ドラマ「TOKYO VICE」アンセル・エルゴートに聞く「日本文化の中の“らしくない姿”が面白いコントラストになっている」

エンターテインメント・シーンの最前線で活躍するハリウッド最高のスタッフと日米のスター・キャスト陣が集結し、WOWOWとHBO Maxの日米共同制作で贈る史上初の超大作ドラマ・シリーズ「TOKYO VICE」。いよいよ4月24日(日)よりWOWOWでの配信がスタートしました。

新聞記者、警察、ホストやホステス、そしてヤクザ。きらびやかな大都会の裏側で縦横無尽に広がる、90年代東京の凶暴なアンダーグラウンドで、誰が生き残り、誰が姿を消していくのかー。アンセル・エルゴート、渡辺謙、菊地凛子、伊藤英明、笠松将、山下智久など、豪華キャストが集結しています。

(C)HBO Max _ James Lisle

先日来日した主演のアンセル・エルゴートに本作の魅力、こだわりについてお話をうかがいました。劇中でも日本語セリフを披露しているアンセルですが、このインタビューにも半分以上日本語で答えてくださいました!

――本作は日米の才能が集結し、東京のダークサイドを描くというこれまでに無い作品となっていますね。私も一話を拝見して、今も非常に続きが気になっています。アンセルさんはこのお話のどの様な部分を面白く感じていますか?

このドラマにはミステリーもあるし、サスペンスの要素もあります。ジェイクはヤクザを取材し記事にしようとする。そのなかで、ヤクザを取り締まる側の警察にも汚職があることに気が付きます。物語が進んでいく中で、ジェイクは誰を信じたらいいか分からなくなります。観客にも同じような気持ちになってほしいのです。

――「ヤクザ」というのは日本独特の文化かと思いますが、アンセルさん演じるジェイクがそこに切り込んでいく所が良い違和感があって惹き込まれました。

そうですね。このドラマの面白さはかなりリアルなヤクザの姿を描いているところにあります。例えば(ヤクザの若きリーダー佐藤を演じる)笠松将の演技を観てほしい。将はクールでありながら、感情もよく表現していました。誰もが魅力を感じる俳優だと思います。

(C)HBO Max _ Eros Hoagland

――素晴らしいキャスト陣が集結した本作ですが、その他に親しくなった方はいますか?

ハリウッドでも活躍されている渡辺謙さんとご一緒出来て光栄でしたし、(伊藤)英明さんとは一緒のシーンの撮影がはじまってすぐに馬が合いました。新年には岐阜にある英明さんの実家にも行って、文字通り、裸の付き合いで温泉に毎日入りました。お母さんの手料理をごちそうになってとても美味しかったです。岐阜城のある山にも登って、初詣にも行きました。おみくじで英明さんの息子と私は大吉を引きました。とても感謝しています。

(C)HBO Max _ James Lisle

――日本の方でもなかなか行けない様な、素敵なお正月を過ごしたのですね。今日もこうしてお話を伺っていて、日本語が本当にお上手ですが、劇中のジェイクの様に猛勉強したのでしょうか。

毎日、日本語を4時間練習しました。先生は月曜日にひらがなを教えて「週末までにすべてを覚えておくように」と言い、私はきちんと覚えました。日本語のセリフもずっと頭のなかで話すようにしていました。大変でしたが、その時間は決して嫌ではなかったです。日本の人たちは自分の仕事に対し、非常に献身的に取り組みます。私の日本語も先生のおかげで上達したと思います。

日本語を学びながら合気道も習い、事件記者の勉強もして、実際にロサンゼルスで記事を書く練習もしました。日本語の記事も書きました。日本の新聞社にも行って、仕事をする様子を見せてもらったことも大きな経験です。

(C)HBO Max / Eros Hoagland

――たくさんの勉強をする中で一番大変だったことは何ですか?

合気道の撮影をしている時、途中でマイケル・マン監督が「畳の色を変えたい」と言って、新品のすごく固い畳に変わりました。とても痛くて全身あざらだらけになったことは大変でした(笑)。合気道の練習をし始めた時、汗をたくさんかいて呼吸も上がっていたのですが、周りの方はそんなことはなくて。合気道にはリラックスが必要なのだとも学びました。

――1990年代の新聞社はもちろん、お店や飲食店も、現在の東京とは違う姿を見ることが出来て面白いですね。

ジェイクは多くの記事を読んだり、雑誌を読んだり、合気道をして、お酒を飲んで、日本のカルチャーをリスペクトしています。でも時には新聞社での規則に従わず、権威に歯向かいます。日本文化らしくない姿で、周りとの面白いコントラストになっていると思います。マイケル・マン監督はきっとこのコントラストを描きたかったのだと思います。

――今後どんどん話も展開していくと思いますので、私自身も楽しみにしています。

ぜひたくさんの方にご覧いただいて「TOKYO VICE 2」に挑める様に願っています。本当に日本での仕事は楽しく学ぶことがたくさんありました。また日本での撮影や、日本の作品にもチャンスがあれば出てみたいです。

――今日は素敵なお話をありがとうございました!

ハリウッド共同制作オリジナルドラマ「TOKYO VICE」
WOWOWにて毎週日曜午後10時より独占放送中
WOWOWオンデマンドにて配信中

https://www.wowow.co.jp/drama/original/tokyovice/

  1. HOME
  2. エンタメ
  3. ドラマ「TOKYO VICE」アンセル・エルゴートに聞く「日本文化の中の“らしくない姿”が面白いコントラストになっている」

藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

記事ランキング