早春の花には要注意⁈「悲しい愛」の花言葉をもつ花5選
愛情を込めた贈り物といえば、誰もが連想するのがフラワーギフト。しかし選ぶ花には要注意。あふれんばかりの思いでプレゼントしても、「あれ? この花の花言葉は確か、失恋を意味するものじゃ?」なんてならないように気を付けて!
春を告げる可憐な花なのに!悲しい花言葉5種をご紹介
凍える冬を乗り越えて咲く愛らしい花々。「ぜひ大事なあの人にも見てほしい」と贈りたくなりますが、その前に念のため花言葉をチェックしましょう。同じ花でも花色によって意味合いが違いますから、その点にもご注意を。
そもそも花言葉って?
花言葉は、いかにも西欧風なものと思われがちですが、その起源はトルコにあるといわれます。かつてトルコでは、思いを込めて花束を贈り、もらったほうもまた、花束に託して返事をする「セラム」という風習がありました。
この風習が18世紀にヨーロッパに伝わり、さまざまな花に「花言葉」をもたせるようになったのだとか。日本には明治時代に渡来しました。
花言葉のベースになったのは、花の見た目・花の色・植物の性質・神話や伝承・植物の名前など。同じチューリップでも、花の色によって花言葉は異なります。「花や樹木などの植物に特別な意味を込める」という文化は、世界中で見られますが、地域によって解釈が違うのも興味深いところです。
たとえば、フクジュソウ。日本では「福寿草」という名からおめでたい草花として、お正月に欠かせません。しかし、西欧での花言葉は「悲しき思い出」…けっしておめでたい花とはいえないのです。
このように花言葉は、地域や文化による違いがあるうえ、現在も増え続けており、すべてを把握することは困難です。また、あるひとつの花言葉が「正解」ともいえないのが難しいところ。
とはいえ、花言葉をまったく知らないまま花を贈ると、とんだ誤解を招きかねません。フラワーギフトのマナーとして、お祝いや愛の告白などで花を贈る場合には、悲しい愛やネガティブな意味を含む花言葉かどうかを、事前に調べておくことをおすすめします。
花の贈り物をするときのNG集
花言葉と同じく、フラワーギフトにはいくつかの注意すべき点があります。おとなとのマナーとして、心得ておきましょう。
●病気のお見舞いや快気祝いには、NGの花がいっぱい!
頻繁に水を換える手間が減るだろうと、鉢植えをお見舞いに贈るのはダメ。鉢植え=根づく=寝付くとなり、病気が重くなることをイメージさせます。また、体調の悪い方に、ユリなど香りの強い花は避けたいものです。
そのほか、真っ赤な花は血を、白い花は葬儀を連想するのでよくありません。さらに「シクラメン」「シネラリア」等、「死(し)」や「苦(く)」と関連付けられる花を選ばないように注意して。
●花束の本数にも気配りを
特別な意味合いがない限り、縁起が悪いとされる4(死)、9(苦)、13(受難)本は避けるのが、おとなのマナーです。
●個展や展覧会などのお祝い花は控えめに
作品より目立ってしまっては本末転倒! また「花はお断り」のケースもあるので、必ず事前に確認しましょう。
次項では悲しい花言葉を持つ、要注意な花をご紹介します。1種の花であっても花言葉の意味合いは多岐にわたり、さまざまな解釈がありますが、愛を伝えたいとき、お祝いをするときのフラワーギフトでは、避けたほうが無難です。
スイセンの花言葉は「偽りの愛」
もっとも有名な、あまりよくない花言葉の花といえば、スイセン(ヒガンバナ科)でしょう。スイセン全般の花言葉は「自己愛」「うぬぼれ」「偽りの愛」など。
この花言葉は、ギリシャ神話で有名な「ナルシス」がベースです。水面に映る自らの美しさの虜となり、恋焦がれた挙句、とうとう水辺に咲くスイセンにその身をかえたナルシス。自己愛やうぬぼれの強い人「ナルシスト」の語源にもなりました。
スイセンは、強健で育てやすい球根植物です。12~4月に美しい花を咲かせ、同時に素晴らしい芳香を放ちます。地植えにする場合、数年は植えっぱなしでもよく、園芸ビギナーの方におすすめの花ですが、フラワーギフトには要注意です。
アネモネの花言葉は「恋の苦しみ」
3~5月に、風にそよぐ可憐な花を咲かせるアネモネ(キンポウゲ科)。誰しもが愛らしいと見とれる姿に似合わず、アネモネの全般の花言葉は「恋の苦しみ」「見捨てられた」「はかない恋」など、悲しいものばかりです。
アネモネの花言葉もまた、ギリシャ神話に由来します。花と春の女神フローラの怒りを買い、追放されてしまった侍女のアネモネ。非業の死を遂げる美少年アドニス…いずれもバッドエンドの逸話です。
しかし、白花のアネモネの花言葉は「期待」「希望」、赤花は「君を愛す」と、決してマイナスではないのが救いです。フラワーギフトにするときは要一考ですが、ガーデニングにはぜひ用いたいアネモネ。手間いらずで植えっぱなしでも花を咲かせるうえ、乾燥するロックガーデンでも生育可能です。
紫のクロッカスの花言葉は「愛の後悔」
クロッカス(アヤメ科)は草丈5~10㎝とミニサイズながら、病害虫も少なく、育てやすい球根植物です。花壇のボーダーに植えたり、小さな鉢植えに仕立てたりと、さまざまなガーデニングシーンで活躍します。
また、クロッカス全般の花言葉は、「上機嫌」「青春の喜び」など決して悪くありません。それなのに、紫のクロッカスになると「愛の後悔」、黄色いクロッカスは「私を信じて」とネガティブな花言葉になります。
クロッカスの場合、花の色が花言葉に大きく関係しているようです。西欧では、紫は高貴な色であると同時に悲しみや喪を表します。黄色は、嫉妬や不吉な事象を象徴することが多い色なのです。
白のチューリップの花言葉は「失われた愛」
春の花といえば、チューリップ(ユリ科)!童謡でも歌われるポピュラーな花で、チューリップ全般の花言葉は「理想の恋人」「思いやり」など、心あたたまるものです。
先にご紹介した、トルコの花の贈答習慣「セラム」においても、チューリップを用いるのが人気だったのだとか。それを裏付けるように、赤いチューリップの花言葉は「愛の告白」なのに、白いチューリップは一転して「失われた愛」ですから、注意してください。
さまざまな花色を持つチューリップは、人気の秋植え球根です。ナチュラルガーデンを目指すなら、球根の植え付け時に一工夫。球根を高い位置から数個落とし、転がったところに植えると、まるで自然に芽吹いたようなガーデンデザインができます。
黄色のストックの花言葉は「さびしい恋」
ストック(アブラナ科)は、花色はピンク、赤、白、紫などカラフルで、一重咲きと八重咲きがあり、草丈も20~80cmと、植え場所や演出方法によって品種のセレクトが楽しみな春の花です。3月ごろから咲きはじめ、5月まで次々と咲く花を楽しめます。
ストック全般の花言葉は、「求愛」「永遠の美」「愛情の絆」など、プロポーズにも最適なものばかり。ピンクの花は「ふくよかな愛情」、白は「思いやり」、紫は「おおらかな愛情」と、ポジティブな言葉が並びますが、残念ながら黄色いストックの花言葉は「さびしい恋」となってしまいます。
おわりに
いかがでしたか?要注意な花言葉をもつ花をご紹介しましたが、相手がその花が好きな場合などは、花言葉を最優先する必要はありません。フラワーギフトの原則は、「相手にお花で喜んでもらうこと」。その一助として、花言葉を上手に活用してくださいね。
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