば、数学が好きというより国語が嫌いだったから理系に進んだという面もありました(笑)。
もし好きなこと、やりたいことが見つからず進路に迷っているなら、『こっちはやりたくないからこっちにしよう』という選び方も考えてみてください。
『好き』は見つからなくても、嫌なことってある程度わかりますから」
嫌じゃないならやってみる、それを繰り返すうちに、好きなことを見つけられる、というのは、進路に迷う高校生にも大きなヒントになるのではないだろうか。
好きを見つけようと言われてもプレッシャーに感じてしまう、なんていう人でも、この考え方ならリラックスして自分と向き合えるかもしれない。
ぜひ自分の進路選択に生かしてみよう。
取材・文/回遊舎 構成/寺崎彩乃(本誌) 取材協力/株式会社Craft Egg
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