ルーツをたどる。
今回はMIZUUCHIさんのブログ『Tokyo Life』からご寄稿いただきました。
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ルーツをたどる。
年齢を重ねてくると、「自分とはいったい何者なのか」という疑問が、自分のルーツをたどる動機になったりするものらしい。私の祖父も生前、寺や役所で過去帳を調べていたようだし。
しかし、もっと壮大なルーツをたどれるのがこれ。
『The Genographic Project (2.0Beta) by National Geographic』
https://genographic.nationalgeographic.com/
数年前、National GeographicとIBMが、東アフリカで誕生した人類という種がどのように世界中に広がっていったかを調べるプロジェクトをやってました。東アフリカから移動を始めた人類は、いくつもの分岐を経て世界中に散っていったわけですが、その途上で遺伝子に刻まれていった「マーカー」を追跡すれば、東アフリカから始まる人類の壮大な旅「Great Journey」を遡れる。世界中のいろんな民族の遺伝子を集めて、データベースを作って、地域ごとのマーカーを調べ、その発生頻度と地域の関係をマッピングすれば、全世界に人類が拡散していった様子を再現できる。それを実際にやってみようとしていたのが、The Genographic Projectでした。
そして、ある程度のデータベースができたので、今度は希望する人がこのプロジェクトに参加できるようにしたのが、The Genographic Project (Beta2.0)。キットを取り寄せると、綿棒みたいなプラスチックの棒と、それを収める小さい試験管みたいな容器が送られてくるので、その綿棒状のもので頬の内側を擦って容器に入れて送り返すと、2ヶ月くらいで分析の結果がオンラインで見れるようになります。
自分は、東アフリカからどのルートを経て来たグループに近い遺伝子を持っているのか。もちろん祖先たちはグループ間でも混交しているわけだし、一本のルートが示されるわけじゃないですが、大まかなルートやそこを通った時期、自分と近い遺伝子を持つ人々の分布などが分かりますよ。
また、人類が誕生した頃は、現世人類の他に少なくともあと2種の人類、ネアンデルタール人とデニソワ人がまだ生きていてホモ・サピエンスと混血していたので、今の自分の中にどれくらいネアンデルタール由来のゲノムがあるのか、なんていうことも分かる。(ちなみに、世界に拡散せずアフリカにずっと残ったと考えられる黒人のグループにはネアンデルタール由来のゲノムは見つからないらしい。)
たぶん、日本人だったらみんな似たような結果が出るような気もしますが、人類という種の歴史の中で自分が今どこにいるのかを知るのは、ちょっとロマンチックじゃないですか。
ということで、既に50万人以上の遺伝子情報を集めたこのプロジェクトに参加してみましたよ。
(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
https://px1img.getnews.jp/img/archives/2013/04/map.jpg
https://px1img.getnews.jp/img/archives/2013/04/results.jpg
私の場合は、日本人よりも中国人、それも中国南部の人々と近い遺伝情報を持っているらしいです。
なお、キットは199.95ドル、キットには固有番号がついていて、その番号で管理されるので、匿名で分析してもらえます。要英語。
執筆: この記事はMIZUUCHIさんのブログ『Tokyo Life』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2013年04月19日時点のものです。
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