10代、20代の賃貸トラブルが多発。国民生活センターが賃貸借契約や原状回復などに注意喚起
国民生活センターが、若者向け注意喚起として、住宅の賃貸借に関するトラブルについてチェックポイントなどを紹介している。特に、親元を離れて新たな生活を始める際に、賃貸借の契約をすることが多いので、契約内容をしっかり確認するように呼びかけている。
【今週の住活トピック】
「賃貸借契約にまつわる相談件数とトラブル防止のポイント」を発表/(独)国民生活センター
住宅の賃貸借に関する相談件数の2割は20歳未満~20歳代!
国民生活センターによると、住宅の賃貸借に関する消費生活相談のうち、契約当事者が 20 歳未満および 20 歳代である件数は、毎年2割ほどを占めるという。契約する時のトラブルだけでなく、入居中や退去時についても、契約内容に起因するトラブルは多い。
住宅の賃貸借のトラブル事例として、国民生活センターは次の事例を挙げている。
事例1:入居前に解約を申し出たら、支払った敷金などを含む約18万円がほとんど返ってこなかった。
事例2:賃貸マンション退去後に、原状回復費用として17万円もの額を請求された。
なぜ、こんなトラブルが起きるのだろうか?
(写真/PIXTA)
契約後は、契約書に記載された内容に文句は言えない
賃貸住宅を契約する際には、契約上重要な説明を受けた後、賃貸借契約を交わす。契約をすると、そこに記載された内容を理解したうえで契約したものと解釈されてしまう。つまり、そこに記載されたとおりに実行されても文句は言えないし、逆に記載されたことと異なること、あるいは記載されていないことは交渉できるわけだ。
賃貸借契約書には、国土交通省が推奨するひな形がある。しかし、個人と個人が契約を交わす場合、それぞれに事情があるので、常識から考えて消費者側に著しく不利となるものを除き、互いが合意すればどういった契約内容でもかまわない。そこで、事前に契約に関する書類にどういったことが記載されているか、確認することが重要になる。
「申し込み」の段階であれば、自分の都合で契約を取りやめることができ、預けた申込金は返還される。しかし、契約が成立した後は、たとえ実際に入居する前に解約したとしても、「契約解除」について契約書に記載された内容通りに手続きがなされても文句は言えない。
入居時だけでなく、退去時のトラブルも多い。特に、「敷金」と退去時の「原状回復」費用との精算をめぐるトラブルは多い。そこで国土交通省では、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を作成し、HPに公表している。国土交通省では、契約書に原状回復に関する取り決めを具体的に明記するように推奨しているので、契約前にガイドラインを確認しよう。
(写真/PIXTA)
契約時、入居中、退去時のトラブルを防ぐには?
契約するまでに、契約内容についてしっかり理解しておくのはとても重要なことだ。国民生活センターでは、特にチェックしてほしい項目をリストにしている。
出典:国民生活センター/若者向け注意喚起シリーズ「新しいお部屋で新生活!「賃貸借契約」を理解して、トラブルを防ごう!!」より転載
加えて、退去時のトラブルを防ぐには、いつから損傷していたかなどが分かるように、入居前や入居時に、貸主などと一緒に状況を確認したり、写真を撮ったりしておきたい。また、入居中も損傷が生じたら貸主に相談して、必要な補修を行ってもらおう。放置して損傷を大きくさせたり、無断で補修をしたりすると退去時のトラブルになりかねない。
普通に生活している間に、年月による壁紙の日焼けや家具を置いた跡などが発生するのは当然のこと。原状回復として、退去時に借主が負担するものには当たらない。原状回復費用は、借主側が生じさせた損傷などを負担するものなので、原則をよく理解し、契約書の原状回復の取り決めを確認しながら、費用負担について貸主側と交渉しよう。
賃貸住宅は、わが家ではあるものの、あくまで貸主の住宅を借りているもの。そのことを踏まえて、適切に使用するよう心掛け、契約書の内容をよく理解して生活しよう。無用なトラブルはないほうがよいにちがいない。
●関連サイト
「賃貸借契約にまつわる相談件数とトラブル防止のポイント」を発表/(独)国民生活センター
国土交通省が定めている「原状回復をめぐるトラブルとガイドラインガイドライン」
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