これわかる?「アイキン」「オブケ」「グニゴム」─警察用語の基礎知識50音
どうも特殊犯罪アナリストの丸野裕行です。
今回からは現役刑事に取材をすることに成功したので、警察組織の特集をスタートしてみたいと思います。事件が発生したりした場合、警察というのは一体どのように動くのか? 警察の本当の姿とは? ということでシリーズでお送りしていきます。
まずは第1弾《警察用語の基礎知識》!
警察組織には様々な隠語があります。それは素人にとって非常に難解です。しかし、刑事ドラマなどで何度か耳にしたこともあるのではないでしょうか? その最たるものが《ホシ》(※犯人のこと)や《ブンヤ》(※新聞記者のこと)、または事件のことを《ヤマ》などと言ったりします。
警察内部の隠語など、我々素人がまったく知る術もない警察官がごく当たり前に使っている専門用語について例を挙げながらふれていきたいと思います。これを知っておくだけで、あなたが大好きな刑事ドラマや警察小説を数倍楽しめるかもしれません! では、はじめてみましょう!
まずはア行から50音順にさらっていきたいと思います。
ア行
・《アイキン》:パトカーに乗務するときに同乗する相手のこと
・《アイ》:スリの意味。昔はスリのことを【相手屋師】と呼んだことからくる
・《アカウマ》:放火犯の意味
・《アオオニ》:違反青キップの意味※交通違反
・《アカオニ》:違反赤キップの意味※交通違反
・《入り》:窃盗や強盗の意味でその侵入口
・《ウカンムリ》:窃盗犯
・《ウサギ》:脱走した犯人
・《ウタウ》《落ちる》:自供の意味
・《ウラ》:裏付け捜査
・《A号》:前科紹介の意味
・《エス》:潜入させた組織内のスパイ ※その逆は《イヌ》
・《押し込み》:半グレたちがよくやる手口※侵入強盗
・《オシドリ》:ふたり組のスリ稼業
・《踊る》:暴れる容疑者のこと
・《オブケ》:警部の意味
・《お宮入り》:迷宮入りの意味
・《泳がせる》:犯人を監視して再犯させる
みなさんも刑事ドラマで聞いたことのある隠語が混ざっていたのではないでしょうか? 次はカ行です!
カ行の隠語
・《カク秘》:上級の極秘事項や情報のこと
・《ガサジョウ》:捜索や押収に関する検察・裁判所から発行された許可状
・《カンオチ》:全面自白の意味
・《カリ》:一斉に検挙すること
・《キンタイ》:緊急逮捕時のこと
・《グニゴム》:人質のこと
・《キンパイ》:緊急配備を敷くこと
・《ゲソ》:事件の容疑者、または被害者の足跡が残っていること
・《ゲンニン》:事件現場での現状確認の意味
・《コロッケ》:女性殺人犯のこと
・《ゴタ》:暴力沙汰やケンカ事
基本的にカ行は、暴力的な隠語が多い気がしますね! 続いてはサ行です!
サ行の隠語
・《サンズイ》:汚職事件の意味
・《シンショウ》:捜査する者が被害を受けた被害者に思う印象のこと
・《シキテン》:容疑者の見張り役の刑事
・《スジモノ》:暴力団などの反社会勢力関係者
・《ゾウヒン》:強奪品や密漁品などの盗難品の意味
サ行はいかにも専門用語といった感じのものが多かったです。続いては、タ行~マ行!
タ行~マ行の警察隠語
【タ行】
・《タタキ》:強盗事件の意味
・《トオバリ》:張り込みを遠くで行っているとき
・《チョウバ》:捜査本部の意味
・《タンパン》:単独犯で犯行に及んだこと
【ナ行】
・《ニンベン》:公正証書などの公的証明書の偽造品
・《ナシワリ》:証拠品の出どころや行方について調べること
・《ニンドウ》:任意同行を求めるときのこと
【ハ行】
こちらは刑事ドラマでよく知られている用語が多いので割愛いたします。
【マ行】
・《マメドロボウ》または《ツッコミ》:性に関する犯罪に関わる犯罪者、
・《マルセイ》:精神的に異常が認められる犯罪者
・《マグロ》:轢死した遺体
・《マルツイ》:追跡者が追いかける逃亡者
・《マルソウ》:暴走力の意味
・《モサ》:スリの常習犯
・《マワシ》:輪姦、レイプのこと
・《モン》:指紋の意味
どんどんと深みにハマっていく警察隠語の世界。続いては、ヤ行~ラ行になります!
ヤ行~ラ行の隠語はこちら!
【ヤ行】
・《ヤサヅケ》:犯人が住んでいる住所を特定すること
・《ヤマミ》:犯行現場などを見に行くこと
・《ヨンパチ》:48時間留置の意味。逮捕者が検察へ送致されるか、取り調べを続けるのか、はたまた逃亡や証拠隠滅の危険性がないのかを判断する留置時間
・《ヨイアキ》:夜限定の空き巣犯のこと
・《ヨコ》:横領の略語
【ラ行】
・《ルイハン》:同じ犯罪行為を何度も繰り返す常習犯の意味
・《ラジオ》:無銭飲食での逮捕者のこと
いかがでしたか?
今後も実際に現役刑事に取材した話を綴っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
※地域・地方の所轄によって呼び方は変わることがありますのでご了承ください
(C)写真AC
(執筆者: 丸野裕行)
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